家族が増えると、そろそろわが家も賃貸マンションからマイホームへと考えます。
戸建、分譲マンション等、マイホームにはいろいろありますが、個人間売買でない限り、不動産会社、建設会社を問わず、買主、施主には営業担当者(住宅営業)が現れます。
営業の仕事は、住まいの価格(予算)を算出することと、資金計画や火災保険等、マイホーム「購入」に関するお手伝いをしてくれます。
住宅営業は買主、施主に寄り添いながら、背中を押してくれます。
不動産ポータルサイトをみると、営業担当の能力や相性がとても大切とあります。
このように頼りになる営業マンですが、彼らの収入は買主、施主からいただきます。
すなわち、営業担当者は「家」を売ることが仕事です。

目次
住宅営業の仕事とは
(2) 買主、施主が満足する物件情報を提供すること(注文住宅ならプラン作成)。
(3) 買主、施主に家を引き渡す事。
※買主、施主が住宅ローンの返済や修繕等、すまいを維持しやすくすること。
(1) 買主、施主が購入資金を工面することができるか確認する事
買主、施主に手持ち資金があるか。
住宅ローンを組む信用(与信調査)があるか。
月々幾ら返済できるかを調べます。
月々返済額は現すまいの家賃や毎月の貯金額がベースとなります。
ここは月収とリンクするところです。
住宅ローンを利用する必要がある方には、「借入可能額」を調べます。
(2) 買主、施主が満足する物件情報を提供すること
買主、施主が望む物件を探します。
傾向として分譲マンション、分譲住宅等は費用がほとんど確定しているので、予算通り探せます。
注文住宅等は、ほとんどの工務店で「スタンダードプラン」があります。
しかし基本オーダーメイドなので、予算が膨らんでいく傾向があります。
「一生に1度の買い物」とはうまくいったもので、どんなささいな要望もプランに入ってきます。
先に総予算を決めていない場合、プランはかなり高額になります。
膨らんでいく予算 変えられない返済額

マイホーム購入の場合、多くの方が住宅ローンを利用されます。
この観点から住宅ローンを見ていきます。
住宅ローンは金利電卓で計算ができますが、要素は
・ 返済月数
・ 利息(金利)
・ 月返済額
・ 総返済額
です。
この5つの係数で変動します。
住宅購入の相談の際は、この順番で入力すると思います。
例えば、

この条件で住宅ローンを想定したとします(全期間固定を想定)したとします。
しかし設備のグレードアップで予算が足りません。
借入期間も月返済額も増やしたくありません。
そこで住宅営業はこのようなプラン(変動金利)を提案します。

返済月数、月返済額、総返済額を増やさずに借入(予算)を増やすには、利息を下げるしかありません。
現在の傾向として、固定金利から期間固定金利、変動金利へとリスクを増やせば金利が下がる傾向があります。
ハイリスクハイリターン(一定期間、半年毎に返済額が変わる可能性があるが、利息は低め)
住宅ローンでは、この点をしっかり理解することが大切です。
住宅営業は、マイホーム購入を促し引き渡しするのが仕事です。
マイホーム購入後の生活は二の次です。
住宅ローンの利息等の「リスク」は彼らにとって二の次です。
そこを認識してください。
購入後の生活の維持もよく考えて

住宅営業は、マイホーム購入で大切なパートナーです。
しかし彼らは、マイホームの購入のパートナーであって、マイホーム購入後の生活の維持にまで考えてはくれません。
住宅営業の仕事に「買主、施主が住宅ローンの返済や修繕等、すまいを維持しやすくすること」という観点は入らないのです。
住宅ローンの事務は住宅営業の業務です。
でも彼らは住宅ローンの選定や資金計画は彼らの業務ではありません。
これらを承知したうえで購入やローン支払い額を検討しましょう。
一生で1番高い買い物は、「マイホーム」でなく、「住宅ローン」です。(執筆者:金 弘碩)