今年の株式市場は波乱万丈でした。
3月にコロナショックがあったかと思えばすぐに戻し、その後は9月に調整が入ると散々言われた日経平均はいまだに下がることを知らずに強気を保っています。
当初は9月に相場調整が入ると見られていましたが、現在は「インフルエンザとコロナウイルスのダブルパンチが来る11月以降に株価調整する」という見方が出ています。
そこで、今回は来るかもしれない冬の調整に備えて、あえて逆境に置かれる銘柄をチェックしてみたいと思います。
目次
なぜ、逆境銘柄をチェックするのか
コロナショックから今まで、相場は完全に順張りでした。
食品スーパー、ホームセンター、ドラッグストアなどが売り上げを拡大させて、株価も大きく値上がりしてきました。
恐らく、そうした順張り銘柄は読者の方もチェックしていると思います。
すでに利益を確定させていたり、これから調整が入って下がったところで買う計画を立てている方も多いです。
そのため、今回はあえての逆張り銘柄を紹介しようと考えます。
コロナ渦で逆張り4銘柄をチェック
また、筆者が逆張りで仕込む際に重視するのが、配当と株主優待なので、逆張り銘柄の中でも株主優待や配当が出るものに絞って紹介します。
ポートフォリオを組むでみてください。
1. ユナイテッドアローズ (7606)

富裕層~中間層向けにセレクトショップを展開するユナイテッドアローズです。
新型コロナウイルスによる外出自粛の影響で売上は大幅減となっています。
しかし、賃借対照表を見ると財政状況は健全です。また、在庫の効率管理を強化するなど利益重視の体制へと改革を進めています。
LINEによる接客などサービス拡大を新たに始めるなど、これからの回復に期待が寄せられます。
株式指標
【PBR】1.2倍
【ROE】9.2%
株主優待
3月31日を権利確定日として、15%割引の優待券をもらえます。
100株以上:2枚
200株以上:4枚
2. 東祥 (8920)

東祥は、スポーツクラブ事業として「ホリデイスポーツクラブ」を運営しています。
地方から都市部にも出店して事業拡大中です。ホテルや賃貸住宅なども経営しています。
コロナ渦でスポーツクラブの営業休止、ホテルの利用客も減りました。今後は客足がどう戻るかに注目です。
株式指標
【PBR】1.4倍
【ROE】18%
株主優待
3月30日を権利確定日として、運営する各施設で利用できる優待券、もしくはクオカードをもらえます。
100株以上999株まで:4枚
1,000株以上:8枚
3. 日本プラスト (7291)

樹脂とエアバックなどが主力の自動車部品の大手です。コロナ渦で中国と国内で生産激減しましたが、中国圏が回復してきています。
株主優待のクオカードは廃止しましたが、配当は維持しています。
筆者に「逆境だけどこの企業を応援したい」と思わせた最大の要因が、役員報酬を9か月にわたって20%自主返納を決めた点です。
今後の回復に期待と応援したい気持ちも込めています。
株式指標
【PBR】0.25倍
【ROE】6.8%
【配当利回り】4.66%
4. ハイレックスコーポレーション (7279)

あまり聞いたことがないという方も多いかと思いますが、自動車用コントロールケーブルの世界最大手企業です。
コロナの影響で自動車メーカーの生産が落ち込んでいるため、出荷が減り、中国向けが回復するも最終赤字です。
新工場でBMW用のドアモジュールを生産、さらにインドでの生産増強などで黒字化が期待されます。
株式指標
【PBR】0.28倍
【ROE】2.1%
【配当利回り】2.8%
逆境銘柄を買う際の注意点
今回紹介した4つの企業は、新型コロナウイルスの影響を受けて現在逆境に立たされています。
逆張りは値下がりしている銘柄のリバウンドを狙って仕込むものですが、資金を一気に投入しないように気を付けましょう。
時間も資金も分散して投資することで、リスクを抑えられます。また、投資の世界には「しまった、は手仕舞い」という格言があります。
前述の銘柄に限ったことではありませんが、株を仕込んでから「新たに悪いニュースが出た」、「予想より業績が悪そう」というような時には損切する勇気も大切です。
そうした点まで踏まえて、紹介した4つの銘柄をチェックしてみてください。(執筆者:元証券ウーマン 成瀬 なぎさ)