食費の節約を意識したら栄養バランスが偏ってしまったなどといった経験はありませんか。
育ち盛りの子供にはできるだけ栄養バランスのとれた食事をさせたいのが親心です。
ここでは、管理栄養士である筆者が実践している
を実践するためのポイントや簡単レシピを紹介します。
目次
実践している3つのポイント
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一般的に、食費は手取り収入の15%以内に納めることが理想と言われています。
手取り20万円であれば3万円ほどです。
わが家では、貯蓄金額を上げるために毎月必ず、食費を手取りの15%以内に抑えています。
それでも、管理栄養士であり、育ちざかりの子供を育てる母として、栄養バランスを良くすることも譲れません。
そこで、わが家で実践しているポイントは次の3つです。
2. メイン食材は徹底的に節約
3. サブ食材や副菜で栄養バランスを調整
それでは、3つのポイントを詳しく説明します。
1.「ごはん、タンパク源、野菜 」の3つをそろえて医療費削減
栄養バランスを整えるのは難しいと思っている方が多いかもしれませんが、実は意外と簡単なのです。
・ タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)
・ 野菜(野菜、キノコ、海藻などのビタミン・ミネラル源)
の3つをそろえる意識をして料理をしてみましょう。
この3つのバランスがとれた食事をしていると心身ともに元気でいられます。
食費を削ろうとすると、どうしてもご飯や麺、パンなどでおなかを満たしたくなりますが、これだと栄養バランスはガタガタになり、常に身体がだるくて元気がでなかったり、風邪をひきやすくなってしまいます。
食費の節約を頑張っても病院代がかかっては意味がないので、無理のない範囲でこの3つをそろえて栄養バランスを整えるよう意識しています。
2. メイン食材は徹底的に節約
食費で値段が張るのは、肉や魚といったタンパク源の食品です。
肉の場合、安い豚こま肉でも100gで100円前後はします。
100gあたり90円の日に購入するのと140円の日に購入するのとでは、その差は50円です。
お子さんのいるご家庭だと1回300gは食べますから、1食あたり150円、1か月の夕食30食分で考えると4,500円もの差が出てくるのです。
チリツモですが、ここを節約するのは食費を削るうえで大きなポイントです。
わが家では、安いお肉や魚をまとめ買いすることはもちろん、卵や豆腐といったリーズナブルなタンパク源をうまく使い回すことで大幅に食費を削ることに成功しています。
3. サブ食材や副菜で栄養バランスを調整
鉄分などのミネラルは牛肉やマグロ、カツオに多く含まれていますが、残念ながら豚や鶏、豆腐などには少量しか含まれていません。
そのため、メイン食材を節約すると、どうしても足りない栄養素が出てきてしまいます。
ビタミンやミネラルは卵に多く含まれているので、卵をうまく活用したり、食物繊維は他の食品で補ってあげましょう。
栄養価が高いおすすめの節約野菜&魚
もやし
じゃが芋
にんじん
玉ねぎ
ピーマン
青菜
キノコ
鮭
シラス
激安食材ばかりではありませんが、特売日を狙えば安く手に入るものばかりです。
メイン食材を節約している代わりに、ここにお金をかけることで医療費を削減していきましょう。
特にキノコは、1年中安定した価格で購入できますし、冷凍保存も可能なので上手に取り入れることで栄養価をアップしてあげてください。
豆腐、卵、キノコを使った「節約 × 栄養満点」レシピ
豆腐、卵、キノコを使った栄養満点かんたんレシピを4つ紹介します。
どのレシピも4人分を270円以内で作れる節約レシピです。
1. 冷凍豆腐がお肉に変身「キーマーカレー」
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凍らせた豆腐を解凍して水気を絞ると、お肉に近い食感に大変身します。
賞味期限が切れそうな豆腐は無駄にせず、冷凍してお肉料理の「かさまし」に使いましょう。
お肉だけで作るより100円以上の節約になります。
野菜を入れることで栄養バランスを整えることも忘れないでください。
材料(4人分・約270円)
木綿豆腐:1丁
豚ひき肉または合挽き肉:100g
人参:1/2本
ピーマン:1/2個
油:適量
カレールー:4~5人前
水:適量
ケチャップ:適量
ソース:適量
お好みでニンニク:チューブ1cmほど
下準備
・ 豆腐は冷凍庫に入れて凍らせておく
パックのまま冷凍できますが、パックが破裂することもあるので、ビニール袋に入れておきましょう。
・ 冷凍した豆腐は使う前に解凍し、水気をよく絞っておく
電子レンジで解凍する場合にはラップをして600Wで裏表2分ずつ加熱し、様子をみて追加で加熱してください。
解凍時間が長すぎるとパサつくことがあるので注意しましょう。
作り方
1. 玉ねぎと人参をみじん切りにし、フライパンに油を入れ炒める
2. 玉ねぎが透き通ってきたら、ひき肉を入れて色が変わるまで炒める
3. 豆腐を手でほぐしながら2に加え、そぼろ状になるようにヘラを使ってほぐし、お好みでニンニクを入れて全体に絡める
お子さまにニンニクを使いたくない場合には、ここで取り分けてください
