ネット銀行が広く普及した現在でも、何となく信用できず貯金は大手の銀行に預けているというケースも少なくありません。
今回はネット銀行を含む銀行預金の安全性と、銀行以外の安全な資産管理法についてご紹介します。
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目次
不正アクセスされたら保障される?
銀行預金のうち特にネット銀行やインターネットバンキングを利用した場合で思いつくリスクとして、昨今度々耳にする不正アクセスが考えられます。
ハッキングなどによりパスワードや個人情報が盗まれ、不正に出金されるというものです。
この場合被害額が保障されるかどうかには条件があり、銀行に即座に届け出る事や預金者側に過失がない事が必要です。
条件を満たしていれば大手銀行かネット銀行かに依らず被害額が保障されます。
不正アクセスはいつターゲットにされるか分からない恐ろしいものですが、通帳やカードを盗まれるリスクと変わらず、まずは預金者がセキュリティに気を配る事が重要です。
ネット銀行でも破綻したら「預金保険制度」が使える
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次に考えられるリスクに、銀行が破綻してしまう事が挙げられます。
特に今まで名前を聞いた事がなかったような銀行や実店舗のない銀行だと何となく不安に感じてしまうものです。
しかし実際には銀行が破綻した時の預金の保障は銀行自体の規模に依らず、「預金保険制度(ペイオフ)」の対象かどうかで決まります。
これは、万が一銀行がつぶれてしまっても預けていたお金のうち1,000万円までが戻ってくる制度で、ネット銀行であっても多くが預金保険制度の対象となっています。
預金保険制度が適用される銀行であれば預けていたお金が一瞬にしてなくなってしまうという事はないので心配ありません。
ただし1,000万円を超える部分については補償されませんので、気になる場合は1,000万円ごとに異なる銀行口座へ預金すると安心です。
銀行預金より安全なMRF、MMF
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預金に近い形で資産を保持するのにMRF(Money Reserved Fund)、MMF(Money Management Fund)を利用する方法があります。
どちらも証券会社の口座で使える資産管理法で、
MMFは銀行でいう定期預金
のような存在です。
MRFは安全性と流動(換金)性が高く厳格なルールで運用される投資信託で、入出金が容易で証券会社によっては銀行預金と同様にATMでの引き出しやクレジットカードの引き落としにも使えるようになっています。
投資信託の形になりますが過去に元本割れした事はなく、ほぼノーリスクといっても過言ではありません。
銀行預金よりも金利が高く、一般に証券口座へ入金すると待機資金はMRFに自動的に変換(買付)される仕組みがとられています。
また、定期性のあるMMFではさらに金利が高くなります。
金利以外にもMRFやMMFの大きなメリットとして、あくまで投資信託であるため運用会社や証券会社が破綻したとしても資金が全額補償される点が挙げられます。
例えば老後用に2,000万円を貯金して銀行預金にしていたとすると、銀行が破綻した時には預金が1,000万円補償されますが、残りの1,000万円は失ってしまいます。
同じ額を証券会社でMRFの形で持っていた場合は、証券会社が破綻しても2,000万円分のMRFが消失する事はありません。
大手金融機関であっても破綻しない保証はありませんので、万が一の場合に備えて自ら対策を講じる必要があります。
銀行の信用度や預金保険制度の対象かを確認
実店舗のないネット銀行も若者を中心に徐々に受け入れられ、現在では広く普及しています。
これまで取引のなかった銀行の口座を新しく開設する場合には、その銀行の信用度や預金保険制度の対象かを確認しておくと安心です。
また、銀行預金以外にも、投資をするかどうかに関わらず証券会社に口座を持つ事もリスクヘッジとしてオススメです。(執筆者:島村 妃奈)