2020年8月に開催される東京オリンピック、パラリンピック(以下、総称してオリンピックと省略)まであと14か月です。
会場や選手村の建設も進み、東京に居るとオリンピック景気を感じる場面に出くわすことが多くなりました。
開催が決定したのは、日本時間で2013年9月8日でした。
その時の日経平均株価は1万4,000円台でしたので、その時からオリンピック景気に目を付けて投資をされた方はかなり儲かっていることでしょう。
でも、まだ間に合います。
米中貿易戦争に端を発した景気停滞が、オリンピックテーマ株の再度の買い場を呼んで来てくれました。
オリンピックテーマ株にこれから投資をする方へ、業種と銘柄を厳選してご紹介しましょう。

目次
オリンピックテーマ株を厳選
56年ぶりに東京で開催されるオリンピック、32兆円規模の経済効果があると言われています。
これはいわゆる「箱モノ」と呼ばれる施設や道路工事などハード面だけではなく、来日外国人が落としていくであろうソフト面の経済効果も含めた試算です。
ここではオリンピックテーマ株を4つに絞り、残り14か月となった今から投資を始める視点で検証したいと思います。
建設、インフラ銘柄
この業種は「箱モノ」に対する建設需要が高まるため、ゼネコンを中心とした建設銘柄や道路工事などのインフラ銘柄を指します。
選手村を建設している三井不動産や、コンクリート工事に強いショーボンドHDなどが該当しますが、これら建設銘柄は一番早く値上がりして一番早く値下がりする、まさにテーマ株の代表格です。
また人件費の高騰や世界的な金利低下もあって、既に株価が高い位置にあると思われます。
よって、今から投資する方にお勧めしない業種です。
警備、監視、データ処理システム銘柄

国際的なイベントであるからこそ、テロを始めとした警備、監視が重要となります。
主に警備を担うハード分野と、監視やデータ処理システムのソフト分野の2分野に大別されます。
警備を担うハード面では、オリンピック選手が多数所属する【2331】綜合警備保障(ALSOK)が、業界2位という伸びしろをいかして同1位のセコムを猛追するでしょう。
またソフト分野の企業は、今後のIoTや5G時代にも活躍することが見えており、オリンピック前後で期待と業績が一致してくると株価がさらに上昇する期待が高まります。
ウィルスバスターが有名な、官公庁との契約高が多い【4704】トレンドマイクロは最高益を更新する勢いで業績が上昇しているにもかかわらず、最近の米中貿易戦争による株価低迷で押し目買いのチャンスが来ました。
また地図情報では国内圧倒的NO.1で、空中のドローン航路も手掛けている【9474】ゼンリンは、長期的に見て押し目買いのチャンスでしょう。
スポーツ関連銘柄

スポーツの祭典を間近で体験すると、一般の人も運動熱が高まります。
オリンピック後には、ハードなスポーツよりも体を動かすイメージでジョギングやマラソンにチャレンジする人が増えるため、ジョギングシューズに強い【8022】ミズノは仕込んでおきたい銘柄です。
またeスポーツが将来のオリンピック種目になるかもといった点からも、スポーツ関連ゲームの【9766】コナミを確認してください。
スポーツジムの運営もあり、短期的には2018年高値まで伸びしろがあります。
インバウンド銘柄
外国人旅行者4,000万人を目標に、オリンピック後も観光立国を目指す日本。
旅行者が利用する鉄道とホテルを両方経営しているJR関連銘柄は、地味ながらお勧めです。
中でも【9020】JR東日本は羽田新線や高輪ゲートウェイ駅開業など目に見える業績があり、行動範囲が沿線の方には株主優待が充実していることも重要ですね。

大化け期待銘柄
オリンピックに絡んで期待されていたものの開催決定から間があり、これまでに期待に添った業績が出せず株価が低迷している銘柄もあります。
それでも景気停滞期の今こそ仕込んでおくと、期待大の内需株銘柄をご紹介しましょう。
【6659】メディアリンクス
映像伝送装置分野の国内トップ企業で、過去のオリンピックでの採用実績あり。
2018.3期に赤字決算を計上し株価低迷。
しかし2020.3期には増収増益見込みであり、次の期である2021.3期はオリンピックでの実績が反映されます。
【9793】ダイセキ
建設ゼネンコンはお勧めしないものの、オリンピック後に出る産業廃棄物処理業者は狙い目です。
脱プラスチックやリサイクル循環の波にも乗る一部上場企業です。
東京オリンピックは来年8月、それまでは関連ニュースの楽しみだけではなく、ぜひ懐も温まるワクワク感も楽しみましょう。(執筆者:中野 徹)