親が要介護になった際、受け入れ先として有料老人ホームが候補になります。
しかし一言で有料老人ホーム(以下、ホーム)と言っても値段は地域や内容でピンからキリまであります。
首都圏であれば月々の総額20万~が低価格、総額40万以上するホームも珍しくありません。
しかし高級ホームと安いホーム、何が違うのか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、老後の住まいを検討している方に向けて、「高いホームと安いホームの何が違うのか」そして「選ぶ時の判断材料」をご説明します。

目次
安い有料老人ホームと高級老人ホームは何が違うのか
結論から述べると、安いホームと高級ホームの料金差は大きく2つです。
(2) 介護や看護の人員配置が多い。
値段が安いのは、安いなりの理由があります。
独身寮をホームに改修することで建築コストを下げている場合や、共有部や居室のスペースを必要最低限にして部屋数を増やすことでホーム全体の利益を上げているからです。
もちろん、スタッフの人員配置も必要最低限となります。
逆に高級ホームは付加価値を付けるためグレードを上げています。
共有部や居室が広い、ホーム内の装飾が良い、食事の素材が良いといった見える部分に力を入れることや、介護や看護の人員を基準よりも少し多めに配置してサービスの提供量を増やすこともあります。
看護師を24時間配置すると人件費の分だけ価格も上がりますが、利用する側にとっては大きな安心材料になります。
でも考えるべきは「ホームが自分の親にとって合っているのか」という点です。
ホームに何を求めるのかを決めておくと選びやすい
「どうせ入るなら、少しでも自分の親に合ったホームを選んであげたい。」家族として、このように考えるのは当然でしょう。
そこで実際に探し始めると、
「いろいろありすぎて選べない」
という方が多いのではないでしょうか。
老人ホームの業界も特色を打ち出すような差別化が進んだのですが、選ぶ側にとっては分かり難くなってしまいました。
有料老人ホーム紹介会社は、そのような方々に合ったホームを紹介してくれるので便利です。
しかし紹介会社も手数料を稼いでいるため、契約していないホームは紹介してくれないでしょう。
ここで筆者からの提案は、
(2) レクリエーション
(3) 設備・食事
の順番で検討されることをお勧めします。
介護を求めてホームに入居する以上、介護の質はとても大切です。
ホームの雰囲気や介護・看護スタッフの人柄が介護の質に直結します。
レクリエーションは認知症予防やリハビリ効果も期待できます。
ホームでの生活は単調になりがちなので、レクリエーションの数は多い方が良いです。
最後に設備・食事です。
生活の潤いという点では大切ですし、見える部分なので評価しやすくもあります。

介護の質をどのように見極めるか
それでは、一番大切な「介護の質」はどのように評価すれば良いでしょうか。
「スタッフのレベルが高い=介護の質も高い」と言えますが、実際に入居してみないと見えません。
そこで入居前に判断する材料として、「スタッフの在籍年数と離職率」で見ることをお勧めします。
これには次のような理由があります。
・ 人間関係が良いとスタッフ間の情報連携がうまく回る。
・ 情報連携がうまく回ると、介護の工夫や状態変化のサインに気付きやすい。
スタッフのレベルについては高級ホームだからといって良いとも限りませんし、安いホームでも質の高いサービスを提供できているところはあると言えます。
結局のところ、住み心地はどちらが良いのか
介護の質を大切にすべきですが、それ以外の住み心地という点では高級ホームと安いホームで違いはあるのでしょうか。
まず介護サービス自体は、どこのホームも極端に変わることはありません。
介護保険で運営している以上は多少差がある程度と考えれば良いでしょう。
スタッフが高齢者の横にずっと付き添うことはできないし、ある程度集団生活です。
ただ高額のホームは費用に対する見返りを当然求められますし、それなりの所得がある方々しか入れません。
よって全体的なレベルを高める努力を常に行っていることは間違いないでしょう。
身なりや言葉遣いが整っていると、サービスを受ける側としては気持ちの良いものです。
以上のことから、2つの結論です。
・ ただし介護の質はスタッフの離職率も参考にした方が良い。
有料老人ホームを探している方は、ぜひ参考にしてください。(執筆者:小原 しろう)