「将来のために」
「子どもの大学進学費用に」
貯蓄をしたいと思っていても、思うように貯められない人も多いのではないでしょうか。
今回は、効率よく貯蓄をするための方法について、くわしくお話しましょう。
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目次
貯蓄をするために必要なことは、何よりも「意識改革」である
まず、貯蓄に対する考え方を整理しましょう。
「生活費の余った分を貯める」ことを貯蓄だと思っている人は、多いでしょう。
もしも、そのために使いすぎないように自制しているという人がいたら、その考えをまるごと捨ててください。
貯蓄とは、「余った分が貯まること」ではないからです。
「貯蓄」という出費項目を作ることが大切
貯蓄とは、「貯蓄」という出費です。
生活費の固定費として、「貯蓄〇万円」という項目を追加しましょう。
給与などの収入を得たら、まず先にこの「貯蓄」出費をおこないます。
「余った分」ではなく、真っ先に取り除いておくのです。
先取り貯蓄した分は「最初からなかったもの」と考えます。
あとは、残金をやりくりして生活していきましょう。
目標額は月単位で計算する
目標額は、月額に直しておきます。
例えば、「5年で300万円」の場合は、月々5万円ずつということになります。
「3年くらいで100万円」貯めたい場合は、3年なら月々2万8,000円、2年半なら3万4,000円を貯蓄すれば達成します。
目標が大きな金額のままだと「どうせ貯められない」と感じてしまいます。
しかし月額に換算すれば「このくらいならできる」と思えるのではないでしょうか。
目標額はないけれど貯蓄しておきたいという場合は「月々いくら」としておきましょう。
毎月1万円ずつ貯蓄をすれば、1年で12万円、5年で60万円も貯まります。
収入とのバランスを見て、現実的な金額を考えることも必要です。
効率よく貯蓄するために必要なポイントは次の3つ
効率よく「先取り貯蓄」するためには、3つのコツがあります。
1. 強制的に
金額を決めたら、毎月必ず「貯蓄へ出費」することが大切です。
今月は貯蓄を休もうかなど、その時々に選択の余地があると、結局「余った分を貯蓄する」のと同じ結果につながります。
考える間もなく貯蓄へ回るような、強制的なシステムが適しています。
2. 自動的に
「貯蓄をしよう」と意志を固めていても、忙しい日々を送っているとついうっかり「し忘れる」ということもあります。
忘れずにおこなうためには、自動的に貯蓄できる方法がいいでしょう。
3. 見えないところに
目標額に達する前につい使ってしまうことを避けるためには、貯蓄していることを忘れることがいちばんです。
「いくら貯まっているのか」と楽しみにするのはかまいませんが、普段は気にならないような「見えないところ」に貯めることが大切です。
3つのポイントを満たす貯蓄方法を紹介
「強制的・自動的・見えないところ」に貯蓄できる具体的な方法を紹介します。
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自動積立・入金サービス
「自動積立サービス」は、普通口座内の資金を貯蓄用の口座に移動させてくれるサービスです。
移動先は定期預金口座や貯蓄専用口座などで、普通預金よりも高い利率で貯めることができます。
「自動入金サービス」は、銀行や郵便局など他の金融機関口座にある資金を、ネット証券の口座に移動させるサービスです。
ネット証券の中には、条件を満たすことで、銀行の普通口座より利率が高くなるものもあります。
どちらのサービスも「金額」や「実行日」を自由に設定できます。
1度設定したら、あとは「強制的・自動的・見えないところに」先取り貯蓄してくれるというわけです。
生命保険・個人年金保険
10年後、15年後に貯まっていることを目指すのなら、毎月定額の保険料が自動的に引き落とされる「貯蓄保険」を検討してはどうでしょうか。
さらに長期間、将来の老後に備える目的ならば、個人年金保険や終身保険なども選択肢に入るでしょう。
生命保険の貯蓄保険は、昔に比べると増えなくなりました。
しかしながら、銀行の普通口座よりは高金利です。
また、一般的に固定金利が多いため、契約時に「何年後にいくらになるか」が明確になっているというメリットがあります。
通常は元本保証されていますが、保障付きのものは保障分の保険料がかかるため、加入年齢や期間によっては元本割れする可能性もあります。
目的に合ったものを選びましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
長期投資で老後資金形成を考えている場合は、iDeCoを利用するのも有効な手段です。
iDeCoは、投資商品の運用成果を将来の年金額に上乗せするという任意の私的年金制度です。
積立金の全額が所得税控除対象で、運用利益が非課税になり、受取時にも税制優遇があるため、大きな節税効果が得られます。
原則、60歳まで資金を引き出すことができないため、「強制的・自動的・見えないところ」に確実に積み立てていくことが可能です。
ただし、元本保証はありません。
投資のリスクを十分に理解したうえで、おこなうことが大切です。
参照:iDeCo公式サイト
NISA・つみたてNISA
株式や投資信託の運用で資産形成をおこないたいが、老後より前に使いたい場合は、NISA制度がおすすめです。
NISAでは、毎年一定金額の非課税投資枠が設定され、枠内での投資で得た利益については税金がかかりません。
非課税枠は、「NISA:毎年120万円・5年間」「つみたてNISA:毎年40万円・20年間」とそれぞれ異なり、短期~長期投資まで目的に合わせて利用できます。
ただし、iDeCoと同様に投資リスクを十分に理解し、元本保証がないことを承知したうえでおこないましょう。
参照:金融庁
いつの間にか貯まっている生活を目指して
貯蓄は、初期設定が重要です。
貯めたい金額と期間を決めて、貯蓄方法を選んだら、「設定」あるいは「契約」などをおこないます。
あとは、毎月「強制的・自動的・見えないところ」に積み立てられていくのを待つだけです。
目標を達成するまでは手をつけないことが鉄則です。
しかしながら、緊急用資金だけは、すぐに現金化ができるように銀行口座などを利用しましょう。
効率のよい先取り貯蓄で、いつの間にか貯まっている生活を目指してみませんか。(執筆者:仲村 希)