現金20万円の束は、どれくらいの厚さか?
給料が銀行口座に振り込まれることで、私たちが失った感覚があります。
それは、「毎月の稼ぎをまるまる手にする機会」です。
たとえば、毎月コンスタントに20万円振り込まれているとして、20万円の束はどれくらいの厚さか、実感している人は少ないと思います。
給料は自分が汗して働いた結果、得られた報酬です。
今の時代、給料が口座に振り込まれることで、そのありがたみが感じられにくくなっているのです。
そこで、給料を全額現金でおろすことをオススメします。

そんな金額を手にすること自体、あまりないと思います。
それによって、お金のありがたみが実感できて、無駄遣いが確実に減るのです。
「そんなことで!」と思われるかもしれません。
でも、そんなことが、お金を貯める際の手助けをしてくれるのです。
札束を見ると、働いている実感がわいてくる
実際、次の給料日に一度、全額おろしてみてください。
けっこうな額になるので、ちょっとこわいかもしれません。
おろす際は、後ろをよく見て、おろしたお金は備えつけの封筒に入れて、しっかりバッグにしまいましょう。
そして、家に帰ってから、封筒のお金を手に取ってまじまじと見つめてみてください。
「毎月これをもらうために、自分は働いているのか」という実感がわいてくるでしょう。
これだけの大金をしっかり手にすると、お金を大事に使おうという意識が働きます。
それが貯める力をつけてくれるのです。

最近は、電子マネーで支払いをしている人がとても増えています。
ICカードにお金がチャージされていれば、読み取り端末にカードをかざすだけで支払いがすみます。
クレジットカードのようなひと手間がないので、たいへん便利です。
スーパーやコンビニだけでなく、電車やバスに乗る際や、自動販売機でも使えるのです。
そのため、現金にふれる機会が格段に少なくなっています。
無駄遣いがなくならないのは、ものが豊富にあることと、このような便利な習慣がそうさせているように思えてしかたがありません。
以前、お金が貯まっている家庭を取材したとき、感心したことがありました。
その家庭の小学生のお子さんは、電車に乗るときは、ICカードをかざすのではなく、切符を購入して乗るようにしているのだそうです。
それは、電車はお金を払って乗るものという感覚をお子さんに身につけさせるためでした。
我が家の息子は小さいころ、私が財布を開けて「お金がなくなったわ!」と話すと、「ATMの機械に行けば、お金がもらえるんでしょ」と真顔で話していたものです。
私はこのご家庭の話を聞いて、電子マネーやクレジットカードに気をつけないと、子供の金銭感覚も狂わせてしまうかもしれないと思いました。
とにかく一度、1か月分の給料を全額現金でおろしてみることです。
それだけで、なにも感じずにお金を使うことがなくなると思います。
その感情の働きがお金の使い方を上手にしてくれるのです。