世の中には、さまざまな形の生命保険があります。
「死亡」、「がん」、「医療」、「介護」などがセットになっているタイプの保険と、それぞれ単品になっている保険、どちらがお得だと思いますか。
圧倒的に「セット保険」の方がお得です。
その理由について、詳しく紹介します。
目次
セット保険のメリット

セット保険とは、主に国内の生命保険会社が販売している「死亡 + 医療 + がん・介護」といった総合的な生命保険のことです。
1. 無駄がない
例えば、次のような保険を検討しているとします。
・ 医療保険:入院日額5,000円
・ 死亡保障:500万円
※細かい特約は省略。支払い条件は同等と仮定。
単品で契約した場合は、それぞれの「死亡保障」や「入院保障」が重複してしまう可能性があります。
特に入院保障は、一般的に「がん特化の入院保障」より、「医療保障のがん特約(がん治療だと入院日額が倍額・支払日数無制限になる特約)」の方が、保険料が安く済みます。
単品保険よりもセット保険の方が、重複部分を調整し、結果的に無駄のない保障が設計できます。
2. 単品保険より安い
死亡保障のない医療保険やがん保険を選び、重複部分がなかったとしても、同等の保険であればセット保険の方が安いです。
それは、保険契約に必要な費用を節約できるからです。
単純に、保険証券が3枚になるのと1枚で済むのでは、紙代や手間代が違います。
3枚がそれぞれ別の封筒で郵送されるのならば、郵送費は3倍必要です。
保険料は、「年齢・性別によるリスク」などから計算される部分に、「事務手数料」を上乗せして算出しています。
その割合はわずかですが、保険契約数が増えれば増えるほど、事務手数料なども増えるのは当然です。
そして、事務手数料は保障内容などで左右されることはありません。
1件あたりの加算割合は一律ですので、ばらばらと単品保険を契約するということは、その件数分の事務手数料などを支払っているということです。
3. まとめて保険料免除になる

がんや介護状態など、「指定の状態になった場合、以降の保険料は免除される」という特約があります。
それを「保険料免除特約(通称P免)」と呼びます。
生命保険料を意味する英語「life insurance premium」からきています。
セット保険にしっかりとP免をつけておけば、がんや介護状態になった場合、セット保険は丸ごと保険料が免除されます。
生存保障はP免後最初の満期で終了しますが、年金は契約当初の払い込み完了日まで有効です。
そのため、もしセット保険に「生存保障」や「年金保障」をプラスしていた場合は、P免になった時点から保険料を払い込まなくてもボーナスや年金が貯まっていきます。
単品保険にP免はつけられるのか
単品保険でもそれぞれにP免をつけられます。
しかしながら、P免をつけるには「特約保険料」が必要です。
P免保険料は、保障の保険料と同様に、年齢や性別、P免をつける保障内容によって特約保険料が算出されます。
この場合も、もちろん事務手数料が含まれるため、ばらばらと付加したP免特約保険料よりも、セットにつけたP免特約保険料の方が安くなります。
また、ほとんどの保険会社で「生存保障」や「年金保障」などの貯蓄保険単品には、P免付加ができません。
貯蓄保険にP免がつけられるのは、その他の保障とセットにしているからこその特権と言ってもいいでしょう。
4. 請求が簡単
最後に、「入院給付金」や「死亡保険金」などを請求するタイミングでの話をしましょう。
入院給付金を請求する場合、
・ 本人を証明するもの
・ 請求申請を証明するもの
が必要です。
一昔前までは、「診断書原本」や「身分証明書」を準備して、「請求書類」を手書きで書いていました。
今は、ほとんどの保険会社が「病院領収書でOK」だったり、請求書も「サインでOK」だったりと簡略化されていますが、手間にならないわけではありません。
セットならまとめて1度で済むところが、単品保険ならその都度、複数の保険会社が混在している場合はそれぞれに連絡や手続きを行わなければなりません。
入院給付金などの「自分で請求するもの」はまだ自分で覚えていればいいですが、死亡保険金などの「受取人が請求するもの」はきちんと説明しておかないと、請求漏れの可能性もでてきます。
メインはセット保険・サブで単品保険がオススメ
セットで加入したつもりでも、証券が分かれていた場合は単品保険です。
ぜひ、同等のセット保険と見比べてみてください。
単品保険のメリットは、個別解約が簡単なところです。
例えば、最新のがん特化保障などは単品でも残す価値がありますが、その他の保障はセット保険に置き換えた方が、いざというときに「使えて・お得」な保障になります。(執筆者:仲村 希)