ZOZOの前社長で前澤友作さんが、Twitterで10万円を毎日10名に配っています。
率直に言って、タダで10万円をもらえれば嬉しいです。
一方で10万円をもらった場合には、所得税などの税金の対象になるか不安になる方もいると思います。
そこで本記事では、10万円のお金配りに当選した場合にどのような税金の対象になるのかを解説します。

目次
タダでもらった財産は贈与税の対象
財産を無償でもらった(贈与を受けた)場合には、贈与税の対象です。
ポイントは、財産をタダでもらっていることです。
労働の対価として支払われる給料や財産を有償で取得した場合には、原則的に贈与税ではなく所得税の課税対象です。
また、競馬で的中した馬券は賭け金を支払っているため、贈与税ではなく一時所得として課税されます。
前澤友作さんのお金配りは前澤さんが自分の財産(お金)をタダで配っていますので、当選した人10万円を受け取った場合には贈与税の対象になると考えられます。
贈与税は年間110万円まで無税
贈与税の対象となる財産を取得しても、全員が贈与税を支払っているわけではありません。
贈与税には基礎控除額が存在し、年間でもらった贈与財産の合計金額が110万円以内であれば贈与税は非課税です。
したがって、10万円をもらっただけでは贈与税を支払う必要はありませんのでご安心ください。
複数の人から贈与を受けた場合は要注意

贈与税は贈与者ごとではなく、受贈者(財産をもらう人)が1年間で受けた贈与財産を合計します。
たとえば、3人の人から50万円もらった場合には年間の贈与金額は150万円になり、110万円の基礎控除額を超えるため、それを差し引いた40万円に対して贈与税が課されます。
そのため、両親や祖父母などから既に110万円分の贈与を受けている状態で10万円をもらうと贈与税の申告と納税手続きが必要です。
なお、贈与税の申告期間は対象年分の翌年2月1日から3月15日と、所得税の確定申告期間よりも半月早くスタートします。
納付期限も申告期限と同じ3月15日ですので、申告書を提出するタイミングで贈与税の支払いも済ませてください。
税務署は贈与事実を簡単に把握できる
税務署にバレなければ、贈与税の申告をしなくてもよいと思われるかもしれません。
しかし、税務署が前澤友作さんに対して税務調査を行えば、誰に対してお金を配ったのかを把握できます。
少額の申告漏れでも、社会的に影響が大きい事案は徹底的に調査するのが税務署です。
税務調査を受ければ時間を拘束されたうえに余計な税金を支払うことになりますので、贈与税の基礎控除額を超えた場合には申告期限内に手続きを済ませましょう。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)