住宅を購入するときは、住宅本体の購入代金に加えて諸費用を支払わなければなりません。
住宅購入の際にかかる諸費用の種類は、登記費用や仲介手数料などさまざまです。
特に保証料や事務手数料は、金融機関によって金額が大きく異なります。
では、保証料と事務手数料はそれぞれどのような費用で、金額の違いによってどのような影響があるのか解説します。
目次
住宅ローンの保証料と事務手数料とは

保証料とは、住宅を購入する際に保証会社に支払うお金のことです。
住宅ローンを組む際は、親族や知人を保証人にする必要がない代わりに、保証会社に保証料を支払って保証人になってもらうのが一般的です。
また保証料の支払い方法は、以下のように外枠方式と内枠方式の2種類があります。
・ 内枠方式:住宅ローンの金利に上乗せして支払う
一方で事務手数料とは、住宅ローンを借り入れる金融機関に対して支払う手数料です。
事務手数料は、住宅ローンの借入時に他の諸費用とまとめて支払います。
保証料と事務手数料は金融機関によって違う
大手銀行や地方銀行では、保証料の支払いが必要ですが、事務手数料は3~5万円程度と定額です。
一方でネット銀行は、保証料が不要である代わりに、事務手数料は、借入金額の2.2%程度もしくは数十万円の定額に設定されています。
保証料の金額は、借入額と返済期間によって変わります。
例えば、りそな銀行 で借入金額3,000万円、返済期間35年の住宅ローンを組んだ場合の保証料は、61万8,420円です。
ちなみに、保証料に消費税はかかりません。
りそな銀行の事務手数料は、3万3,000円(税込)ですので、保証料と合わせると65万1,420円(税込)となります。
一方で、ネット銀行である住信SBI銀行の住宅ローンの保証料は0円です。
事務手数料は、融資金額の2.2%ですので、3,000万円を借り入れた場合は、66万円(税込)となります。
両者を比較すると、保証料と事務手数料の合計金額に差はないように感じます。
「保証料と事務手数料の金額が同じなら、より金利の低いネット銀行で借りよう」と選びたいところですが、少しお待ちください。
保証料と事務手数料には、金額以外に大きな違いがあります。
保証料と事務手数料の違い

保証料は、返済期間が短いほど安くなるだけでなく、借り換えや繰り上げ返済をした場合に残りの返済期間に応じた金額を返還されます。
例えば、返済期間が35年の住宅ローンを組み、外枠方式で保証料を支払っていたとしましょう。
もし借入から20年後に、残債を一括で返済した場合は、15年分の保証料が戻ってきます。
一方で事務手数料は、借り換えをしても繰り上げ返済をしても戻ってきません。
また返済期間が何年であろうと、事務手数料の金額は同じです。
ただし金融機関によっては、
・ 繰り上げ返済の仕方次第では、保証料が戻ってこない
こともある点に注意しましょう。
住宅ローンはさまざまな要素を比較して選びましょう
住宅ローンを組む金融機関は、金利や諸費用の安さだけでなく、さまざまな要素を比較して選ぶことが大切です。
2020年現在は、歴史的な低金利です。
金利が低いうちに住宅ローンを組んで元本を減らし、一定年数が経過したら繰り上げ返済をしようと考えている方もいらっしゃるでしょう。
もし将来、繰り上げ返済や借り換えをする可能性がある方は、ネット銀行だけでなく大手銀行や地方銀行の住宅ローンも検討してみてください。 (執筆者:品木 彰)