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価格帯別売買動向とは

今回は、急落している銘柄の投資タイミングを価格帯別売買動向に着目し解説していきたいと思います。
価格帯別売買動向とは、どの価格帯で売買が頻繁に行われているのかを視覚的にとらえることができるテクニカル分析法です。
売買が頻繁に行われる価格帯は、テクニカル的な節目となる可能性が高くなります。
株価急落時こそ「価格帯別売買動向」の重要性は増す
価格帯別売買動向は、平常時はそこまで重要となる指標ではありません。
この指標は、株価が急落した時にこそ真価を発揮します。
ある銘柄が悪材料により急落した場合、それを買いに行くには落ちたナイフをつかみに行くようなものなので、タイミングはとてもシビアになり、状況次第では三番底を付けに行く可能性もあります。
そこで重要になるのは、機関投資家などの大口投資家の動向です。
ここで覚えておかなければいけないのが、機関投資家などの大口投資家は周りに気づかれないように売買を繰り返します。
大量に注文を入れると株価が急激に戻す可能性があり、それを避けるためにも少しずつ銘柄を仕込みに行くのです。
そこで、この価格帯別売買動向を用いると、下落している株がどこで買われているのかが棒グラフで表示され、過去データと比較し商いが膨らんでいるかどうかを把握することで、ある程度の動向を予測できるのです。
「売買高」+「価格帯別売買動向」で予測精度を上げる

売買高と価格帯別売買動向の違いは、短期的な視点でとらえるか長期的な視点でとらえるかの違いになります。
日中の売買高でも商いが増えているかどうかを判断できます。
しかし「短期間で商いが増えている」というだけで判断をしてしまうと、ダマシが入った時に対応することが難しくなります。
そこで、売買高と価格帯別売買動向を組み合わせて、どこで買いの手が多く入っているのかを確認すると、より精度の高い底値予測が可能となります。
安いから「買う」ではない
株価急落時に銘柄を買いに行くタイミングは非常にシビアになるため、買いの手がどこで入るかを慎重に見極める必要があります。
それを視覚的に確認できる価格帯別売買動向は非常に有用であり、また、安くなったから買うといった安易な考え方を抑え込み、冷静に投資判断を下すためのツールとしても作用します。
テクニカル分析にはそれぞれの長所・短所があるため、どれと組み合わせれば短所を補填できるのかを正確に把握し、誤った使い方をしないよう注意しましょう。(執筆者:白鳥 翔一)