新社会人としてスタートをされた皆さま、おめでとうございます。
期待もあれば不安もあるでしょうが、これからの社会人としての長い人生をスムーズにスタートさせたいですね。
社会人として「仕事」を覚えていくことはもちろん重要ですが、「お金」の部分についても学生の時と異なってきます。
その中の一つとして生命保険への加入を勧められるかもしれません。
しかし、
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目次
検討すべき生命保険の主な保障は「死亡」と「入院」の2つ
生命保険とひとことで言っても、死亡保険、医療保険、がん保険、最近はケガなどで長期間働けない時のための所得補償保険も注目されています。
その中でも10代や20代で独身の場合であれば、検討すべき生命保険は死亡保険と医療保険の2つになります。
死亡保険は加入しても保険金額300万円あれば十分
死亡保険は、被保険者(保険の対象者)が死亡した時に、残された家族が受け取る保険です。
この死亡保険の加入目的は、自分が死亡した場合に残された家族のその後の生活費などを確保するためです。
もし、あなたの収入で生活をしている(扶養している)人がいれば、1,000万円以上の保険金額を検討しなければなりません。
それ以外の独身の場合であれば、死亡保険に加入するとしても、亡くなられた後の葬儀代程度の確保で十分です。
保険金額で言えば300万円が上限でしょう。
なお、将来、ご結婚された時に死亡保険の金額の引き上げを検討してください。
あと、日本学生支援機構の奨学金を在学中に借りており今後返済していく人の場合でも、「本人が死亡し返還ができなくなったとき」には返還を免除されます。
死亡保険の保障金額を考える時には考慮に入れる必要はありません。死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除(独立行政法人日本学生支援機構)
医療保険も必要最低限で十分!
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医療保険は、被保険者(保険の対象者)が病気やケガで入院した時に、入院給付金などをご本人が受け取れる保険です。
この医療保険の加入目的は、自分が入院した時の金銭的な負担を軽減させるためです。
しかし、みなさんは健康保険制度に加入されていますので、病気やケガで入院した時にも給付があります。
その給付の中でも高額療養費制度があります。
この制度は、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。
協会けんぽの場合には、標準報酬月額26万円以下の方は5万7,600円、標準報酬月額28万~50万円の方は約8万円(支払った医療費により異なる)が1か月の自己負担限度です。
若い時には、頻繁に入院することは一般的に考えにくいため、医療保険を検討する時には、入院日額5,000円など最低限の保障で十分です。
駅まで自転車で通勤する人は「自転車保険」の検討を!
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生命保険の話ではありませんが、最近、自転車保険への加入を義務付ける自治体が増加中です。
加入義務付けの対象外であっても、日々使用する自転車であれば、いつ事故を起こすか分かりません。
その損害賠償額も高額になる時もありますので、自転車保険にまだ加入していない人は検討しましょう。
そして、検討の前に、すでに何らかの形で個人賠償責任保険に加入しているのであれば自転車保険の代用になります。
この個人賠償責任保険は、自動車保険や火災保険、傷害保険の特約、クレジットカードに付帯されていることもあります。
家族が加入している時にはあなたも補償の対象になっていることもありますので、確認してみましょう。
新入社員の時の生命保険は必要最低限で十分。貯蓄に注力を!
生命保険は、「もしも!」の時に備えて加入するものですが、必要以上に加入してしまうと家計を圧迫する原因になってしまいます。
したがって、生命保険への加入は必要最低限にしておき、その分を確実に貯蓄していくようにしましょう。
今後は、一定の貯蓄額ができれば、「もしも!」と時の生命保険代わりにもなりますし、今後のライフプランに必要な費用にも充てられます。(執筆者:岡田 佳久)