介護保険サービス利用率が年々高くなっている昨今、介護保険料の増加が目に見えて高騰している地域もあります。
限られた年金の中で介護が必要になってもなお、介護保険料を支払い続けることについて、高齢者世帯からは悲鳴にも似た嘆きを耳にすることもあります。
自宅で生活している高齢夫婦の暮らしの実態はどうなっているのでしょう。
日頃している節約の工夫を見ると、若い世代では目からうろこ、頭の下がる努力をしている高齢者世帯の節約術を紹介します。
目次
工夫1:ゴミは出さない

ゴミの破棄量の多さが問題となっている近年、多くの自治体ではごみ袋が有料化されています。
消費税の増税も相まって、ごみ袋の値段が値上がってしまう地域もあります。
そこで、ある高齢者世帯ではそもそもゴミを出さないという工夫をしています。
生ごみは水を切って畑の肥料にするのだそうです。
こうすることで、年に数回しかゴミ集積場にゴミを出したことがないという世帯もあります。
節約という面だけではなくエコな生活のお手本だといえる、頭の下がる工夫です。
畑を持つという環境は難しいですが都心でもプランターなどの自家栽培がはやっている現代です。
若いうちからこのエコなサイクルを習慣づけておきたいです。
工夫2:食材は自給自足
高齢者世帯とはいえ、家計でどうしても欠かせないのは食費でしょう。
私たちは生きている限り食材は必要不可欠です。
節約術の中でもなかなか削れないことも多いでしょう。
しかし、畑作業ができる高齢者世帯の場合は、野菜をほとんど自給自足で節約できます。
魚にしても冷凍保存やくん製にして保存食として蓄えています。
都会では難しいことかもしれませんが、地方ではよく見られる工夫です。
おやつには夏はトマトに砂糖、冬は干し柿です。
自給自足の生活は体にも良く、金銭面でも大きな節約です。
若い世代でもまねが出来るとしたら、プランター栽培やよく使う野菜の栽培などではないでしょうか。
野菜の値段をイメージすると自給自足が少しでもできるというのはお得感が大きいことです。
できる範囲で節約を心掛ける

飽食の時代にある今、私たちは望めば簡単に食べ物が手に入ります。
食材は買うことが当たり前の時代に育った世代から見ると、今回紹介した高齢世帯の食生活の工夫は現実離れしていることにも思えるでしょう。
しかし、同居家族がいて介護をしてくれるという暮らしもまた昔と違い、現実的ではありません。
年金暮らしにおいて、節約した生活を送ることがいかに大切なことかを今から考えておく必要があります。
というのが将来の自分のため、そして、家族のためにもなります。
プランター栽培も始めてみると案外簡単です。
植物の栽培は身近にあるやりがいということで老後の認知症予防にも役立ちます。(執筆者:老人ホーム施設長 佐々木 政子)