2019年12月に、政府は現在の「一般NISA」制度を改正し、2024年から「新NISA」を導入すると発表しました。
現行の「NISA」と「新NISA」は何が違うのか、変更点を解説します。
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目次
主な変更点は3つ
現行の「一般NISA」と「新NISA」の特徴を、次の表にまとめました。
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それぞれ具体的に見ていきましょう。
変更点1. 非課税投資金額が年120万円から122万円になる
現行の「一般NISA」の非課税投資金額は、年120万円まででした。
「新NISA」では制度が2階建てになり、
2階部分:年102万円
合計:年122万円
と年2万円多く投資可能です。
変更点2. 制度が2階建てになる
現行の「一般NISA」は、
・ 年120万円まで
とシンプルでしたが、「新NISA」は制度が2階建てです。
1階部分:現行の「つみたてNISA」に類似
まず、1階部分は、
・ 年20万円まで
となり、現行の「つみたてNISA」とほぼ同じ内容です。
2階部分:現行の「一般NISA」に類似
次に2階部分は、
・ 年102万円まで
となり、現行の「一般NISA」の制度内容を引き継ぐ形になります。
ただし、長期投資に不向きな高レバレッジ投資信託や、上場が廃止されそうな株式(監理銘柄・整理銘柄)は除外される予定です。
なお、原則として1階部分の積立投資を行った場合にのみ、2階部分の投資枠が利用可能ですが、
・ 投資経験者
については、2階部分のみの利用もできます。
変更点3. 投資期間が2023年から2028年まで延長される
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
現行の「一般NISA」は、投資できる期間を2023年までとしていました。
「新NISA」ができることにより、投資可能期間は2028年まで延長されます。
見込みです。
「つみたてNISA」は期間を5年延長
「つみたてNISA」は投資可能期間を2037年までとしていましたが、5年延長して2042年までになります。
なお、
予定です。
「ジュニアNISA」は予定通り2023年まで
0~19歳の未成年者が利用できる「ジュニアNISA」は、利用者が少ないこともあり、従来の予定通り2023年末をもって終了することになりました。
「NISA」と「つみたてNISA」の選び方
「NISA」と「つみたてNISA」の併用はできません。
「新NISA」になってもそれは変わらないため、投資目的やスタイルに合った制度を選びましょう。
「個別銘柄にも投資をしてみたい」という方は、引き続き「NISA」を選ぶ必要があります。
ただし「NISA」は、
・ 5年後に課税口座に移管、ロールオーバー、売却などの対応が必要
という背景もあり、「つみたてNISA」に比べると難易度が高めです。
特に、「一般NISA」から「新NISA」にロールオーバーする場合には、制度内容や非課税投資金額が変わることもあり、少々複雑になることが予想されます。
「投資に手間や時間をかけずに長く続けたい」という方は、2042年まで使える「つみたてNISA」を選ぶ方がよいでしょう。
「時間」を味方に投資する
「新NISA」は制度が2階建てになり、投資初心者にはややわかりにくい仕組みになってしまいました。
しかし、非課税期間が5年延長されたのは喜ばしいことです。
「一般NISA」にせよ「つみたてNISA」にせよ、長い時間をかけて投資することで、「時間分散によるリスクの低減」と「複利効果による投資効果の増大」を期待できます。
投資に興味が出てきたら、より長く利用できるようになった「NISA」の制度を上手に使って、資産形成に役立ててみてはいかがでしょうか。(執筆者:AFP、2級FP技能士 青海 光)