目次
「死亡保険金受取人」が死んでしまっていたらどうなるの?
死亡保険の被保険者(保険をかけられている人)が亡くなり保険会社から死亡保険がおりるという状況になった時に、死亡保険金受取人が既に亡くなっていたら、
「お金が保険会社のものになってしまうのではないか?」
と、心配になり、疑問を持っている方もいると思います。
そこで、ここでは「死亡保険金受取人」のいろいろなことについてお話します。

保険金受取人が亡くなった場合
死亡保険金の受取人になっている人が亡くなった場合には、直ちに保険会社に連絡して
をしてください。
誰かが亡くなると、例えばその人の保険の請求やその人が契約している銀行や証券会社など、その人主体のものに注意が向きますが、皆さんに関するもので亡くなった方が関係している点を変更することも重要です。
また、ほとんどの保険で「指定代理請求人」も指定されています。
「指定代理請求人」とは、給付金請求等、解約を除く各種手続きを契約者本人に代わってできる人です。
この「指定代理請求人」が死亡保険金受取人と同じ人になっている場合が多いので、こちらもあわせて変更しましょう。

みなし相続財産
亡くなった人が死亡保険金受取人のままだった場合ですが、それでも死亡保険金はお客様に支払われます。
では、誰に支払われるのか、それは「法定相続人」です。
法定相続人とは民法で定められている相続人のことです。
つまり、死亡保険金は相続財産のように扱われるということです。
死亡保険金は、正しくは「みなし相続財産」といって、
です。
死亡保険金受取人が生存している場合も死亡保険金がみなし相続財産であることに変わりはありません。
定められた相続人がいるかいないかの違いです。
その他にみなし相続財産の代表的なものとしては、死亡退職金があります。
法定相続人
具体的に誰が死亡保険金を受け取るのか、つまり法定相続人とはどのような人なのかは、続柄によって優先順位と相続する割合が決められています。
以下をご覧ください。
[平成31年4月1日現在法令等]
相続人の範囲や法定相続分は、民法で次のとおり定められています。
(1) 相続人の範囲
死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。
第1順位
死亡した人の子供その子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方を優先します。
第2順位
死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。
第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります。第3順位
死亡した人の兄弟姉妹
その兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。
第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。
また、内縁関係の人は、相続人に含まれません。
≪引用元:国税庁≫
遺したい人へ届けるために
死亡保障のある保険の大きな特徴である「遺したい金額を、遺したい人に遺せる」という機能は、死亡保険金受取人欄にその名を書くだけで有効です。
お金をどの位、誰に遺すかを考える時、人それぞれに必ず思いはあると感じます。
例えば独身、あるいは結婚はしていて子供はいないという方で配偶者が他界したような場合、親は既に他界、兄弟姉妹はいるが、自分を何かと気にかけてくれる姪や甥に感謝を込めてお金を遺したいと考える人もいるでしょう。
このような場合は少々面倒な手続きになる可能性はありますが、生命保険の「遺したい金額を遺したい人に遺せる」という機能を「うっかり」で無駄にしないようご注意ください。(執筆者:金澤 けい子)