エノキタケ(以下、エノキ)は節約食材の代表格です。
スーパーでは山積みにされていて、とりあえず、とカゴに入れる人も多いと思います。
そのエノキについて、
「買ったはいいけどすぐに黄色っぽくなって困る」
「エノキ料理ってパッとしない」
などと思っていませんか。
ここでは管理栄養士の筆者がこれらの困りごとにお答えします。
なお、文中の食材の価格は筆者が作った際に実際にかかったものです。

目次
エノキの栄養と価格
エノキの栄養には、食物繊維が挙げられます。
食物繊維を十分にとることは腸内環境の改善につながると意識している人もいると思います。
日本人の食事摂取基準(2020年度版)によると、疾病予防の観点から食物繊維の1日の摂取目標量は18~64歳の成人男性で21g、女性で18gとされています。
食物繊維と言うと一般的にサツマイモやセロリなどを思い浮かべる人もいると思いますが、エノキはそれらを上回る食物繊維を含んでいます。
100g中の食物繊維含有量
100g中の食物繊維含有量は次の通りです。
エノキ:3.9g
サツマイモ:2.8g
セロリ:1.5g
参照:文部科学省
さらに価格を比べてみましょう。筆者がスーパーで見たものは次のような価格設定でした。
100gあたりの価格
エノキ:50円
サツマイモ:55円
セロリ:135円
エノキは食物繊維をとるのに非常にコスパのよい食材だということが分かります。
エノキの選び方と保存方法
鮮度のよいエノキを選ぶとおいしいだけではなく、ムダを出すリスクを減らせます。
鮮度のよいもを選んで、正しく保存することで日持ちします。
鮮度の良いエノキの選び方
スーパーではすべて同じように見えるかもしれませんが、少し鮮度に意識を向けて選んでみてください。
・ 軸が太くハリがある
・ 背丈がそろっている
・ 袋の中に水滴がついていない
エノキの保存方法
買ってすぐに使い切るのが理想ですが、そうはいかないことが多々あります。
なるべく長くおいしく食べるために冷蔵、冷凍それぞれの保存方法を紹介します。
冷蔵
石づきを落として保存容器に移す、もしくはラップでぴっちりとくるんで冷蔵保存します。
保存目安:1週間
冷凍
石づきを落として使いやすい長さに切ってから、保存用袋に入れて冷凍保存します。
冷凍庫に入れて1時間程度たったら、一度取り出してほぐし、再度冷凍庫に入れると塊にならずに使いやすい状態になります。
保存目安:1か月
エノキの簡単おすすめレシピ
脇役になる傾向にあるエノキですが、今回はエノキが主役のおすすめレシピを紹介します。
エノキのおいしさを再発見できますので、ぜひ挑戦してください。
1. エノキの塩ナムル

材料(2~3人分・145円)
エノキ:1袋(93円)
〇ごま油:大さじ1杯(13円)
〇塩:小さじ2/3杯(1円)
〇にんにくチューブ:2cm(8円)
★炒りごま:大さじ2杯(28円)
★しょう油:小さじ1杯(2円)
下準備
エノキの石づきを落とし、半分の長さに切りほぐす
作り方
Step 1. エノキを耐熱容器に入れ、〇を入れて混ぜる
Step 2. ふんわりとラップをして電子レンジで600Wで2分加熱する
Step 3. ★を入れてさらに混ぜれば完成
2. 焼きエノキ

材料(2人分100円)
エノキ:1袋(93円)
油:大さじ1杯(7円)
〇レモン果汁:適量
〇麺つゆ:適量
〇七味唐辛子:適量
下準備
エノキの石づきを落として、ほぐす
作り方
Step 1. フライパンにエノキを入れて油をふりかけ、中火で両面にしっかり焼き色がつくまで焼く
Step 2. 食べる直前に〇をかけて完成
3. エノキとカイワレのみそ汁

材料(4人分130円)
エノキ:1袋(93円)
貝割菜:1/2パック(25円)
だし汁:700cc(11円)
みそ:大さじ3~4杯(12円)
下準備
エノキの石づきを落とし、3等分に切りほぐす
貝割菜の根を落とし、半分の長さに切る
作り方
Step 1. 鍋にだし汁とエノキを入れ強火にかける
Step 2. 沸騰したら中火にして貝割菜を入れる
Step 3. さらにひと煮立ちしたら火を止めてみそを溶いたら完成
エノキで節約と健康を両立
今回使ったエノキは石づきを落とすと約180gでした。エノキは食物繊維の量から見るとコスパの良い食材です。
おいしく鮮度の良いエノキの見分け方、保存法、簡単レシピを知ることで食費節約に役立ててください。
節約は長期戦です。エノキを献立に取り入れて、節約と健康を両立してください。(執筆者:栄養士、管理栄養士 小原 水月)