数年前、筆者の親族が相続した土地が売れ、売買契約の付き添いをしたことがあります。
地方の小さな市の市街地でもない土地が安価とは言え売れたのを、少し不思議に思いましたが
と聞き、さほど広くない土地でもそのような事業ができるのかと感心したものです。

目次
投資1:使わない土地で事業を展開
相続により土地を取得したものの、遠方のうえ住宅地として売れるような場所でもなくただ荒れるに任せておくしかない場合、解決法の1つとして
という事業投資があります。
太陽光発電の設置や電力の買取を行っている業者は多く、周りに太陽光を遮るもののない平地であることなどの一定の条件を満たせば設置が可能です。
また、休耕したまま荒れてしまった農地の活用にもひと役買います。
農地の転用許可にはなかなか厳しい条件が課せられることも多いのですが、農林水産省が再生可能エネルギー発電設備を設置するための農地転用許可ガイドラインを作っていることなどもあり、自治体によっては手続きの軽減が認められています。
10kW以上の産業用発電システムであれば全量を買い取ってもらえて、固定買取制度により20年間売電収入が得られます。
高利回り率をうたう宣伝も多く見られます。
もちろん「投資」ですからリスクはつきものです。
太陽光発電への投資のリスクをあげてみます。
リスク1:初期費用がかかる
産業用発電システムの場合で1kW20万円~35万円ほどかかり、だいたい回収に9~10年と言われています。
アパート建築に比べればかなり安いですがそれなりに初期費用は必要です。
リスク2:売電価格の下落
2020年度の買取価格は10~50kW未満で13円/kWh(税抜き)となっており、前年度より1円下がっています。
2012年の固定買取制度開始時は40円/kWhだったことを見ると、先行きが不安であることは否めません。
もっともその分、初期費用も安くなってきてはいます。
リスク3:メンテナンス費用が不透明
多くの業者は年間一定費用で管理やメンテナンスのサービスを行っていますが、どの程度までカバーしてくれるか確認が必要です。
特に近年台風や豪雨などの大規模災害が増えており、自前の保険加入が必須と言われるようになっていますが、保険料の高額化などについてまだ先行きは不透明という不安要素があります。

投資2:環境関連ビジネスへの投資
太陽光発電に関する投資方法の2つ目は、環境関連銘柄への投資信託です。
ここのところ複数の証券会社の案内を見る機会があったのですが、各社いち押しといった印象を受けました。
SDGs(持続可能な開発目標)による経済効果は、国際的にも関連ファンドの資産、関連企業数の右肩上がりの数字に顕著に表れています。
比較的新しいビジネスゆえ伸びしろがあり、株価も上がっています。
太陽光発電事業はそれらビジネスの重要な1つであり、投資にはうってつけというところでしょう。
投資信託のリスクについて十分承知した上での検討をおすすめします。
今後の伸びしろについては賛否両論
ネットなどでは太陽光発電投資について
「いいえ、まだまだこれから」
の両意見がせめぎ合っています。
もし使用予定はないが売却するには難しい土地がある場合には、選択肢として1度調べてみてはいかがでしょう。 (執筆者:行政書士 橋本 玲子)