住宅ローンを組んでマイホームを購入すると、住宅ローン控除によって年末時点における借入残高の1%分の減税を、最大で10年間受けられます。
2019年(令和元年)10月の消費税増税の際には、控除期間を3年伸ばしてもらえる特例措置もスタートしました。
一方で、住宅ローン控除制度や特例措置の利用には条件があります。
しかし日本においても猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大によって、条件を満たせない可能性が出てきたため、新たに弾力化措置が実施されることになりました。

目次
住宅ローン控除や特例措置には入居要件あり
住宅ローン控除の控除期間を10年から13年に延長するためには、
つまり、住宅を新築したり中古住宅をリフォームしたりする場合は、2020年12月31日に入居できるように工事が終わっていなければ、控除期間を伸ばしてもらえません。
また、そもそも住宅ローン控除を利用するには、
そのため中古住宅でリフォーム工事やリノベーション工事を行う場合は、
中古住宅を取得してから半年以内に工事を完了させて、住み始めなければなりません。
コロナの影響で工事遅延、入居が間に合わない
しかし新型コロナによって、新築工事やリフォーム・リノベーション工事に必要な資材や設備の欠品や納品遅延が発生しています。
特にトイレや浴室の部品は中国製を使用していることが多いため、設備を組み立てられず、工期が遅れてしまい、期日までに入居できない可能性が生じているのです。

所定の期日までに契約すれば、入居要件を延長
コロナが原因で入居が遅れる場合、以下の期日までに契約を結んでいると、
【住宅ローン控除の特例措置の入居要件を1年延長できる契約期限】

また、中古住宅をリフォームしたりリノベーションしたりする場合は、以下のどちらか遅い方までに、工事請負契約が結ばれていると、
・ 中古住宅を取得した日から5か月後まで
・ 関連制法案の施行の日(令和2年4月30日)からら2か月後(令和2年6月30日)まで
※関連制法案の施行の日より前に契約が行われていた場合も対象
例えば、2020年11月5日に中古住宅を取得した場合、住宅ローンを利用するには、2021年5月4日までの入居が必要です。
しかし弾力化措置により、このケースでは2021年4月4日までにリフォームやリノベーションの工事契約が結ばれていると、2021年5月4日までに入居できなくても、工事が完了した日から半年以内に居住を始めると住宅ローン控除を利用できます。
住宅の購入は慎重に
弾力化措置があるからといって
と焦ってしまわないように注意しましょう。
住宅の価格は「人生で最も高い買い物」といわれるほど高額です。
そのため住宅を購入するときは、
・ 今度のライフプランに悪影響がないか
なども考え、総合的に判断することが大切です。
マイホームを焦って購入してしまって後悔しないように、さまざまな要素を考慮して慎重に判断しましょう。(執筆者:品木 彰)