4. 具材がひたひたに隠れるくらいの量の水を入れて煮込み、人参が柔らかくなったらカレールーを入れ、ケチャップとソースで味をととのえれば完成
ポイント
豆腐のみで作る場合には、お豆腐を1丁半使ってください。
豆腐は絹でも大丈夫ですが、木綿の方がよりお肉に近い食感に仕上がります。
冷凍豆腐はカレー以外にも応用できます。
ミートソースやハンバーグなどアレンジして使ってみてください。
2. できたてが絶品!簡単「手作り厚揚げ」
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節約食材として人気の厚揚げは、実は自宅で簡単に作れます。
買ってくると1パック100円以上する厚揚げも、安い豆腐を使えば1個30円ほどで手作りできます。
しかも、厚揚げに調理することで、木綿豆腐のまま食べるのに比べてカルシウムは約2倍、鉄分は約4倍にアップします。
豆腐料理に不足しがちな鉄分を調理法を工夫することでグンとアップさせましょう。
材料(4人分・約65円)
木綿豆腐:2丁
揚げ油:適量
醤油または麺つゆ:適量
ネギ・鰹節:適量
お好みで生姜などの薬味:適宜
下準備
・ 豆腐は水気を切り、2丁とも横半分にカットする
キッチンペーパーで包んで耐熱容器にのせ、ラップをせずに600Wの電子レンジで3分加熱する。
染み出た水気を切り、新しいキッチンペーパーを使ってさらによく水気を拭き取る。
作り方
1. フライパンに油を1cmほど入れて熱し、170~180℃になったら豆腐を入れる
豆腐が入りきらない場合には2回に分けて揚げる
2. 焦げ目がついてきたら裏返し、全体がこんがりキツネ色になるまで8~10分ほど揚げる
3. 油を切って器にもり、醤油またはめんつゆと薬味をかければ完成
ポイント
お子さんには、マヨネーズとお好みソースをかけてあげるのもおすすめです。
刻みネギと鰹節をかけることで、ビタミン・ミネラルをプラスしましょう。
お子さんが嫌がる場合には、ごま油で軽く炒めてあげると食べやすくなります。
3. 栄養バランス完璧!「スペイン風オムレツ」
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たんぱく質が豊富な「胸肉」
ビタミンCと食物繊維が豊富な「じゃが芋」
組み合わせることで、それぞれの食材に足りない栄養素を補ってくれます。
忙しい朝は、これ1品でも栄養バランスはバッチリです。
材料(4人分・約220円)
胸肉:150g
卵:4個
じゃが芋:1個
玉ねぎ:1/4個
サラダ油またはオリーブオイル:大さじ1杯
塩・こしょう:少々
ケチャップまたはソース:適量
下準備
・ 玉ねぎはみじん切りにし、じゃが芋は5mm幅のいちょう切りにし、さっと水にさらして水気を切っておく
・ 胸肉は皮を取り除き、火が通りやすいように小さめの薄切りにする
作り方
1. ボウルに卵を割り入れ、塩こしょうを振ってよく混ぜる
2. フライパンを中火にかけ油を入れ、じゃが芋を入れて焼き色が付くまで揚げ焼きにする
3. 2に胸肉を入れ、色が変わるまで焼いたら玉ねぎを加え軽く炒める
4. 1の卵を3のフライパンに流し入れ、フタをして弱火で5分加熱する
5分経ったら火の通り具合を確認し、中心部に火が通るまで追加で加熱する
5. お好みでケチャップかソースをかければ完成
ポイント
野菜に含まれるビタミンCは通常は加熱すると壊れてしまいますが、じゃが芋に含まれるビタミンCは、でんぷんに守られているため加熱しても壊れにくいのが特徴です。
そして食物繊維も含まれている優れものです。
特売を狙えばとても安く手に入るので、節約メニューを作る際は栄養価アップ食材としてフル活用しましょう。
4. 5分で完成!買うより断然おいしい「自家製なめたけ」
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最後のレシピは、エノキダケを使った筆者いち押しのレシピです。
キノコは育ちざかりのお子さんにぜひ食べさせてあげたい食材です。
食物繊維が豊富なことは有名ですが、ウイルスに負けない体を造ったり、骨を強くするために必要なビタミンDが豊富に含まれています。
安い物だと1瓶100円前後で購入できますが、お買い得なエノキダケを買って手作りすれば同じ金額で倍量の「なめため」が完成します。
特売日を狙って安く購入し、ぜひお子さんに食べさせてあげましょう。
材料(4人分・約140円)
エノキダケ:2パック(400g)
醤油:大さじ3杯
みりん:大さじ2杯
あれば和風だしまたは鰹節:適量
作り方
1. エノキダケの根本を切り、1cmほどの長さにカットしてほぐす
2. 鍋に醤油とみりん、お好みで和風だしまたは細かく砕いた鰹節を入れ、煮立ったらエノキダケを加えて混ぜ合わせる
3. 1~2分ほど混ぜ、トロミがでてきたら火を止めて、そのまま置いて味をなじませれば完成
ポイント
半量でも市販品と同じくらいの量が作れます。余った場合には冷蔵庫で3日ほど保存可能です(冷凍保存可)。
和風だしや鰹節を入れると風味が増しますが、なくてもおいしく仕上がります。
晴れた日に半日ほどキノコを天日干しすると、ビタミンDの量が倍以上に増えてうまみも凝縮されるので、お時間がある際にはぜひ試してみてください。
どれも安く簡単に作れるものばかりなので、今日から「節約 × 栄養満点」を意識した食事を作ってみてください。(執筆者:管理栄養士 佐藤 まゆこ)