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高齢者の事故は「家の中」が8割 介護保険が適用されるリフォーム例を紹介します

シニア 介護
高齢者の事故は「家の中」が8割 介護保険が適用されるリフォーム例を紹介します

高齢者の事故は屋内が8割

高齢者の事故は、約8割が家の中で起こっています。

そのため、高齢者のいる家庭はまず家の安全性を見直すことが急務といえるでしょう。

危険を取り除いて暮らしやすい家にするには、リフォームがおすすめです。

実は、お金をかけた大がかりなリフォームをしなくても、費用を抑えた簡易な工事で防げる事故は少なくありません

今回は、高齢者の人に向けた「低予算でできるお得なリフォーム」をご紹介します。

自宅は、高齢者がいちばん長い時間を過ごす場所

車や自転車が行き交う屋外より、室内の方が安全だと思う人が多いのではないでしょうか。

しかし、独立行政法人国民生活センターの資料によると、65歳以上の事故は全体の約8割が屋内で起こっています。

国民生活センターの資料

≪画像元:国民生活センター 報道発表資料(pdf)≫

具体的な場所は、「居室」が45%でもっとも多く、「階段」が18.7%、「台所や食堂」が17%と続きます。

いちばんリラックスできるはずの自宅の居室が、高齢者にとってはもっとも危険な場所という結果になりました。


≪画像元:国民生活センター 報道発表資料(pdf)≫

事故の原因は、床の段差でつまずいて転んだり、階段を踏み外したりなど、転倒や転落が多くなっています。

高齢者の場合、若い人に比べて転倒や転落が大きな事故につながりやすいです。

万が一、足を骨折してしまったら、そのまま寝たきりや認知症に進行してしまう危険もあります

高齢者にとって、命取りな足回りの事故を防ぐには、どんなリフォームをすればよいのでしょうか。

介護保険が適用されるリフォームの例

介護保険が適用されるリフォーム

リフォームを安くおこなうには、まず介護保険の対象になる住宅改修から検討するのがおすすめです。

介護保険は、かかった住宅改修費の9割を支給してくれるため、自己負担は1割で済みます(所得に応じて1割~3割)。

たとえば、介護保険を利用して5万円の工事をおこなうと、介護保険から9割の4万5,000円が支給され、自己負担は5,000円となります。

2割の人は1万円、3割の人は1万5,000円の自己負担です。

ただ、介護保険の住宅改修は、要支援・要介護ともに「20万円」が上限なので要注意です。

たとえ保険対象のリフォームであっても、20万円を超えた分は全額自己負担になります。

それではさっそく、介護保険の対象になっている項目を紹介します。

※カッコ内の数字は、保険適用前の費用の目安です。リフォームの範囲、選ぶ製品、材質、業者によって値段が異なるので、くわしくは施工会社へお問い合わせください。

1. 段差解消(5万円~)

和室と洋室の床段差、廊下やトイレ、浴室、玄関の床段差は、よく通る場所なのでつまずきの原因になります。

これらの段差を解消するには、床をかさ上げして高さを合わせたり、スロープを設置したりする方法があります。

スロープの設置には10万円以上かかることがあります。

市販のすり付け板(下の写真)を設置する方法であれば、数千円程度で購入できるので、こちらのほうがお得感があります。

すり付け板を設置

≪画像元:楽天市場≫

また、玄関などで屋外と屋内の高低差を解消するには、「段差解消機」を取り付ける方法もあります。

この段差解消機は、移動式のタイプなら介護保険の「福祉用具貸与」の対象種目になっており、1割~3割負担でレンタルすることが可能です。

2. 手すりの取り付け(3万円~)

玄関、玄関のアプローチ、トイレ、浴室、廊下などに手すりを付けると、歩行の補助や転倒防止に役立ちます。

場所によって長さや形が異なり、費用も変わってきます。

3. 床の材質変更(6万円~)

部屋や廊下や浴室の床材を変える工事をおこないます。

すべりにくい床材や、クッション性のあるビニール系床材にすると安全性が増します。

こちらも、床材の種類や範囲によって費用は大きく変わってきます。

4. 扉の取り替え(5万円~)

開き戸から引き戸やアコーディオンドアへ扉を替えると、車いすの移動が楽になったり、要介護者自身で扉の開け閉めができるようになったりするメリットがあります。

5. トイレの取り替え(30万円~)

和式トイレから洋式トイレに替えたり、要介護者に合わせてトイレの高さをかさ上げしたりして、トイレの利用を便利にする工事です。

暖房機能や洗浄機能を目的とした取り替えは介護保険の対象にならないので、気をつけてください。

6. 上記の各工事に関連する工事

手すりを取り付ける壁の補強工事などのこと。

ヒートショック対策は必須

シャワーを出す

ヒートショック現象とは、寒い部屋と暖かい部屋を移動したときなどに生じる急な血圧変化により、体に変調をきたすことです。

高齢者に起こりやすく、心筋梗塞や脳梗塞の恐れもあることから、命にかかわるケースも。

とくに冬場の入浴は、浴室や脱衣所など冷え込んだ場所で衣服を脱ぐため、いっそう危険度が上がります。

ヒートショック予防にはいくつか方法がありますが、まずはお金のかからない対策法から。

以下のような工夫で、ヒートショックの危険を減らすことができます。

・ 浴室や脱衣所を入浴前に暖房器具で温めておく

・ 事前にシャワーを出して浴室の温度を上げておく

・ 昼間など気温が高い時間帯に入浴する

・ お湯の温度を41℃以下にする(熱くし過ぎない)

また、以下のような住宅改修工事をおこなえば、より安全性が高まります。

これらは介護保険が使えないのですべて実費になりますが、ヒートショック対策にとても効果的です。

※値段は目安です。

・ 浴室の窓を、二重窓や断熱サッシに換える(9万円~)

・ 浴室用の床暖房を設置する(100万円~)

・ 浴室の壁に断熱材を入れる(9万円~)

・ 浴室暖房機を設置する(3万円~)


小さなリフォームで高齢者の大きな安心を得る

それほど費用をかけなくても、家の中の危険を減らすことは十分可能です。

手すりの設置や段差の解消などの小さな工事で、暮らしやすさや安全性は大幅にアップします。

高齢者の方が自宅で安心して暮らせるよう、さまざまなリフォームを検討してみてください。(執筆者:渡辺 有美)

《渡辺 有美》
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渡辺 有美

OL時代は都銀で支店窓口→秘書室に転勤になり役員秘書に従事。その後、結婚と子育てを経て、人様のお世話をする仕事がしたくなり、介護の道を選びました。介護福祉士としてデイサービス・特養・訪問介護の現場で10年以上働いた経験を活かし、介護にかかるお金や、さまざまな生活の知恵をお届けしていきたいと思います。 寄稿者にメッセージを送る

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