3月も終わりに近づき、いよいよ新年度を迎えます。
新年度は新たな目標を立てるいい機会ですが、今年こそお金と真剣に向き合いたいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし私たちは、お金について学ぶ機会が少ないことが現状です。
そこで今回はお金と真剣に向き合うために、大切な3つのルールについてお伝えしていきます。
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目次
ルール1. 予算を決めて支出をコントロールする
「お金と向き合う」とは、自分のお金の現状を知ることから始まります。
しかし何もしないままでは自分のお金の現状を把握できず、まずは家計簿をつけることから始めていきましょう。
1か月でもいいので家計簿をつける
家計簿は家計の人間ドックといえます。
家計簿を付ければ支出が減る、というわけにはいきませんが、家計の健康状態を把握できます。
まずは1か月でもいいので、家計簿をつけてみましょう。
今ではスマホの家計簿アプリも充実しており、そのようなアプリや手書き、Excelなどを用いて自分で作成してみてください。
家計簿をつけていくと、以下のようなものが発見できるかもしれません。
・ コーヒーやお菓子などの小さな支出が多い
・ サブスクリプション(定期購買)の項目が多い
このように家計簿をつけることで、今まで気にしなかった支出が数字として現れるため、上記のような項目が家計を圧迫していると気づくかもしれません。
不測の事態に対応できるように予算をたてる
家計簿をつけ、家計の健康状態を把握し「支出の予算」をたててみましょう。
仕事でも
「予算が余っているため新たに〇〇を買い入れよう」など
予算を意識することがあるかもしれません。
予算をたてることで、無駄遣いや衝動買いなどを避けるきっかけとなる可能性があります。
予算の立て方は以下の2つのパターンがあります。
B. 月の目標貯蓄額をもとに予算をたてる
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たとえば上記のような家計状況を仮定して、予算をたててみましょう。
A. 支出状況を踏まえて予算をたてる
こちらは現在の支出状況を踏まえ、いくらなら減らすことができるかを考えます。
具体的には、上記の例で「食費」が月に4万円かかっていることがわかり、1日あたりにしてみると約1,333円です。
仮に1日あたりの食費を100円削減できるとすれば月に約3万7,000円になり、1か月で3,000円の削減につながります。
このように「1日あたりいくら削減可能か」を考えながら金額を考えると、予算をたてやすくなるでしょう。
B. 月の目標貯蓄額をもとに予算をたてる
こちらは月の目標貯蓄額をたて、それを実現するために支出を調整していきます。
たとえば上記の家計簿で、毎月3万円を削減するとしましょう。
現時点では手取り収入23万円に対し、支出額は22万8,000円で毎月の貯蓄額が2,000円です。
つまり毎月3万円を貯蓄するためには、支出項目の中から2万8,000円を削減する必要が出てきます。
ここで重要なポイントがあります。
支出を削減する際、やみくもに削減することや支出金額が大きい項目を削減するのではなく、「優先順位」をつけましょう。
支出を削減にはどうしてもストレスがかかるため、削減しても大丈夫だと思う項目から削減していきます。
たとえば食費を削減するには、健康上の影響も心配されるため、代わりに趣味・娯楽費を削減するなどじっくり検討していきましょう。
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ルール2. 向こう1年の支出を予測してみる
お金の計画をたてたことがある人は少ないかもしれませんが、お金と真剣に向き合うためには必ず計画が必要です。
まずは「想定できるライフイベント」を洗い出し、そのライフイベントが実現できるのかをシミュレーションしてみましょう。
具体的にはExcelシートなどを用いて、簡易的な計算式を用いたライフイベント表を作成し、上記で決めた予算をもとに貯蓄額がどのように変化するのかを可視化していきましょう。
たとえば以下のように現在の貯蓄額50万円で、年に2回の海外旅行で1回あたり20万円の支出を想定してみます。
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現在の貯蓄額と支出状況では、年2回の海外旅行を実現することが不可能であることがわかります。
そのため回数を年1回にすることや、旅費削減のために国内旅行に変えるなどの対応が必要だということが見えてくるでしょう。
ルール3. お金は手段であって目的ではない
お金を貯めることが目的になってしまうと、人生において大切なチャンスを逃すことや、人間関係を悪くしてしまう可能性があります。
確かにお金を貯めて節約をすることは大事ですが、お金は自分のやりたいことを実現するための手段であることを忘れてはいけません。
人のためにお金を使う
「お金持ち」と呼ばれる人は、人に惜しみなく与えるという特徴があります。
たとえば寄付や大切な人にプレゼントなどを積極的にお金を使います。
ブリティッシュコロンビア大学の研究結果では、
という発表をしました。
プレゼントをした場合、もらった相手だけではなく贈った自分自身も幸福にしてくれることがわかっています。
人は「与える喜び」で、幸福度が増すということでしょう。
自分や目先の利益だけではなく、人のためにお金を使うことを意識していくことが大切です。(執筆者:FP2級 福森 俊希)