訪問介護とは、自宅に介護福祉士やヘルパーが訪問し、生活支援や身体支援を行う在宅型の介護サービスです。
ご本人にとっては身近な支援者となります。
また、家族にとっても、自宅に来てくれるため心の支えともなる人です。

しかし、中には家政婦だと勘違いしている人も多くいらっしゃいます。
できないことを支援してもらい、なんとか在宅生活を自立させていくという介護保険サービスの本質を知らず、ラクしようと思って利用している人も少なくありません。
介護保険サービスで利用できる訪問介護の利用って「本当はどんな利用の仕方が正しいのか」ということをご説明しておきたいと思います。
利用する側も知っておくと安心して依頼ができます。
目次
訪問介護の生活支援とは

訪問介護を利用し、生活支援を受けるということになった場合には、掃除、調理、買い物というように生活に直結した介護サービスを受けます。
・ 在宅で生活を続けたいが、腰が痛く、重たいものをどうしても持つことができない人が掃除の支援を受ける
・ 長時間かかる調理の下ごしらえをお願いしている
・ 足が悪く外出も大変なので買い物をお願いする
など、支援内容は人それぞれです。
介護保険サービスとして1割の自己負担の人であれば、45分程度の利用時間で要介護の方で約400円程度です。

介護保険サービス以外での利用について
介護保険のサービスは1割負担の方でかなり格安の金額なので、「あれも」「これも」と頼みたくなります。
しかし、介護福祉士やヘルパーは家政婦ではないので、あれもこれもはできません。
それは、ご家族も交えて行う担当者会議を開催した際に、ケアマネージャーと本人とヘルパー事業所の間でこの身体状況だから、ここの部分だけを手伝うという内容は決めています。
決めたこと以外は支援できません。
部分的な支援ではなく、できている部分までお手伝いするヘルパーがいるかもしれません。
これは優しさではなく、利用している本人のできることを奪ってしまう行為です。
サービス内容にある必要な支援を受けるようにしましょう。
決められた介護支援に沿った依頼であれば相談してみてください。
生活援助の介護保険以外の支援ってある?
掃除支援の場合、ヘルパーはきっときれいに掃除をしてくれます。
しかし、少しでもできる部分は自分で行い、体を動かす時間を確保しましょう。
1人では腰が重いことでも、少しずつ一緒にやってみると案外楽しくできることもあります。
無理のない範囲で手を伸ばしてみると身体がほぐれるのが心地良いです。
初めのうちはヘルパーと掃除していたけれど、一緒に掃除しているうちに掃除は1人でできるようになったという日も来るかもしれません。
介護費用の削減につながります。

買い物の場合も同じです。
スーパーの場合にはショッピングカートがあります。
ご自分でお店まで行くことができれば、運動の機会にもなりますし、自分の目で見て選択して商品を買えます。
ヘルパーと行くと時間に追われ、買いたいもの以外を見られません。
重たいものは配達してくれるというスーパーも増えてきました。
無料のところもありますし、格安で承っているところもあります。
毎日の買い物もお店の配達サービスを利用すれば、訪問介護を利用しなくてもすみます。
介護保険サービス以外の利用をすることで、生活に必要な支援を受けられます。
介護保険を利用する前に地域のサービスを利用することも介護費用削減に役立ちます。
身体介助の介護保険以外の支援って

身体介助は、家族の負担軽減も含めて利用する人もいますし、何とかぎりぎり生活ができている人が利用している場合もあります。
寝たきりの場合には支援を行わないのは、身体状況や皮膚状態の悪化が懸念されてしまいます。
寝たきりの場合などで介護保険サービスを利用しないのは、身体状況が悪化してしまったりして、かえって介護費用がかさんでしまう恐れもあります。
また、家族の負担が多大なものとなってしまう可能性が高いので、身体介護に関しては無理せず介護保険の利用をおすすめします。
しかし、介護費用を抑えたいという場合は、福祉用具を利用できます。
福祉用具を利用することで介護サービスの時間を短縮できたり、ご家族が負担なく介護できるようになる場合もあります。
お金を掛けないのであれば、地域で行っている介護支援の情報を集め、いろいろと組み合わせながら利用できます。
まずは、どの部分に支援が必要なのかをケアマネージャーと明確にしてくことが介護費用削減の近道です。
自分でできることは自分で
訪問介護の利用について、1時間程度の支援=安いと思うかもしれません。
家政婦代わりに利用する人もいますがその利用の仕方は間違っています。
自分でできることは自分でしましょう。
できないところの一部分を手伝い、一緒にしながらまた自身で利用できるように支援するのが、本来の訪問介護の利用となります。
自身でできることを自分ですることが1番の介護費用削減です。
介護支援を受けていてもいずれは自分でやるというビジョンが大切です。
自分でできることが増えるとやりがい、生きがいが生まれてきます。(執筆者:佐々木 政子)