最近は、参列者の人数を最小限におさえた小さな葬儀が増えています。
今回は、意外と知られています一般葬以外の「小さな葬儀」についてお話しします。
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目次
今主流になりつつある「小さい葬儀」の種類と内容
「小さな葬儀」は、大きく分けて3種類あります。
(1) 直葬
1番小さな葬儀は直葬です。
直葬とは、通夜や告別式を行わず火葬場で見送るだけになります。
少し前までは、経済的な問題で葬儀ができない場合のやむを得ない手段というイメージがありました。
最近は高齢で友人や親族がすでにいない人や本人の希望により直葬を行うことが増えています。
直葬は参列者が5人程度で費用は25万円程度です。
(2) 家族葬
参列者が20人程度ならば家族葬があります。
家族葬は名前の通り家族を中心にして行う葬儀です。
一般葬のように僧侶を中心としなければならないということもなく、僧侶を呼ばずにアットホームな雰囲気で行うこともできます。
費用は70万円程度が相場ですが、内容によっては相場よりも高くなったり低くなったりします。
(3) 一日葬
参列者が50人程度ならば一日葬があります。
一日葬は、1日で葬儀と告別式と火葬を行います。
費用は80万円程度が相場です。
参列者が高齢者ばかりだったり2日間のスケジュール確保が難しかったりする場合に選ばれる方法です。
また、直葬に抵抗がある場合に選ばれることもあります。
いずれの方法も一般葬の相場数百万円と比べれば費用はかなり抑えることができます。
お金は葬儀社次第 小さい葬儀の葬儀社選び
小さい葬儀であっても葬儀社は必要です。
葬儀社といえばテレビコマーシャルにでてくるような大きな会社をイメージしますが、葬儀ができる葬儀社の種類は大きく分けて4つあります。
1番知られているのは葬儀専門業者でしょう。
大規模の一般葬のほとんどは葬儀専門業者を利用しています。
互助会は、会員が助け合う仕組みの組織です。
会員は、毎月掛け金を支払い冠婚葬祭の費用にします。
生きているうちから葬儀の費用を積み立てることができるため、万が一の時でも大きなお金を用意する心配はいりません。
生協(生活協同組合)は、組合員を対象としています。
料金やサービス内容がわかりやすいメリットがあります。
実際の葬儀は、提携している葬儀社や互助会が行います。
同じようにJA(農業協同組合)も提携している葬儀社に委託や紹介を行っています。
最近はネット通販型の葬儀もあります。
ネット通販型は店舗がないため、費用は安い傾向があります。
最近は、ほとんどの葬儀社で小さい葬儀も請け負っています。
とくにネット通販型は菩提寺をもっていない人でも利用しやすいため需要が増えているようです。
聞きづらい「誰が払う」葬儀の細かいお金
小さい葬儀は、大きい一般葬のように「お金はまとめて払う」というわけにはいかない部分もあります。
例えば、大きな一般葬は葬儀場を借りて葬儀をしますが、小さい葬儀は自宅で行うこともあります。
その場合は、受付や会計、接待を近隣の人にお願いするかもしれません。
お手伝いしてくれた方には、精進落しのあとに1人3,000円から5,000円をお礼として渡します。
最近は菩提寺を持たない人も増えています。
直葬で葬儀社が僧侶を手配してくれたときには、お礼として3万円程度を僧侶に渡すようにしましょう。
お礼の額は地方によって変わります。
金額については葬儀社にハッキリと聞いてもかまいません。
たくさんのお礼が包めないときにも事前に葬儀社にその旨を伝えておきましょう。
また、遠方から来てくれた人には宿泊先を手配します。
宿泊代は喪主が負担します。
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小さい葬儀で気をつけたいこと
小さい葬儀を行うときには気をつけたいことがあります。
1番多いトラブルは、遺族の食い違いです。
小さな葬儀は、希望する人もいれば反対する人もいます。
とくに小さな葬儀は「故人を大切に思っていない」と感じる人もいるでしょう。
葬儀は、見送る人も見送られる人も納得できる方法で行うことが1番大切です。
小さい葬儀のメリットとデメリットを話し合い、みんなが納得できる方法を選ぶようにしましょう。
小さい葬儀を集合住宅で行うときには事前に確認しておくことがあります。
まず、葬儀を行うことができるかを管理会社や管理組合に聞いてみましょう。
葬儀ができない規約になっている可能性もあります。
また、エレベーターに棺が乗るかの確認も必要です。
直葬は、遺族だけで行えると思っている人がいますが葬儀社は必要です。
火葬場によっては葬儀社を経由しなければ受けつけないところもあります。
直葬には寝台車・遺影・棺などが必要です。
すべてを素人が用意し手続きすることは難しいでしょう。
心が温かくなる葬儀を
最近は寿命が長くなり、葬儀をするときには故人と社会とのつながりが薄くなっていて参列者の数は少なくなりつつあります。
昔のように葬儀に莫大なお金を使う人は減っていくでしょう。
葬儀はお金をかければいい葬儀になるわけではありません。
お金をかけないから悪くなるわけでもありません。
小さくても心が温かくなる葬儀を探してみてはいかがでしょうか。(執筆者:クリエイティブな節約家 式部 順子)