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マンション投資は、どれほどのリターンが得られるのか
最近では、従業員の副業を認める企業も増えてきており、副業を検討されている方もいるでしょう。
その場合、新築でも中古でもマンション1室を購入し、それを賃貸に出すことで収入を得るマンション投資を考える人は少なくないかと思います。

マンション投資のリターンは「利回り」で評価する
このようなマンション投資でどれくらいのリターンを得られるかを考えたとき、その指標は、
で評価することが一般的です。
ここで分子となる「年間収入」は、賃貸で貸し出したときの賃料の年間額です。
この利回りは、以下のように地域によって異なります。
東京(城東地区):4.5%
札幌:5.5%
仙台:5.5%
横浜:5.0%
名古屋:5.1%
京都:5.2%
大阪:4.9%
神戸:5.2%
広島:5.8%
福岡:5.3%
【出典】一般財団法人 日本不動産研究所「第 39 回 「不動産投資家調査」 (2018 年 10 月現在)の調査結果」 賃貸住宅一棟(ワンルームタイプ)の期待利回り
利回りは、大都市圏ほど低く、郊外になるほど高くなるという傾向があります。
上記に掲載されているのはすべて大都市であり、地方の大都市でないところは、さらにこの利回りは高くなっているわけです。
もっとも、利回りが高いことは必ずしも投資として優れているわけではありません。
リターンが大きければリスクも大きくなります。
例えば東京であれば、新しい入居者を比較的早く見つけることができるため、空室になるリスクが小さい分、利回りはさほど高くないわけです。
一方、地方の場合は、そもそも賃貸物件の需要もさほど多くなく、その分、空室リスクが大きいため利回りは高くなります。

経費分を差し引いて利回りを算定することが大切
東京地区でも利回り4.5%程度という数値だけを見てしまうと、この低金利環境下では、非常に高い利回りのように見えてしまいます。
これにはまやかしがあって、この利回りの分子は単純な年間の賃料収入となっています。
実際には、マンション投資にはさまざまな経費が伴うことを理解しておかなければなりません。
例えば、以下のようなものです。
・ 毎月のマンションの管理費、修繕積立金
・ 毎年の固定資産税
・ マンションの火災保険、地震保険など
・ マンション自体の減価償却費
・ もし、マンション購入時にローンを組んでいる場合は、そのローンの金利負担
ここで、最後にある「ローンの金利負担」ですが、最近このような不動産投資に「フラット35」などの住宅ローンを不正に活用した例が多く見つかった、というニュースがありました。
本来、投資目的の場合は、フラット35のような金利の低い住宅ローンで融資を受けられません。
利回りの分子である年間収入からこれら経費を控除して利回りを算定すべきです。
特に、この中で大きいのは「減価償却費」と「ローンの金利負担」です。
マンションを現金一括で購入すれば、このローンの金利負担はありません。
減価償却費の見積もり方、またローン借入額およびその金利で控除すべき経費は変わってきます。
いずれにしても、これら経費を考慮すれば、実質の年間収入額は大きく目減りしてしまうので、さほどよい投資にはならないと考えられるわけです。
将来を見通した物件購入がマンション投資成功のカギ
よりよい投資とするためにはどうすればよいのでしょうか。
それは、
購入を検討している物件に対するそうした見極めも、マンション投資においては重要になってきます。(執筆者:添田 享)