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長期投資を考える
株式投資のスタイルは人それぞれに異なります。
短期投資で一攫千金を狙うのではなく、中長期投資によって安定的なパフォーマンスを目指す人は多いと思います。
なかには、ドルコスト平均法(定期的に定額を投資し、平均取得価格を安定させる手法)を実践するなどして、「数年、数十年かけて年平均で数%の利益が得られればよい」と考えている人もいることでしょう。
言うまでもなく、資産運用は資産を増やすことを目的としており、そのためには損失を避けることが重要です。
この意味において、時間をかけることによってリスクの低減を図ることは有効な戦略と言えます。
しかし、このスタイルにこだわりすぎると効率的な資産運用はできません。
「時間をかけてじっくり取り組もう」
と考えていると、相場に無関心になり、パフォーマンスを高めるチャンスを失う可能性が高いのです。

パフォーマンスを正しく考える
たとえば、
という計画を立てたとします。
税金や手数料などを考慮しなければ、20年後には約1,200万円になっている計算です。
具体的な資産の推移は次の通りです。

このようなスタイルで投資すれば相場に一喜一憂することはなく、ある意味で相場に無関心で投資を続けることができます。
とは言っても、相場には波がありますから、20年間のうち数回は年利5%以上を得られる機会があるものです。
たとえば、5年に1回、10%のリターンを得られるチャンスがあるとすれば、

というように、何もしなかった場合に比べるとより多くのリターンを得られることが分かります。
想定以上のリターンを得られる局面では積極的に売却
資産を増やすという純粋な目的から考えるならば、より多くのリターンを得られたほうが好ましいことは言うまでもありません。
従って、基本的には一定ルールで粛々と投資し続けるとしても、想定以上のリターンを得られる局面では積極的に売却し、パフォーマンス向上に努めることが大切です。
ただし、積極的に売買してリターンを高めていくには、日常的にアンテナを張っておく必要があり、相場に全く無関心でいることはできません。
そのためにおすすめの方法は、グラフと場帖を毎日つけることです。
グラフに前日の終値で1本書き加え、また場帖に前日の終値を記録するだけですから、作業自体は数分もあれば可能です。
相場感を養うことにも役立つので、ぜひ習慣化をおすすめします。
(グラフと場帖の書き方はこちら→https://manetatsu.com/2020/04/240610/)(執筆者:兼山 艮)