新型コロナウイルスの感染拡大は、医療関係者をはじめとして一般企業や、飲食店、小売業などさまざまな方面に影響を及ぼしています。
特に介護サービス事業所では、サービスの中止や減少といった対応を取らざるをえないケースが多発しています。
介護サービス事業所で定期的に行っていたリハビリがなくなると、利用者の筋力の低下や認知症の進行にもつながる可能性がありますので、利用者とそのご家族はこのまま何もしない状態を続ける訳にはいきません。
今回は、自宅で理学療法士のアドバイスを無料で受けつつリハビリを行う方法を紹介します。

目次
数ある「リハビリ用動画」どれを見たらよいのか
「筋トレ用動画」や「リハビリ用動画」と検索すると多数の無料動画を見つけられますが、種類が多すぎてどれがよいのか分からないという側面もあります。
ここからは、おすすめの動画を紹介します。
1. 運動の段階別に説明入り「自宅でできるリハビリ」
理学療法士が運動の段階別に丁寧な説明を入れている動画が、公益社団法人東京都理学療法士協会の「自宅でできるリハビリ」です。
運動する前後のウォームアップ・クールダウンに始まり、
・ 片側手足が不自由な方向け
・ 車椅子の方向け
など、身体の状態に合わせたリハビリ動画を無料で見られます。
2. 脳卒中患者が自宅でできる「あなたにあったリハビリ動画」
自宅でのリハビリだと続かないという方には、相談内容に合ったリハビリ動画を理学療法士が無料で選定・送付してくれるこちらの動画がおすすめです。
脳梗塞・脳出血専門のリハビリを行っている「動きのコツ研究所リハビリセンター」では、5月末までの期間限定で脳卒中患者が自宅でできる「あなたにあったリハビリ動画」プレゼント支援という企画を行っています。
「あなたにあったリハビリ動画」の手順
手順は、
(1) 無料電話相談にて現在の身体の状態を伝える
(2) 理学療法士が550本ある動画の中から、相談内容を解決するための「リハビリ動画」を選定し、メールにて相談者に送付
(3) 相談者は自宅で動画を見ながらリハビリに取り組む
という流れです。
リハビリを自宅で実施した後も無料相談を利用して質問ができるようになっていますので、1人でも安心してリハビリに取り組むことができます。

3. バリエーションを付けたい方に「自宅でできる介護リハビリ」
1時間程度の内容の決まったリハビリメニューを自宅でこなすのはもう飽きた、いろいろとバリエーションを付けたい方におすすめなのがこちらです。
自宅で工夫してリハビリに取り組んでいても、真面目にやればやるほど内容にマンネリ化を感じて飽きてしまうという方もいることでしょう。
デイサービス向けの訓練ソフト「リハプラン」を提供しているRehab for Japanでは、5月末までの期間限定で「自宅でできる介護リハビリ」と題した運動マニュアルを無償で提供しています。
「自宅でできる介護リハビリ」では運動マニュアルが2,500種類用意されていて、目標や目的などを入力すると必要な運動マニュアルを検索してくれるようになっています。
このシステムをうまく利用すると、
・体調に変わりがあった場合に目標を変えて検索してみる
・リハビリ内容の幅を広げたい場合に目的を少し変えてみる
などといったようにリハビリの内容に変化をつけることも可能です。
もともとは4月末までのサービスでしたが好評につき期間が延長されました。
また、運動マニュアルはPDF形式なので、印刷や保存をしておけば期間終了後も自宅で介護リハビリできます。

元気な高齢者の方は「フレイル予防」として利用
健康な状態から介護が必要な状態の真ん中の段階を「フレイル」と呼びます。
厚生労働省のホームページに「新型コロナウイルス感染症への対応について(高齢者の皆さまへ)全国の体操動画やリーフレットの紹介」と題して、全国の自治体が作成した体操用のリーフレットや動画が掲載されています。
現在、介護サービスを受けていない高齢者の方も外出自粛中の折、フレイル予防として利用されてみてはいかがでしょうか。(執筆者:大川 真理子)