仕事が終わって帰宅してからの夕飯作りは大変です。
「疲れているのに、誰も助けてくれない…」
「何も考えずに、食事ができないかしら」
そんなふうに考えたことはありませんか。
ここでは管理栄養士の筆者が、その不安や疑問を解決します。
疲れていてもでも節約はできるので、安心してください。

目次
外食は高いし、作るのも嫌なら「中食」
「それでも外食すると高いし、その割に満足度が低いし、時間もかかる…」
となると思い浮かぶのは、テイクアウトやデリバリーなどのいわゆる中食ではないでしょうか。
中食の価格帯は500円~2,000円と幅があり、使い方によっては作るよりは高いけれど、外食よりはずっと安くすみます。
中食のメリットとデメリットを考えてみましょう。
中食のメリット
・楽ができる
・外食より安いことが多い
・栄養のバランスを調整しやすい
中食のデメリット
・自炊よりは高くつく
・多めの塩分、油の質が心配
・万人向けの味付けで飽きる

このように、中食は手間も費用も「外食と自炊の中間」に位置づけられ、一長一短です。
使用頻度や予算などルールを決めて、食事に取り入れられるといいと思います。
簡単ごはんの献立ルール
と決めたのなら、下味調理・下味冷凍を使った一汁一菜をおすすめします。
下味調理&下味冷凍
下味をつけておいた肉や魚を、食べるときに野菜1~2品を切って、一緒に加熱
するだけです。
週末の買い物の片付けのときに、また余裕がある日の夕飯作りのときに作っておくとよいでしょう。
作業は10分もかかりません。
疲れたときのあなたを助けるのは、数日前のあなたです。
作りおきと似ていますが、多くの時間を割かなくてすみますし、冷凍すればもっと長い期間保存できる点で、下味冷凍の方が優れています。
味付け済みなので、作るときには何も考えずにすみます。
一汁一菜
栄養バランスのことを考えると一汁三菜とよくいわれますが、

ポイントはごはんとみそ汁です。
夕食のときに、太るからと炭水化物を抜く人もいますが、これは危険な考えです。
ごはんは脂質が少なく、優秀なエネルギー源です。
夜、寝ている間も体温や体の機能を維持し、疲労回復するのにエネルギーは必要なのです。
また、ごはんを抜いた分おかずが増えてしまえば、脂質をとる比率が上がり脂肪蓄積につながります。
さらに物足りなさからもう1品、デザートでも…となれば食費がアップします。
ダイエットの面でも節約の面でも、夕食にごはんをちゃんと食べることをおすすめします。
みそ汁には、冷蔵庫にある野菜やキノコ、乾燥ワカメなどなんでも入れてしまいましょう。
みそ汁は懐の深い料理なので、たいていのものを美味しく食べることができます。
こうやって具たくさんみそ汁にすることで、品数が少なくても栄養をしっかり摂取できるのです。
下味調理・下味冷凍レシピ
それでは具体的な下味調理・下味冷凍のレシピを紹介します。
冷蔵保存で3日、冷凍保存で1か月をめどに食べてください。
冷凍保存した場合は朝のうちに冷蔵庫へ移し、夜には自然解凍されている状態にしておきましょう。
1. チキンのカレーソテー

材料(2人分)
鶏モモ肉:1枚
★醤油:大さじ1
★みりん:大さじ1
★油:大さじ1
★カレー粉:小さじ1
じゃがいも:1こ
作り方
(1) 鶏モモ肉を1口大に切り、★と一緒に保存袋に入れてもみこみ、冷蔵または冷凍保存する

(2) じゃがいもの皮を向き、1cm幅に切る
(3) フライパンに(2)を並べ、その上に(1)を調味液ごとを広げる。
(4) 水を50cc(分量外)を加え、ふたをして中火で加熱する
(5) じゃがいもと鶏肉に火が通ったら、全体をまぜあわせる
ごはんとみそ汁をつけて、1人分267円でできました。
2. 豚とキャベツのハニーみそ炒め

材料(2人分)
豚こま切れ肉:200g
★はちみつ:大さじ2
★みそ:大さじ2
キャベツ:1/8
作り方
(1) 豚こま切れ肉を★と一緒に保存袋に入れてもみこみ、冷蔵または冷凍保存する

(2) キャベツをざく切りにする
(3) (1)と(2)を炒め合わせる
ごはんとみそ汁をつけて、1人分232円でできました。
3. サバの塩レモン蒸し

材料(2人分)
塩サバ:2切
★レモンスライス:4枚
(レモン果汁大さじ2で代用可)
★油:大さじ2
玉ねぎ:1/2こ
作り方
(1) サバ切身を★と一緒に保存袋に入れ全体をなじませ、冷蔵または冷凍保存する

(2) 玉ねぎを薄くスライスする
(3) フライパンに(2)を広げ、上に(1)を調味液ごとのせる
(4) 水50cc(分量外)を加え、ふたをして中火で加熱する
(5) サバに火が通ったらできあがり
ごはんとみそ汁をつけて、1人分282円でできました。
疲れた夜も節約できる
中食のメリットとデメリット、疲れたときの献立の考え方、下味調理・下味冷凍のレシピをお伝えしました。
節約は長期戦です。
無理なく続けられるスタイルを確立してください。(執筆者:栄養士・管理栄養士 小原 水月)