所得税は国に支払う税金(国税)で、住民税は住んでいる地域に支払う税金(地方税)です。
所得税の申告をすれば、住民税の申告書を別で提出する必要はありません。
しかし所得内容によっては、所得税の申告とは別で住民税の申告をすべきケースもありますのでご注意ください。

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所得税の申告をすれば住民税の申告は原則不要
税務署に所得税の申告書を提出した場合、申告した内容は税務署から各市区町村へデータとして渡されます。
市区町村は税務署から送られてきたデータに基づき、課税する住民税の金額を算出します。
ですから所得税の申告書を提出すれば、住民税の申告手続きを行う必要はありません。
所得金額20万円以下でも住民税の申告は必要
所得税には、給与所得以外の所得が20万円以下であれば、申告不要の規定が存在します。
収入は1つの会社からの給与のみであり、年末調整済であることが条件です。
ただ申告不要の規定は、所得税の法律で定められた内容であり、住民税に「20万円以下は申告不要」の規定はありません。
そのため所得税の申告は不要でも、住民税の申告はしなければいけないケースもあります。
株の売買・配当所得は住民税から除外できる

平成29年4月1日以降、上場株式等の特定配当所得および特定株式等譲渡所得金額については、所得税と住民税で異なる課税方式を選択できるようになりました。
たとえば所得税の申告で株の譲渡所得と配当所得を含めて申告書を提出し、住民税では譲渡所得と配当所得を除いた所得により計算した申告書を提出することも可能です。
所得税と住民税で同じ課税方式を適用する際は、住民税の申告をあらためて提出する必要はありません。
所得税と住民税で違う課税方式を選ぶ場合、住民税の納税通知書が届く日までに住民税の申告書を提出しないと、同一の課税方式が適用されますのでご注意ください。
税金の相談は担当している行政機関に
所得税は税務署、住民税は市区町村が管轄している税金です。
公務員は、管轄外の税金については職員も詳しくありませんので、担当している税金ごとにそれぞれの行政機関へ相談してください。
所得税は、所得の種類や控除内容によって担当部署が異なります。
・ 事業所得や住宅ローン控除は「個人課税部門」
・ 不動産の売却や株式の売却は「資産課税部門」
が担当部門です。
税務署の確定申告期間以外の個別相談は、事前予約制となっているため、今のうちに申告の相談したい方は、電話で相談予約をしてください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)