毎日暑い日が続き、汗ふきタオルを使う場面も多いと思いますが、この夏オススメしたいのが手ぬぐいです。
手ぬぐいと聞くと、若い人よりもご年配向けのイメージが強いかもしれません。
でも、実は今の手ぬぐいはデザインも豊富で若い世代でも気軽に使えるアイテムなんです。
手ぬぐいは鎌倉時代には庶民に普及していたと言われています。
歌舞伎役者、力士、落語家が、名前を入れた手ぬぐいを名刺代わりに配ったことから、汗や水を拭う以外の用途としても広まっていきました。
日常生活だけでなく、旅行、アウトドア、スポーツと、使い勝手がとても良いです。
タオルの普及に伴い使われる場面が減りましたが、日本らしさを表現できることから、海外へのお土産需要が高まり、人気が再燃しつつあります。
現在では、本来の使用用途だけではなく、タペストリー、カバーやポーチなどのハンドメイド品、ご祝儀袋やギフトラッピングなど、さまざまな方法で活用されています。
目次
100均で見つけた手ぬぐい
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以前は専門店で買う物でしたが、現在は100均でも購入することができます。
専門店との違いを理解した上で、うまく活用していただければと思います。
使い方
基本的には、汗を拭いたり、手や顔を洗った後の水を拭ったりするのに使います。
その他にも、手拭き、台拭き、食器拭き、掃除、物入れや鏡の目隠し、ブックカバー、スカーフ、被って帽子代わりなど、使い方は多岐に渡ります。
手ぬぐいは丈夫で、繰り返し洗って使うことができます。
ここ1~2年は綿100%の手ぬぐいや端切れを使い、布マスクを手作りする人が増えました。
柄を選ぶことができる点、不織布マスクとの重ね付け需要から、今後も規模は広がりそうです。
手ぬぐいと言えば、温泉をイメージする人も多いのではないでしょうか。
体を隠す、洗う、拭く、髪をまとめるなど、多目的に使うことができます。
薄手で水切れが良く乾きやすいので、温泉との相性はバッチリです。
使う前は水で洗って、余分な糊を落としましょう。
この作業を経ることで、生地が柔らかくなり、それ以上色落ちしにくくなります。
素材
綿100%
綿から作った糸を平織りし、色や柄を付けたものが一般的です。
平織りだけではなく、ガーゼ生地の手ぬぐいも登場しています。
100均と専門店の差
100均の手ぬぐいと専門店の手ぬぐいとは、触り心地が大きく異なります。
その違いはどこからきているかというと、染め方が大きく関わっています。
専門店は捺染、注染など、さまざまな技法を使って染めています。
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緻密な線はあまり得意ではなく、にじみや濃淡による繊細な色の表現が得意です。
細めの糸を使っているので、柔らかな触り心地を実現しています。
肌に直接当たる使い方、汗をかくスポーツにも向いています。
注染という技法を使うと、裏面もしっかり染まるので、両面楽しめるのがポイントです。
のれんなど、両面で使う用途の場合は、注染の手ぬぐいを選びましょう。
手作業が入ることから、価格は1枚1,000円前後とお高めですが、贈答用にはこちらがオススメです。
それに対して、100均の手ぬぐいのほとんどは「顔料プリント」と呼ばれる機械製。
大量生産できるので、コストを大幅に下げることが可能です。
太めの糸を使っており、布の上に顔料をのせてプリントするので、触り心地は硬めです。
ゴワゴワだと感じる方もいるでしょう。(こちらのパリッとした硬めの手触りが好きな人もいるので、好みによります)
吸水性が多少落ちてしまうので、スポーツの使用には不向きかもしれません。
また、うっすら裏にも透けはしますが、基本的には片面プリントです。
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ハリがある生地であることを逆手に取って、何かを包んだり、飾ったり、リメイクに使用する程度なら、こちらで問題ないと思います。
何より、1枚100円という破格の安さが最大のメリット。専門店の1/10です。
100均の手ぬぐいは端が処理されている(ほつれないよう縫われている)ので、リメイクに利用する際に手間がかからず、時短につながります。
注染に比べて線の幅を1~2mm細くできるので、細かい表現にも向いています。
ハッキリとした輪郭の再現ができ、動物やキャラクターとの相性が良いので、100均に合った生産手法と言えるでしょう。
100円で豊富なデザインがそろっていますので、手ぬぐい入門にはピッタリです。
使い心地、デザイン、価格。それぞれにメリット、デメリットがあります。
