家計相談を受ける際、意外と見落としがちなのが「保険」の部分です。
という方も多いですが、保険が家計を圧迫していたり、無駄な保険に入っていてそれこそ無駄遣いになっていたりすることも多いです。
今回は保険を見直す時のポイントを3つに絞って解説します。

目次
【ポイント1】不要な保険に入っていないか確認
「保険会社に勤めている友人の付き合いで加入した」と話すAさんは同じような医療保険に何種類も加入していました。
もともと日本は医療保障が手厚い国です。
病院にかかった時の負担する金額は3割です。(残りの7割は国が支払っています)
高額療養制度という制度を利用すれば、毎月一定額以上の医療機関での支払いがあった場合、超えた分を支給してもらえます。
公的医療保険の対象外になる項目は「個室での入院を希望した時の差額ベッド代」「交通費」「先進医療の技術料」くらいです。
加えて、先進医療を受けられるかどうかは受診する病院によって違います。
そもそも、保険が適用外になるほどの先進医療を受ける確率は低いといえます。
Aさんは医療保険を1つに絞り、どうしても気になる所だけ特約でカバーし自分でも管理、確認がしやすいように変更しました。
専業主婦の方が生命保険に入っている
Bさんの保険料で高くなっていたのは生命保険でした。
よくいらっしゃるのが「独身時代、親を受取人にして生命保険に加入。結婚後は受取人を夫に変更して継続する」というパターンです。
基本的に、家計を支えていない方であれば生命保険の加入は不要です。
また中には「生命保険なの? 個人年金の保険だと思っていた」と保険の内容を間違って覚えている方もいらっしゃいます。
もちろん、中には貯蓄型の保険と生命保険を兼ねて契約している方もいらっしゃいますが、貯蓄型の保険の支払いが家計を圧迫しては本末転倒です。
Bさんには払済保険へ変更し保障はそのままで保険料を負担しないようにすることをおすすめしました。
定期的に見直して「その保険はどんな保障内容だったか」と確認するのを忘れないようにしましょう。

【ポイント2】公的な保障を確認して保険料を決めよう
Cさんは「自分に万が一のことがあった時、専業主婦の妻と2人の子どもが心配で」と生命保険に入っていましたが、生命保険の金額が高額でそれに伴い保険料も高額となっていました。
まずは万が一の時は公的な保障がいくら出るのかなども考えてから生命保険に加入しましょう。
夫、もしくは妻が会社員で月額の給与が35万円ほど、子どもが2人いる場合は遺族年金が月に14.9万円受け取れます。
参照:日本年金機構
また、ひとり親であれば医療機関の受診は無料です。
国民健康保険の保険料が軽減、もしくは免除してもらえます。
加えて「児童扶養手当」「児童手当」「児童育成手当」「住宅手当」といった制度が利用できます。
一般的に、生命保険は「子どもが独立するまでの万が一の備え」という考え方です。
公的な保障も確認して、どのくらいの保障が適当なのか確認しておきましょう。
Cさんは生命保険の年数と金額を見直すようお伝えしました。
【ポイント3】保障と貯蓄は分けて考えよう
貯蓄型の保険は保険料が高くなりがちです。
また、戻ってくる保険料も実際に払い込んだ金額と比べると少ない(返礼率が低い)という場合もあります。
貯蓄型の保険で家計が圧迫されている場合は、保険料の安い掛け捨て型に変えて差額を「積立NISA」や「iDeCo」または国債や社債といった運用商品にするのもいいでしょう。
保険は保障を買うもの、預貯金などで備えているなら不要
基本的に保険は十分な預貯金と公的保険があれば、あれもこれもと加入する必要はありません。
また1度入った保険をそのまま放っておくのは危険です。
内容を自部自身でも間違って覚えているケースがひじょうに多いためです。
将来起こるかわからない事故に備えて今家計が圧迫されているのでは本末転倒になってしまいます。
「何となく安心かなと思って加入している」という保険があれば、それは本当に必要なものか確認してみてください。(執筆者:元証券ウーマン 成瀬 なぎさ)