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支出を切り詰めるだけでは家計はジリ貧
もし、このようなお悩みをお持ちであれば、家計管理の本質を見誤っている可能性があります。
支出削減は、収入が高まってこそ最大の効果を発揮します。
つまり、「収入を増やす」という本質を見失っては、いつまで経っても手元にお金は残りません。
収入を今以上に増やすには、10年スパンで将来を見据えることが大切です。
今回は、10年後に給料を3倍に高めるためにできる施策を紹介します。

収入の底上げが不可欠な理由
家計管理時は支出の抑制に意識が向きやすく、より本質的な「収入の底上げ」がおろそかになりがちです。
現在の日本は成熟化が進み、給料が劇的に上がりにくい構造になっています。
そのため、ついつい節約に意識を集中する気持ちはよく分かります。
しかし、いくら支出を削っても、大元の収入が増えなければジリ貧に陥ってしまうことは目に見えています。
人生100年時代と言われるなか、この先日本人の平均寿命はさらに延びるはずです。
老後の生活期間も長くなるため、今までよりも貯蓄が必要となり、日々の支出を削っているだけでは資金が確保できないケースも考えられるでしょう。
私たちが今からできることは、自分の将来を長い目で見据え、今のうちに「収入が増える種」を育てておくことです。

10年後に給料を3倍にするために今からできること
家計管理で支出を見直すのは大切です。
しかし、それと同時に収入を高めるために努力することも必要です。
節約や節制といった対症療法(表面の病気を治療する)になりがちな支出削減に対し、自分の収入状況を見直すことは原因療法(病気の根本から治療して再発を防ぐ)にあたります。
ここでは、将来的に収入の基礎を高めるために、今のうちに行っておきたい3つの施策を紹介します。
1. 将来的に高収入に繋がるスキルや知識に投資しておく
人生100年時代においてもっともリスクになり得るものは、現在のスキルの陳腐化です。
老後資金が足りず、老後の長い期間も働くようになると、必ず技術の進歩が私たちに直撃します。
仕事がAIやロボットに代替された場合、残っている仕事といえば、
「給料の高い、スキルが高い人にしかできない仕事」
しかありません。
そのため、先を見据えている人ほど将来のために自己投資を行っています。
今後は、「肉体」よりも「脳」を働かせる仕事ほど重要性が高まることが予想できるため、特定分野の専門知識を身につけたり、業界のなかで実績と経験を積み重ねることが重要です。
2. 将来性の高さに着目して勤め先を探す
世の中には儲かる業界がある一方で、頑張ってもなかなか利益を得られない業界があることは想像に難くありません。
もちろん、前者の企業に勤めていれば、役職を得なくても自然に高い給与が得られます。
そこでまずは、平均年収の高い企業のランキングを見てみましょう。

たとえば、産業機械や工作機器を扱うキーエンス、ファナック、東京エレクトロンなどは、高付加価値商品の拡充によって堅調に平均年収が高まっています。
また、情報・通信業も5Gの商用化やIoT製品の拡充などの影響で、将来性の高い業界だと言えるでしょう。
「給料が低くてもこの業界で働きたい」という場合は別ですが、できるだけ高成長が期待できる企業を見極めることも大切です。
3. コミュニケーション能力を磨いて高い役職を目指す
私たちの周りには、特に優れた能力がないにも関わらず、不思議と昇進や出世が早い人たちが存在します。
彼らが共通して持つのは、
これからはますます、「競争」よりも「共創」を大切とする世の中になることが予想でき、知識や技術に投資を行うと共に、自分自身の人間力を磨くことも欠かせなくなるでしょう。
こうした能力を磨くのは一朝一夕では難しいため、長期的な視野に立って行動することが大切です。
将来を見据えて「収入の種まき」を
家計管理において根本となる「収入を増やすことを考える」ことは大切です。
今回お伝えした3つの方法を参考に、将来を見据えて「収入の種まき」を行っておきましょう。
ただし、いくら高額の給料を稼いでも使い過ぎてはお金は残りません。
そのため、収入と支出をバランスよく考えて家計管理を見直すようにしてください。(執筆者:柳本 幸大)