卵は節約食材の代表格です。
あなたの家の冷蔵庫にも、いつも常備しているでしょう。
けれど
「いつも食べるにはコレステロールが心配」
「夕食にも出せる卵料理はあるか」
といった疑問をもってはいませんか。
ここでは管理栄養士である筆者がその疑問にお答えします。
具体的には価格や栄養的な価値を同じく節約食材である鶏ももや鮭の切り身と比較、コレステロールについての考え方、卵を使った簡単レシピを紹介します。
この記事を読むと節約を意識した献立作りがぐっと楽になります。

目次
卵、鶏もも、鮭切り身、の価格を比較
まずは代表的な節約食材の価格を比べてみましょう。
卵¥19/100g(価格参考:JA全農)
鶏もも¥60/100g(価格参考:JA全農)
鮭切り身¥83/100g(価格参考:東京中央卸売市場)
圧倒的に卵が安いということがわかります。
卵、鶏もも、鮭切り身、の栄養的価値を比較
次に栄養的な価値についてみてみましょう。
卵の主な栄養素はタンパク質です。
日本人の食事摂取基準2020年版によるとタンパク質の推奨量は18歳~64歳男性で65g、女性で50gです。
先ほどの鶏ももと鮭切り身も一緒にそれぞれどのくらいのタンパク質が含まれているか比べてみましょう。
鶏もも26.3g/100g
鮭切り身21.7g/100g
同じ重量であれば卵には鶏ももや鮭切り身の約半分のタンパク質が含まれている、ということがわかります。
そこで節約のために私が提案する料理は
2. 肉、魚を普段より減らし卵をくわえる
以上の2つです。
卵のコレステロールは心配ない
しかし卵を食べるときにコレステロールのことが心配になる人もいます。
前述の日本人の食事摂取基準2020年版には次のように記載されています。
(コレステロールの)目標値は設定しないが、これは許容される摂取量に上限が存在しないことを保障するものではない
つまり食べすぎはよくないけれど、健康な体であれば体内でもコレステロールは作られるため、過敏になる必要はない、として目標値を撤廃しています。(高コレステロール血症の人たちに対しては上限を設けています)
しかしながら卵はコレステロール以外にも脂質を多く含む食材ですので、健康な人も食べすぎは禁物です。
1日に2個程度であれば心配ないでしょう。
卵を使った節約料理
それでは具体的に「どのように卵を献立に取り入れるか」をお伝えします。
卵をメインで使った料理を1品、肉、魚を減らし卵をくわえた料理を2品紹介します。
節約料理1. 「天津丼」

【材料(2人分)】
カニカマ:1パック
筍の水煮:1/2コ
長ねぎ:5cm
卵:4個
塩:少々
油:適量
〇水:1カップ
〇砂糖:大さじ1
〇醤油:大さじ1
〇酢:大さじ1
〇片栗粉:大さじ1
ごはん:2人分
下準備
・カニカマを一口大に切る
・長ねぎを斜め薄切りにする
・筍の水煮を細切りにする
・卵を溶く
作り方
1. 油をひいたフライパンに、カニカマ、筍の水煮、長ねぎを入れ、しっかり塩をふり中火で炒める
2. 全体に油が回りしんなりしたら溶き卵を1回で流し入れ、強火にし、菜箸で大きくかき混ぜる
3. 卵が半熟になったら火を止める
4. 皿にご飯を盛り卵をのせる
5. フライパンの汚れをさっとふき取り、〇をすべていれる。
絶えずかき混ぜながら強火にかけ、とろみがついたら卵の上からかける
家族全員分を1回で作り大皿に盛れば、手間と時間が大幅にカットできます。
みんなで取り分けながら食べてください。
節約料理2. 「鶏と卵のサッパリ煮」

【材料(3人分)】
鶏もも:1枚
卵:3個
〇ポン酢:150cc
〇水:150cc
〇しょうが:親指大
〇にんにく:1片
下準備
・鶏ももを一口大に切る
・ゆで卵を作り殻をむく
・しょうがは皮付きのまま薄切りにする
・にんにくを軽くつぶす
作り方
1. 鍋に〇を入れて煮たたせる
2. 煮汁に鶏もも、ゆで卵を入れ、中火で煮汁が半分になるまで煮る
3. 皿に盛る
あえて多めに作り、翌日のお弁当のおかずにするのもおススメです。
半熟卵が好みであれば、鶏ももだけ先に煮て、火を止めてからゆで卵を煮汁に入れ、半日~1日おき、食べる前に温め直すといいです。
節約料理3. 「鮭とふわふわ卵の炒めもの」

【材料(2人分)】
鮭切り身:2切れ
アスパラガス:1束
卵:2個
塩:適量
油:適量
下準備
・ 鮭の切り身を一口大に切る
・ アスパラガスの下1/3の皮をむき、3cmに切る
・ 卵を溶く
作り方
1. 鮭とアスパラガスにしっかりと塩をふり、油をひいたフライパンで中火で焼く
2. 鮭とアスパラガスをフライパンのはじによせ、空いたスペースに油をひき、半熟のスクランブルエッグを作る
3. 全体を軽く混ぜ合わせる
鮭とアスパラガスには塩味をしっかりつけ、卵には味つけをしないことで、味にコントラストが生まれます。
鮭も卵も火の通りがはやいので短時間でできるのもうれしいポイントです。
卵を上手に使って食費節約をしよう
卵の価格や栄養的な価値、コレステロールの考え方、卵を使った節約レシピをお伝えしました。
卵をうまく献立に取り入れて、食費節約に役立てましょう。(執筆者:栄養士・管理栄養士 小原 水月)