住宅ローン返済者の20人に1人が、毎月の支払ができず「事故」処理され、1.5%の人は、自己破産、個人再生の手続きをしています。
住宅ローンを安全に完済するためには、
です。
毎月の返済額を減らすためには、住宅ローンの返済期間が影響します。
住宅ローンは、返済期間を短くすることは簡単ですが、長くすることは困難なので、最大限に長く借りることをお勧めします。
なるべく長く借りることによって、安全に住宅ローンを払い終えることが肝要です。

目次
毎月返済額を抑え、滞納を回避する
住宅ローンは最大限、長く借りなければいけません。
毎月の返済金額を押さえ、不測の事態が起きて収入が激減したとしても、滞納を避けます。
住宅ローンは6か月間返済が滞れば、融資先の金融機関により抵当権を実行されてしまいます。
なんらかの手段を講じないと、自己破産の危険があります。
住宅ローンは毎月返済額の大小や返済期間の長短ではなく、約束した金額を返済し続ければ問題ありません。
1番安全な方法は、総返済額が多くなっても、返済期間が長くなっても、毎月の返済を可能な限り抑える方法です。
なぜ余分な利息、費用を支払ってまで、毎月の返済額を押さえなければならないのか。
また費用を下げるよう方法についても、ご紹介します。
「定年まで」は本当に安泰か
定年退職までに住宅ローンを返済するため、借入期間を定年退職までとする考え方です。
収入がある程度想定できる間に、住宅ローンの完済を目指します。
しかし現在の社会情勢、勤務先の経営状態、自身や家族の健康等に不測の事態が、絶対に起きないとは言えません。
もし不測の事態が起きてしまい、毎月の返済が滞ることになったらどうなるか検討します。
条件変更は金利優遇の停止
・ 現在40歳
・ 2,200万円を金利1%で住宅ローンを利用
・ ボーナス返済なし
緊急事態:定年60歳まで(返済期間は20年)の方が、不測の事態が起きて収入が不安定になる
定年60歳まで(返済期間は20年)だと、毎月の返済は約10万です。
最終75歳返済(返済期間は35年)だと、毎月の返済は約6万です。
緊急事態により、住宅ローンを借りている金融機関へ、月々の返済額4万円下げ6万円に変更を申し出たとします。
返済期間を延ばす方法が想定されますが、「条件変更」に応じるかは金融機関次第です。
※住宅ローンは例外を除いて最長35年です。
たとえ金融機関が条件変更に応じても、今まで適用されていた金利優遇がなくなる可能性が濃厚です。
最近の金利優遇は、年利1%を以下の商品もありますが、基本金利2.5%位になる可能性があります。
総支払額の低減を検討

「たくさん払いたくない」
その感情は理解できます。
住宅ローン比較する際は総支払額を比較します。
総支払額を下げるためには、安い金利で短く借りるのが1番です。
しかし安全を考えると、毎月の返済額を低く抑えるのが肝要です。
以下にシミュレーションします。
・毎月6万円払いながら同時に4万円を繰り上げ返済する
※多くの金融機関は、インターネット上の一部繰り上げ返済が無料です。
毎月の支払いは10万円で同じです。
・ 半年間で合計60万円払わないとペナルティーが課される返済方法
・ 半年間で36万円払っていれば、ペナルティーなしの返済方法
半年間24万円繰り上げ返済すれば、金利、元本は月10万円返済と同じです。
理論上は無駄な利息も費用も発生しません。
借り手にとって、どちらが安全かは一目瞭然です。
完済まで安全に返せる権利を買おう
・ 不測の事態に対し自分が主導権を握る
・ 毎月少ない返済額で、余裕がある時だけ繰り上げ返済をする
返済期限を長く設定すれば、利息等諸々に支出が増えますが、不測の事態で生ずるデメリット(金利優遇の廃止など)に比べれば安価です。
長い人生で不測の事態に準備できるのであれば、少ない費用だと思います。
金融商品のオプションとプレミアムの関係
不測の事態が起きないことにより生まれた余剰資金で、繰り上げ返済をすることによりプレミアムの負担を下げる
住宅ローンを長く借り、月々の返済をおさえながら余剰金を繰り上げ返済することにより、無駄な利息の支払を避けます。
住宅ローンの目的は「完済まで安全に返せる権利を買う」ことです。(執筆者:金 弘碩)