死亡保険金受取人欄にその名を書くだけで、遺したい人にお金を遺せる死亡保険ですが、お金を遺したい人が複数名いる場合や他の相続財産との関係で、遺されたお金がトラブルの種になる事もあります。
ここでは、死亡保険金受取人にまつわる話として、複数の人にお金を遺したい場合や相続との関係をお話します。
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目次
複数の死亡保険金受取人
誰を自分の死亡保険金受取人にするかと考えた時、複数の人が思い浮かぶという人は多いはずです。
代表的なのが、お子様が複数いる場合です。
そのような場合は死亡保険金受取人を複数名、受取り割合とあわせて指定できます。
ただし、以下の事を覚えておいてください。
1. 金額ではなく割合で指定
死亡保険金の分け方は、金額ではなく割合で指定します。
仮に受取人が2人なら、5割ずつにもできますし「〇〇に7割、△△に3割」などにもできます。
ちょっと困るのは、受取人が10割を割り切る事のできない人数だと厳密に均等とはいかない事です。
つまり受取人が3人だと、2人が3.33割、1人が3.34割といった具合です。
2. 代表者の口座に
保険金請求手続き書類には、受取人全員が署名します。
その際、全員が受取り割合を確認しますが、保険会社から死亡保険金が振り込まれるのは代表者1名の口座のみです。
従って死亡保険金が決められた通りに分けられるかどうかは、受取人の方々に委ねられます。
死亡保険金の受取りについては上記の通りですが、仮に600万円の死亡保険金を3人で均等に分けるという場合、割合では金等にできなくても金額で200万円ずつにできます。
一方、死亡保険金が700万円の場合は均等には分けられません。
いずれにしても、これから死亡保険に加入する人は、死亡保険金受取人を1人にして遺したい人の数だけ死亡保険に加入する事をお勧めします。
受取人固有の財産
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死亡保険金受取人を決めるに当たって、大変多いのが、
という人です。
仮に、相続人は
・ 長男と次男のみ
・ 家の評価額は4,000万円
だとすると、財産の相続割合は1/2ずつと民法で定められていますので、親は次男を死亡保険金受取人にして2,000万円の死亡保険に加入します。
しかし実は、死亡保険金受取人は長男にしなくてはなりません。
理由は、死亡保険金は「受取人固有の財産」で、相続財産にはならないからです。
従って次男を死亡保険金受取人にした場合に、長男が次男に、「この家の半分である2,000万円は死亡保険金で渡してあるのだから」と言っても、次男は、
と言えるのです。
とはいえ、言われた方はスンナリ納得できるものではありません。
また納得したとしても、すぐに2,000万円が用意できるはどうか分かりません。
そこで長男から次男に家1/2の代わりとして死亡保険金2,000万円を渡すために、死亡保険金は長男を受取人にしなくてはなりません。
お金や相続の事となると合理的に考えられない人も多いようですが、せめて死亡保険金に関しては、正しい知識でトラブル回避に努めてください。(執筆者:金澤 けい子)