と、古くて狭いものの、立地の良い分譲マンションが注目されています。
でも、50平方メートル未満の物件は、住宅税制の優遇が受けられない可能性があります。
物件購入後では取り返しがつかないので、 床面積を必ず確認しましょう。
今回は主に中古分譲マンションを想定してお話します。
目次
「ミニマリスト」の落とし穴

ライフスタイルの多様化から、自分の時間を大切にする人が増えました。
と、駅近物件や、利便性の高い物件を求める人たちが増えたのです。
でも予算は限られています。
そこで、古くて狭いものの、立地の良い分譲マンションが注目されています。
「ミニマリスト」や「断捨離」の影響か、購入後にリノベーション・コンバージョンを計画し、おしゃれな物件に作り直すなど、狭い住宅を見直す風潮があります。
50平方メートル未満の物件では優遇が適用されない
あなたにお知らせしたいことがあります。
自宅として購入する住宅には、税制などさまざまな優遇があります。
しかし床面積が50平方メートル未満だと、 これらの優遇が適用されません。
床面積を確認する際は、 物件パンフレットを調べるだけではなく、 登記事項証明書も確認してください。
工事で間仕切り壁などを新しく作る際も気をつけてください。
壁が増えると、結果として50平方メートルを切ってしまう恐れがあります。
登記記録上の床面積が50平方メートル未満の場合

登記記録上の床面積が50平方メートル未満の場合、以下のような優遇が適用されない可能性があります。
・ 住宅ローン減税
・ 贈与税の非課税措置
・ 登録免許税の軽減(所有権の保存・移転・抵当権設定)
なお、適応には他の条件もあります。
「登記記録上の床面積」とは
床面積には、「内法面積」と「壁芯面積」の2種類があります。
内法面積とは
登記記録上の床面積とは、内法面積を差します。
不動産登記法には、
とあります。
壁芯面積とは
一方、パンフレットや平面図にある床面積は、壁芯面積です。
建築基準法には、
と書かれています。
「内法面積」の確認が必要
一般的に、内法面積より壁芯面積の方が5~10%程度広いです。
そのため、パンフレットや平面図では50平方メートル以上であっても、登記事項証明書では50平方メートルを下回る場合があるため注意が必要です。
現況の床面積が50平方メートル未満の場合
現況の床面積が50平方メートル未満の場合、以下のような優遇が適用されない可能性があります。
※マンションなどは、共用部分の床面積を専有部分の床面積割合により按分した床面積も含まれます。
・固定資産税の軽減(新築物件のみ)
リノベーションの際、凸凹の壁を平坦にする、配管隠しのスペースを作るために「ふかし壁」を設ける場合があります。
面積が狭くなる場合があるので、注意が必要です。
購入前に必ず床面積を確認する
床面積が50平方メートル未満だと、 多くの優遇措置が受けられません。
優遇措置のほとんどは、 住宅購入後に申請します。
購入後に気がついても手遅れです。
不動産を購入の際は、 少なくとも登記事項証明書は確認しましょう。(執筆者:金 弘碩)