自動車は何かと便利なツールとなり、今では一家に2~3台も珍しくありません。
その一方で、免許返納などで自動車を手放し、自動車保険を解約することも出てきます。
自動車保険を解約すれば、リセットされると考えやすいですが、自動車保険は「中断」という形が取れる商品です。
増車をした時、中断した自動車保険を利用して保険料を安く抑えられれば家計も助かります。
今回は、自動車保険の復活で等級を継承するとどのくらい安くなるのか、また継承できないのはどういう場合なのかを詳しく解説していきます。

目次
自動車保険の等級は残しておくことが可能
自動車保険を無事故で長年かけていれば、等級は上がります。
最高20等級(22等級の保険も有り)まであがると割引が63%になります。
しかし、自動車に乗らない日がやってきます。
その時に、割引が大きくなった自動車保険を解約してしまうのは、もったいない話です。
「中断証明」を発行すれば10年間自動車保険が有効となる
割引の多い自動車保険を解約する時、「中断証明」を発行してもらいます。
そうすれば、割引が継続され、次に自動車を購入した時に復活させることが可能です。
新規で加入した場合の6等級と20等級で割引を比べてみると、6等級の場合19%に対し、20等級では63%とかなりの差があります。
その点からも保険の解約の際には「中断証明」を発行しておく必要があります。
中断した保険は本人以外でも使うことが可能
自動車保険を節約するために、「中断証明」は必要ですが、中断した自動車保険は、契約者しか継承できないと思い込んでしまう人も多いです。
そのため、新規で自動車を買えば新規で自動車保険に加入すると思い高い保険料を払っているケースもあります。
しかし、自動車保険は、契約者以外の家族にもある一定の条件を満たせば引き継げます。

引き継ぐための条件
「中断証明」を発行した契約者と同居の親族であることが必須ですが、引き継ぎ可能な例を挙げていきます。
高齢のため自動車の運転をやめたおじいさんの自動車保険20等級を中断しています。
同居している孫が18歳となり運転免許証を取得して軽自動車を購入しました。
6等級で新規加入した場合、保険料は賠償保険だけで10万円ほどかかります。
おじいさんの自動車保険を継承すれば、20等級から加入することが可能となり、保険料は5万程で収まります。
半分の保険料で済んだお金で車両保険に加入することも可能です。
それに加えて、等級継承はほとんどの保険会社で引き継げるので、おじいさんはA社で加入していたけれど、孫はB社にしたい場合でも等級継承が適用さます。
注意点
必須事項として「同居の親族」という規定です。
進学や就職のため家を出ている場合、たとえ住民票が家にあっても保険では別居扱いです。
いざ加入しようと見積もりを依頼しても等級継承不能となれば新規での加入となってしまうので注意してください。
若い人ほど割引の高い自動車保険を継承して保険料を安く抑えよう
最近では、若い人の自動車離れが進んでいますが、免許を取得すれば自動車に乗りたくなるのは当たり前のことです。
・ 自動車購入費用
・ 自動車に関する税金
・ 車検費用
このようにさまざまな自動車に乗るためには費用が必要です。
これらを節約するには限界があります。
一方、自動車保険は、保険をかけ方を理解していれば、かなりの保険料を引き下げることができる商品です。
先に述べたように同じ車種の自動車保険を同じ内容でかけたとしても年齢制限のない保険であれば
20等級:5万円
等級の差で5万円も出てくる車種もあります。
若い人や高齢者に対して自動車保険は、厳しめの算定をしています。
だからこそ、割引の高い保険を継承して保険料を安く抑えることが節約につなげる裏技です。(執筆者:河野 みゆき)