会社では、年末調整が始まっている頃でしょうか。
自営業や個人事業主の方も、確定申告の準備をしていることと思います。
パート主婦を多く抱える企業では、「壁を超えないためのシフト調整」が大変だと聞きます。
壁というのは、ご承知の方も多いと思いますが
です。
実は、この壁はそのままお子さんにも当てはまることをご存じでしょうか。
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目次
お子さんのアルバイト収入、把握していますか
高校生や大学生になると、アルバイトを始めるお子さんも多いことと思います。
親としては、学費が負担になってくるこの時期に、せめて自分のおこづかい分くらいは稼いでもらいたいと思うものです。
また、収入を得るための社会勉強としても、お子さんのアルバイトを歓迎する面もあるかと思います。
では、お子さんが、どのくらい稼いでいるか把握していますか。
実は、
のです。
扶養親族とは
配偶者以外の6親等内の血族と3親等内の姻族
お子さんはもちろん、同居の親世代やいとこなども全ての条件が合致すれば「扶養親族」です。
生計を1つにしている
親元を離れて生活している学生でも、生活費を親が負担している場合は「同居家族と同じ」とみなされます。
年間合計所得金額が38万円以下であること
38万円と聞いて驚かれたことと思いますが、
つまり、年間の収入が103万円までが、扶養の範囲内でいられるわけです。
この給与所得とは、アルバイト契約・正社員契約・派遣社員契約は問いません。
これが、いわゆる「103万円の壁」です。
もし、103万円を1円でも超えてしまったら、どうなるのでしょうか。
扶養親族から外れてしまう
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お子さんが、親の「扶養親族」から外れてしまいます。
親の納税額から「扶養控除」が1人分減るということです。
「引かれる分が、引かれない」つまり、納税額が増えるということです。
一般扶養親族(16歳以上18歳以下・23歳以上69歳以下)の場合
控除額は
住民税:33万円
さらに、お子さんが19歳~22歳の場合、この金額が大きく変わります。
大学生に相当する年齢の子がいる家庭は学費負担が大きい分、納税額が優遇されているのです。
特定扶養親族(19歳以上22歳以下)の場合
控除額は
住民税:45万円
簡単に計算してみましょう。
まず、住民税は都道府県民税+市町村税を合わせて10%なので、
所得税は、収入によって税率が変わってきますが
例えば、親の所得税率が10%なら
住民税4万5,000円と合わせて10万8,000円の増額
もしくは、親の所得税率が20%なら
住民税4万5,000円と合わせて17万1,000円の増額
親の所得によっては、もっと税率が高くなり、その分納税額もあがります。
「子のことは、子に任せておく」とは言えないだけの影響力を持っているのです。
お子さんが払うものが増える
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お子さんの収入が増えると、お子さん自身にも納税義務が出てきます。
ただし、103万円を超えたらすぐにというわけでもありません。
学校に通いながら仕事をしている学生を優遇するための「勤労学生控除」というものがあるためです。
勤労学生控除
まず、所得条件があります。
給与所得控除は65万円ですので、年間収入が130万円以下ということです。
給与以外の所得というのは、例えば、フリマアプリ等で譲渡した利益や、クイズなどの懸賞金があった場合などが該当します。
次に、「学生であること」が求められるため、以下のいずれかに該当する必要があります。
・ 職業能力開発促進法の規定によって認定を受けている職業訓練校で要件に該当する課程を学んでいるもの
・ 国や学校法人、地方公共団体、農業協同組合連合会や医療法人などが設立した専修学校をはじめとする各種学校に通う生徒で、職業に必要とされる技術を教えるなど、要件に該当する課程を学んでいるもの
わかりにくいですが、国が認めた学校・高専・大学に通っている場合は、ほとんどの場合が該当します。
専門学校生の場合は、学校に確認をしてください。
勤労学生控除が適用で27万円の余裕
つまり、お子さんの収入が103万円を超えてしまっても130万円以下であれば、お子さん自身に所得税はかかってこないということです。
とはいえ、103万円を超えている時点で、扶養からは外れています。
親の納税額はあがり、お子さんの年齢によっては「国民健康保険・国民年金」を自分で支払わなければならなくなるため、一安心とは言えない状況です。
お子さんの所得を把握しましょう
103万円を12か月で割ると、約8万5,000円です。
本業が学生であるお子さんの場合は、テスト期間にはシフトに入る時間を減らしたり、休み期間に集中的に稼いだりしながら、学業との両立をがんばっていることと思います。
しかしながら、税金や扶養のことを考えてやりくりしているお子さんは少ないでしょう。
年末にイレギュラーなアルバイトを入れて103万円の壁を超えてしまったなんてことのないように、どうぞお子さんとよく話し合ってみてください。(執筆者:仲村 希)