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元税務署職員が本気で考えた「脱税手段」 現金は見つかりにくいが落とし穴も

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元税務署職員が本気で考えた「脱税手段」 現金は見つかりにくいが落とし穴も

脱税は絶対にやってはいけません。

税務署から指摘を受ければ、重加算税として税金を余分に支払ったり、逮捕される可能性もあります。

ただ一方で、「税務署職員自身が脱税行為をするなら税務調査を回避できるのでは?」と疑問に思うかもしれません。

そこで本記事では、元税務署職員の筆者が本気で脱税を試みようとした場合、どのような対策を講じるのかをご紹介します。

※本記事は脱税を推奨するものではありません。

元税務署職員が 本気で脱税するなら

脱税は他人に話した時点でOUT

税金を申告していなかったり、SNSで不正な方法により税金逃れしている発言をしている人も見かけます。

しかし正直に申し上げると、本気で脱税するなら情報を外部に漏らすことは「私は脱税してます」と宣言していると同じで、あり得ない行為です。

税務署は銀行などを調べられる権限があるので、些細な脱税の手掛かりを見つければ、情報の真偽を簡単に確かめられます。

また他人の口に戸は立てられないと言うように、どんなに身近な人であったとしても、情報が外に漏れた時点で拡散する方向へ向かいます。

情報が広がれば税務署に見つかる可能性も上がるため、本気で脱税するのであれば家族に対しても話すことはNG行為です。

現金は見つかりにくい財産

税務署は金融機関を調査できる関係上、入出金の履歴をたどっていけば申告していない売上を見つけられます

税務調査を回避できる金融機関として、プライベートバンクが注目された時期もありました

ただプライベートバンクでも税務調査は受けますし、顧客の個人情報を守る観点から顧客情報を提供しないことで有名なスイスのプライベートバンクですら、現在では条件がそろえば情報開示に応じるようになっています

したがって公の機関に財産を預けている段階で、国税組織に財産が見つかる可能性はあり、結局は昔からよく知られている現金での保管が一番見つかりにくい財産だったりします。

もっとも現金が見つかりにくいといっても、売上除外の事実が確認されれば脱税の指摘を受けますので、資金源が見つかればOUTです。

法律上の抜け道を利用する

富裕層が利用する方法として、法律上の抜け道を利用した節税(脱税)方法があります。

たとえば所得税の場合、日本の居住者か否かで課税される金額は大きく変わり、日本に住んでいる人が得た所得は国内外問わず所得税の対象です

一方で、日本に住んでいない人(非居住者)については、日本国内で得た所得だけが所得税の課税対象です。

海外居住者は住んでいる国で所得税を支払いますが、居住地がタックスヘイブンなど税率が低い場所であれば、納める税金はグッと少なくなります。

法律上の規定に基づいて税金を少なくする方法は合法的な行為であり、実践しても問題ありません。

ただ法律の解釈によって税務署と意見が対立した場合、こちらが合法だと思っていても、税務署は違法行為として脱税を摘発する可能性もあります。

裁判に勝てば合法とみなされますが、万が一負ければ脱税行為として余分に支払いますので、国際的な節税は専門知識と相応のリスクが伴います

100%脱税できる方法は世の中に流れるはずがない

完璧な脱税はできない

元税務署職員の筆者でも、100%見つからない脱税を行うことは不可能です。

もし絶対に脱税できる方法があったとしても、世の中にその情報が流れることはありません。

なぜなら脱税方法が発覚した段階で国は対策として法律を改正し、脱税の抜け道を塞ごうとするからです。

最近ではマイナンバーの活用で、国税組織が情報を把握しやすい環境を整えており、将来的には不動産登記とマイナンバーが連携することも十分予想されます。

いずれにしても脱税行為はハイリスクなので、結局は適切に申告するのが1番コスパがいい節税方法だったりします。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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