女手一つで子どもを育てるシングルマザーの悩みのうち、最も深刻なものの一つに、お金の問題があります。
中でも、離婚後に元夫から養育費が支払われない場合には、生活を維持することすら困難になってしまうおそれがあります。
しかし、その場合に、弁護士に依頼する費用を工面できないことから、泣き寝入りしてしまうケースもあると聞きます。
そこで今回は、手元にまとまったお金がなくても泣き寝入りせず、しっかり養育費を受け取る方法をご紹介します。

目次
法テラスに民事法律扶助について問い合わせる
まず、法テラスに問い合わせることをお勧めします。
法テラスとは、総合法律支援法に基づいて国が設立した、「法的トラブル解決の総合案内所」です。

「法テラス 〇〇県」と検索すると、近所の相談窓口がわかりますので、電話で状況を話してみてください。
お持ちの現金・預貯金の状況によっては、無料で法律相談に乗ってもらえます。
離婚時に公正証書を作ったのか、元夫にどんな収入や資産があるのか、といった個別事情によって使える法的手段が異なるのですが、私たちにどんな選択肢があるのか個別アドバイスをもらえます。
相談するだけで費用がかかる弁護士もいますので、やみくもに法律事務所に相談に行くよりも、まずは法テラスが利用できないか確認した方が良いです。
さらに、収入・資産要件などをクリアすれば、弁護士費用の立替制度を利用することもできます。
これを使えば、法テラスに無利子・手数料無料で立て替えてもらって、3年以内の分割返済をすることができますので、利用できる見込みがあるかどうか確認しておくと良いです。
(2) 弁護士費用の立替制度を利用できそうかどうか確認する
自治体に母子福祉資金について問い合わせる
自分が利用できる法的手段を確認したら、お住まいの自治体の福祉担当部署へ、母子福祉資金について問い合わせることもあわせてお勧めします。
この制度でも、収入要件などの審査が通れば、養育費の取得のための弁護士費用や、養育費を受け取れない間の生活費の貸付を受けられます。
一定額までなら連帯保証人なしでも無利子で、それ以上であっても連帯保証人をつければ無利子で貸付を受けられ、8年以内の分割返済ができます。
弁護士を選び、費用を工面する

各制度の利用ができそうか、担当者の感触を掴んだら、依頼する弁護士を選びます。
もちろん、資料作りや裁判所とのやりとりなど全てをご自身でできれば弁護士に依頼しなくても良いですが、実績のある弁護士に依頼した方が早く、確実に解決できます。
いくつかの弁護士事務所で費用の相見積もりをして(あわせて法テラスの立替制度が利用できるか確認して)、費用が安く、信頼できそうな先生を選びましょう。
弁護士費用や裁判費用の見積もりが出たら、その費用を工面する方法を検討します。
当面の生活費も苦しい、3年以上の長期分割にしたい、連帯保証人が見つかる、という方は、まず、母子福祉資金の申込みをしましょう。
もし審査が通らなかったら、次に、法テラスの立替制度を申込むという順番で良いのではないかと思います。
今回は、養育費不払いの際に利用できる公的制度をご紹介いたしました。
皆さんとお子さんが穏やかに暮らせる日が来ることを、心から願っております。(執筆者:竹内 志帆)