保険会社の医療保険は、実際の入院日数分すべてに入院給付金が支払われるわけではありません。
1回の入院に対して支払われる入院給付金には、日数限度があります。
しかしこの日数の数え方には一定の決まりがありますので、ここではそれをご説明します。
目次
入院日数の数え方 「1回の入院」の定義
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保険会社の医療保険には、
・ 30日
・ 60日
・ 120日
・ 200日
など入院給付金支払日数の限度があります。
いずれも1回の入院に対する限度です。
注意が必要なのは、この「1回の入院」の定義です。
例えば3回入院すると、私達は単純に「3回入院した」と捉えますが、保険会社の医療保険では違います。
前の入院の退院日の翌日を1日目と数え、180日開けて(181日目以降に)次の入院が始まったかどうかで、入院が2回にも1回にもなってしまいます。
仮に後の2つの入院がともに、前の入院の退院日の翌日から数えて181日目以降に始まっていれば、3つの入院はそれぞれ「1回の入院」になり、3つそれぞれに対して入院給付金の支払日数限度が適用されます。
しかし、1回目の入院の退院日と2回目の入院の開始日の間隔が180日開いていなければ、その2つの入院は2つで「1回の入院」になり、2つの入院日数の合計に対して入院給付金の支払日数限度が適用されます。
この法則に従えば3つの入院が「1回の入院」になることもあり、そうなれば入院給付金の支払日数限度は3つの入院の合計日数に適用されます。
ケガと病気の場合は1回ずつの入院扱いに
「1回の入院」の定義は、もう1つあります。
仮に180日開かずに2回入院した場合、間隔の規定では入院は2つで1回の入院になります。
しかし入院の原因が一方はケガで他方が病気なら、2つの入院をそれぞれ1回の入院とみなすというものです。
180日開ければ短期入院でも一律の給付金がもらえる保障あり
「1回の入院」規定に関連する保障には、以下のものもあります。
・1回の入院が5日以内であっても、一律〇日分の入院給付金が受取れる
これらの保障と入院給付金について、表1にまとめました。
【表1】
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ここからもお分かりのとおり、前の入院の退院日と次の入院の入院日が181日以上開けば、給付金の支払日数はまるまる復活します。
通算支払日数の定義
入院給付金の支払日数の限度には、通算支払日数というのもあります。
1,095日や1,000日が多いです。
これは保険会社が支払う入院給付金の合計日数です。
表1で言えば、1,095日(1,000日)の内、(1)、(2)は60日分、(3)は95日分を使ったことになります。
被保険者が実際に入院した日数ではありません。
手術給付金は180日開かなくても支払われる
表1の、(1)の人が、退院後180日開かずに手術をしたとします。
【表1】
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入院が伴っても入院給付金は支払われません。
今は入院の原因を考慮しないものとします。
しかし手術給付金は、支払対象となる手術であれば支払われます。
入院日数が給付金支払限度を超えたからといって、手術給付金までがカットされることはありません。
さて、ここまで給付金支払いに関する日数制限、他の保障との関連についてご説明しました。
しかし保険会社によって、以下のような違いもあります。
・ 入院給付金についてはケガと病気を区別するが、入院一時金に関しては区別しない
これから医療保険に加入しようとお考えの皆さん、この辺もチェックしてはいかがでしょうか。(執筆者:金澤 けい子)