新型コロナウィルスの影響によって収入が減少したり、食費が増加したりと、家計が大きな打撃を受けています。
住宅ローンの返済を負担に感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで、対策の1つとして考えられるのが「住宅ローンの見直し」です。
住宅ローンは金額が大きいだけに、金利がわずかに低くなるだけでも返済額に大きな違いが生じてきます。
しかし、他行へ借り換えとなると、現ローンの一括返済や新規借り入れの審査等、煩わしい手続きがあるのが難点です。
そこで、耳寄り情報です。
返済中のローン融資元に交渉をしてみることで、金利引き下げに応じてもらえる場合があるのです。
今回は、住宅ローンの金利交渉を成功させるポイントを解説しましょう。
うまく金利交渉をして、コストも手間も抑えてみませんか。
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目次
融資元に返済予定表の発行を依頼してみる
返済予定表とは、住宅ローンを組んだときに発行される資料の1つです。
資料のなかには、借り入れ条件や今後の返済予定などの内容が記されています。
銀行側に金利引き下げの交渉を持ちかける前に、まずはこの返済予定表が手元にあるか確認してみてください。
手元にないようであれば、現在住宅ローンを組んでいる銀行側に、返済予定表の再発行したい旨を伝えてみるようにしましょう。
実は、この行動が金利交渉の前段階として有効に働く場合があるのです。
返済予定表は住宅ローンの金利シミュレーションを組んでもらう際に必要となる資料だからです。
銀行業界では、住宅ローンの借り換えをされるお客様を遭遇するのは決して珍しいことではありません。
そしてその場合、住宅ローンの融資実行から数年経過後に他行への借り換えを検討するお客様がほとんどです。
返済予定表を紛失してしまい再発行を依頼されるケースもよくある話なのです。
そのため勘のいい銀行員であれば、
ことでしょう。
どの銀行も、できれば自身の銀行にこのままローンを残してもらいたいというのが本音のはずです。
担当者以外の人が受付した場合や、担当者が忙しい場合にはスルーされてしまうこともあるかもしれませんが、そうでなければ
と言えます。
そうなれば、こちら側から交渉を持ちかけずとも、銀行側から交渉を持ちかけてくれることも考えられます。
ただし、銀行にもよりますが返済予定表の再発行には数百円の手数料がかかってしまうのが一般的です。
手元にきちんとあるのにわざわざ再発行をするのはおすすめできません。
参照:住まいのイロハ
借り換えを検討していることをチラつかせる
前述した返済予定表を手元に用意できたら、現在の融資元に金利交渉を持ちかける前に、まずは他行で借り換えのシミュレーションを出してもらうようにしましょう。
次に仮審査に通ったら、「借り換えシミュレーション」の資料を持って融資元である銀行に行きます。
この資料が重要な交渉材料となります。(※仮審査は結果が出るまでに1~2週間程度必要となるため、期間には余裕を持っておくよう注意しましょう。)
金利交渉の切り出し方は、単刀直入に「金利を引き下げてもらえませんか」と伝えてください。
金利交渉に応じてくれなさそうだったり、提示された金利が希望金利に届かなかったりした場合には、持参したシミュレーション資料を提示して、仮審査にも通過している旨を伝えましょう。
このようにすると、銀行側にこちらの本気度を示すことができ、プレッシャーをかけられます。
ただし、事前審査を受けていないのに「他行で〇%の条件を提示されて審査も通った」と嘘をつくのはいけません。
他行であっても提示される金利の目安は把握しているので、「シミュレーション資料はありますか」などと聞かれて見破られる可能性もあります。
そうなると、不信感を抱かれてしまうかもしれません。
交渉のタイミングどきを見極めよう
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金利交渉を円滑に進めるためには、時期を見極めることも大切です。
狙い目の時期は、1~3月と7~9月頃です。
3月と9月は金融機関の決算時期にあたるからです。
銀行では一般的にそれぞれの課に目標が与えられており、住宅ローンの融資も店舗ごとに目標が設定されているケースがほとんどです。
目標に到達するために、この時期に合わせて金利優遇キャンペーンを実施するところも珍しくはありません。
それゆえに、このタイミングで何千万円という融資金額を他行へと流出させてしまうのは、できるだけ阻止したいと考えるはずです。
よって、
と言えるのです。
強引に交渉を持ちかけるとこのような可能性も
金利の引き下げ交渉がうまくいくのは、きちんと返済してくれる人に限られています。
あまりに必死に交渉を持ちかけてしまうと、「金利引き下げを熱望するほど、経済的な余裕がないのかな?」と金融機関側が不審に感じてしまう恐れもあります。
いったん信頼を失ってしまうと、金利引き下げはおろか、他のローンでさえも審査が通りにくい状態になる可能性もあります。
むやみに金利交渉したり強引に押し切ったりするのではなく、銀行側の出方や反応も伺いながら行うことが大切です。
「金利を引き下げないなら他行にする!」と脅し文句のように言うのではなく、
と丁寧な口調で伝えるようにしましょう。
ただし、すべての銀行において金利交渉できるわけではありません。
なかには、借り換えを希望する場合、お客様の意向に沿って無理に引き止めない方針の銀行や店舗もあるのです。
難しいと判断した場合には引き下がる姿勢も求められることでしょう。
こんな人は交渉に応じてもらいにくい
次のような項目に当てはまる人は、金利交渉しても応じてもらえない可能性が高いと言えます。
自身に当てはまるものはないか、事前にしっかりとチェックしておきましょう。
・ スマホやクレジットカード、自動車ローン等の支払い遅れや未払いがある
・ 短期間で転職している
・ 正社員ではない
・ 過去に自己破産した経歴がある
・ 高齢である
家計の負担を軽減したい場合には交渉してみる価値あり
「住宅ローンの金利引き下げ=借り換え」と認識している人も多いと思いますが、交渉次第で現在ローンを組んでいる銀行が金利を引き下げてくれる場合もあります。
「家計が苦しい」、「住宅ローンの負担を少しでも減らしたい」と感じている人は、交渉をしてみるだけの価値はあることでしょう。
ただし、実際に他行へと借り換えするほうがお得になる場合もあります。
借り換えには時間や費用がかかるため、それらも加味したうえで自身にとってどちらが適しているのかを総合的に判断することが大切です。(執筆者:吉村 みき子)