どちらを利用するかは、使う側の用途に合わせて選ぶと良いでしょう。
サイズ
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手ぬぐいの一般的なサイズは90 × 35cm。
100均の手ぬぐいは90~95 × 33~35cmで展開されています。
ダイソーにはミニてぬぐいがあり、45 × 45cmとお弁当にもピッタリなミニサイズ。
こちらは犬、猫柄があり、お弁当を包むとかわいい顔が見えるようになっています。
手ぬぐいは贈った後も再利用できる、環境に優しいラッピング用品として見直されています。
価格
100均:100円(税込み110円)
専門店:1,000~2,000円(税込み1,100~2,200円)
柄
ダイソーでも毎年人気の柄が登場します。
今年はタイダイ柄が新しく追加されました。
手ぬぐい売り場は季節ごとに新商品が追加されるのですが、最も充実するのは夏です。
夏野菜、風鈴、金魚、マリン、レモンやオレンジなどの柑橘系、ボタニカル系が並びます。
通年置いてある日本柄(相撲、寿司、浮世絵、忍者など)は海外人気が強い商品です。
犬、猫、シロクマ、パンダ、ハリネズミ、フラミンゴなどのアニマル柄は通年人気があります。
専門店では、楽器や星座、誕生日、縁起物、季節の花、お祝い柄なども多数あります。
ギフトを包むラッピングとしてさりげなく使うことで、粋な演出ができるのではないでしょうか。
筆者は手ぬぐいを購入後、しばらくはタペストリーとして壁に掛けて楽しんでいます。
花見、こどもの日、七夕、花火、お月見、紅葉、クリスマス、正月、ひなまつりなど。
部屋を華やかに彩り、存在感があって季節感をプラスできるので気に入っています。
立体オブジェほど場所を取らず、管理は畳んでしまうだけ。かなりの省スペースです。
ダイソーでは「手ぬぐい飾り棒」(税込み110円)もあり、手軽に飾ることができます。
メリット
・ 吸水性が良く、汗を吸う
・ 水切れが良く、洗った後すぐに乾くので、衛生面でも雑菌がたまりにくい
・ 使うほど柔らかくなり、肌になじんでいく
・ 薄くて軽くてコンパクト
・ インテリアとして使える
・ 簡単に形を自由に変えられる(裂く、結ぶ、巻く、折る、畳む)
・ 多目的に使うことができる(手拭き、台拭き、食器拭き、掃除、被り物、髪結い、入浴、止血、熱冷まし、小物入れ、のれん、当て布など)
・ 100円からと安い
・ 端の処理がしてある100均の手ぬぐいはリメイクに使いやすい
裂く、巻く、結ぶと自由なので、緊急時の止血、腕の固定、包帯代わりに使えます。
手を拭くだけでなく、マスク、防寒、目隠し、小物入れなど、さまざまな形で活用できます。
防災グッズとして避難用具に入れておくと、多用途で使えるのでオススメです。
デメリット
・ 柔らかさ:タオルはふかふか、手ぬぐいはしっとりとした柔らかさです。
・ 吸水性:手ぬぐいも水を吸いますが、吸水スピードはタオルの方が早いです。
・ 100均の手ぬぐいは顔料プリントが多いので、触り心地は硬めです。
・ 100均の手ぬぐいは色落ち注意。
濃い色は特に、しっかり水洗いしてから使いましょう。
結び方
ここでは紹介しきれないほど、手ぬぐいにはたくさんの結び方があります。
独学でも自由に結ぶことはできますが、正しい結び方はほどきやすく、見た目も奇麗です。
文章だと分かりにくいですが、ネットなら写真や動画で詳しい解説を見ることができます。
自分の使う用途に合わせて、新しい結び方を学んでみてください。
・ 真結び
・ お弁当包み
・ ティッシュボックス包み
・ ブックカバー
・ ペットボトル包み
・ 瓶包み
・ 缶包み
・ プレゼントラッピング
・ ご祝儀袋
・ あずま袋
使用上の注意
初めて洗う時は色落ちする可能性があるので、最初は白物と分けて洗いましょう。
直射日光に当て続けると色褪せるのが早くなってしまう可能性があります。
奇麗な状態を長く保ちたい方は、洗濯後は陰干ししましょう。
もちろん、ガシガシ使う人は気にせず使ってOKです。
端が切りっぱなしになっているのは、その方が早く乾いて清潔に保てるからです。
洗濯するうちにほつれはおさまってきますが、気になるほつれはハサミで切ってOKです。(100均の手ぬぐいはほつれないように端が処理されているものがほとんどです)
自分らしい活用方法で楽しもう
100均と専門店、どちらもメリット、デメリットがあります。
人によって重視する点が異なるので、自分がしたい使い方に合わせて探しましょう。
ただ汗や水を拭うだけではなく、さまざまな使い道がある手ぬぐい。
皆さんも、自分らしい活用方法で楽しんでみてください。(執筆者:山城 奈々)