法人設立から2期目(2年目)の決算が終わり、今年も無事に法人税を納めました。
1期目の後半から売上が伸びる予測ができていたので、2期目はこれまで計上していなかった費用を節税のために経費計上することにしました。
会社にかかる法人税は利益に対して税率がかけられます。
利益が上がれば法人税も高くなります。
個人の場合、総所得から扶養控除や生命保険料控除などさまざまな控除を引いて、残りの所得に税率がかけられます。
会社で行う年末調整や、個人で行う確定申告などで控除や税金の計算を確認しながら行えます。
では法人の場合はどうでしょうか?
今回は中小企業の節税対策について考えてみました。
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目次
節税対策とは
節税とは所得控除や非課税制度を活用して税負担を軽減すること。出典:小学館 デジタル大辞泉
税金を納める際、税務署さんから「こうしたら税金が下がりますよ」とか「〇〇控除を使うと税金が安くなりますよ」といったアドバイスを受けたことはあるでしょうか?
おそらく、ほとんどの方がないでしょう。
「節税できる対策はありますか?」と聞いてもなかなか教えてはくれません。
ご自身で使える控除や非課税制度について調べて申告しなくてはいけません。
知っている人が得をして、知らないと損をしてしまうということです。
会社で使える控除や非課税制度については、税理士さんと相談しながら取り入れてみるのも良いでしょう。
他にも、意外と見落としがちな経費がありますので確認してみましょう。
見落としやすい経費計上
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個人で契約して、仕事で使っているものがあります。
・ 自宅の家賃やローン、光熱費
・ 車、ガソリン代
・ 保険料
大手企業では会社支給の携帯や車両を使うことが多いかと思いますが、個人経営や中小企業などでは、個人名義のものを仕事に使うこともあります。
使用料を案分(比例して分ける)して仕事で使っている分は経費として計上できます。
リモートワークや在宅などご自宅で仕事をするかたも増えてきました。
自宅を仕事場として使っているので、家賃や光熱費も使用している分を経費として計上できます。車やガソリン代も同様です。
その他、営業や打ち合わせに出ている社員の交通費や出張旅費も見落としやすいです。
遠距離出張の場合は日当の請求もしていないケースが多いです。
出張旅費規定を作成し、経費精算できるようにしておくと良いでしょう。
また、社長が個人で加入していた保険契約を契約者変更することで、法人契約できます。
保険商品にもよりますが、保険料は会社の経費として計上できます。
実際の業務に必要なもの、会社の利益につながるもの、会社を経営するために必要なものは経費として計上できますのであらためて支出の内容をチェックしてみてください。
やってはいけない節税対策
高級車を買ったり、プリンターを複数台購入したりといった無計画な設備投資などです。
高額な保険料の保険加入、名義だけ社員・役員となっている親族への給与・報酬支払い、代表者が持っている他の法人への発注など、節税ではなく「脱税」と思われるものはNGとなります。
会社の利益につながる、必要な費用を1つずつ経費計上していくことで、計画的に節税対策をとるほうがお勧めです。
1つのものでも個人と仕事とで案分し、仕事分を費用として計上することで節税につながります。
「高額な保険料の保険加入」について
これまで、全額損金参入できる商品の中で、解約した際に戻る解約返戻金が高いもの(資産性のあるもの)がありました。
節税目的で加入されている経営者のかたも多いかと思います。
税法上グレーなのではと問題視されておりましたが、今回、国税庁より節税保険の見直し案が提示され販売停止する保険会社も増えております。
参照:節税保険の「全額経費」見直しへ 国税、生保に提示方針(朝日新聞デジタル)
決算書はある意味、会社の「通知表」
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3月に子どもたちは通知表を受け取ってきました。
各科目の成績だけでなく、1年間頑張ってきたこと、出欠席、努力してきたことが書かれています。
決算書はある意味、会社の通知表です。
会社の経営に必要なもの、将来のために投資していることなどが決算書に数字として残ります。
必要な費用をきちんと計上し、安定して利益を伸ばしていくことも重要なポイントです。
節税対策を通じて皆さんの会社経営にお役立ていただければ幸いです。(執筆者:藤井 亜也)