洗濯機は家電の中でも使用年数も長く、価格も高い大物です。
買い替えを考えるとき、縦型かドラム式か悩むこともあるのではないでしょうか。
水道代と電気代にフォーカスして、メリット・デメリットを考えてみましょう。
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目次
まずは縦型洗濯機、ドラム式洗濯機の大きな違いをチェック
縦型洗濯機とドラム式洗濯機の違いを知ることは、満足いく買い替えへの第1歩です。
どちらにもメリット・デメリットは存在し、自分の生活に合ったものを選ぶことが大切です。
縦型洗濯機の主な特徴
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・ 洗濯槽の底のパルセーターを回転させて衣類同士をこすり洗いする
・ こすり洗いが得意なので、泥汚れなどに効果的
・ 価格は容量10kgタイプでも10万円台のものが多く、同程度のドラム式洗濯機よりも価格を抑えられる
縦型洗濯機は、洗濯槽の形状によって、衣類をこすり洗いすることでしっかりと汚れを落としてくれます。
ドラム式よりも価格は抑えられる上に、大きさも比較的コンパクトなものが主流です。
衣類乾燥は、
・ 冷却水を使って湿気を含んだ温風を除湿する「水冷除湿タイプ」のヒーター乾燥と、
・ 空気中に湿気を排出して乾燥させる「排出タイプ」のヒーター乾燥
があり、どちらも高温の温風を当てて衣類を乾燥させます。
ドライヤーで衣類を乾かすのに近いので衣類が傷みやすく、電気代のコストが高くなります。
参照:パナソニック 洗濯機・衣類乾燥機 ドラム式と縦型 乾燥機能の違い
ドラム式洗濯機の主な特徴
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・ 洗濯槽が斜めまたは横向きについていて、少ない水量で洗濯ができる。
・ 洗濯槽を小まめに揺らして汚れを落とす「もみ洗い」と、洗濯槽を回転させて衣類を落としながら洗う「たたき洗い」がある。
・ 同じスペックの縦型洗濯機よりも価格が高くなり、本体も大きくなる。
ドラム式洗濯機の大きな特徴は少ない水量で洗濯ができること、衣類の乾燥に強いことです。
汚れが落ちにくいと思われがちなドラム式洗濯機ですが、実は少ない水量で洗える分洗剤の濃度が高く、皮脂汚れに効果的と言われています。
乾燥機能に特化している機種も多く、「水冷除湿タイプ」のヒーター乾燥に加え、湿気を含んだ空気を除湿し機外に排水しながら乾いた風で乾燥ができる「ヒートポンプ乾燥」や、ヒーターで加熱した室温プラス約15℃の低温風で乾燥させる排気タイプの「低温風パワフル乾燥」があります。
ヒートポンプ乾燥も低温風パワフル乾燥も、温度が高温になりすぎず、衣類が傷みにくいといわれています。
特にヒートポンプは効率よく熱交換することで、より電気代を抑えられます。
縦型洗濯機、ドラム式洗濯機の水道代の違い
縦型洗濯機とドラム式洗濯機を、水道代という観点で見てみます。
縦型洗濯機の水道代
標準的な容量10kgタイプの縦型洗濯機の場合、1回の洗濯で必要な水量は110リットルほどとされています。
東京都水道局によると、1リットルあたり0.24円ですので、1回の水道代は26.4円です。
水冷除湿タイプの乾燥を行う場合は冷却水が必要になるので、洗濯のみで使用するよりも20リットルほど使用量が増え、水道代は31.2円になります。
ドラム式洗濯機の水道代
ドラム式洗濯機の場合、洗濯槽が斜めや横向きについているので、少ない水量で洗うことが可能です。
標準的な容量11kgタイプのドラム式洗濯機では必要な水量は78リットルほどで、水道代は18.72円です。
乾燥にかかる水量は55リットルほどになるので、13.2円です。
1か月間の水道代を比較
縦型洗濯機とドラム式洗濯機の、1か月間の水道代の目安を比較すると以下です。
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水道代は洗濯のみ、乾燥のみでもドラム式洗濯機のほうが安くなることがわかりました。
縦型洗濯機、ドラム式洗濯機の電気代の違い
では、電気代ではどうでしょうか。
縦型洗濯機の電気代
洗濯のみで行った場合、1回の洗濯で1.62円電気代がかかります。
乾燥まで行う場合は61.83円と乾燥により多くの電気代がかかります。
ドラム式洗濯機の電気代
洗濯のみで行った場合、1回の洗濯でかかる電気代は約1.83円、乾燥まで行う場合は24.03円です。
さらに省エネモードで行うと16.74円と、より電気代が安くなります。
1か月間の電気代を比較
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電気代は縦型とドラム式洗濯機で大きく変わりました。
特に乾燥を行う場合、省エネモードを使わなくても縦型洗濯機よりかなり安くなります。
参照:LOOP電気 洗濯機の電気代と水道代は1回あたりいくら?賢い選び方のコツ!
どこを重要視するかによって洗濯機の選び方は変わる
縦型洗濯機の本体価格が安くお得に見えますが、乾燥機能をフルに使いたいという場合はドラム式洗濯機のほうがコストメリットは大きいです。
乾燥機能を使って、洗濯にかかる能力をコストダウンさせたいなら、本体価格を考慮してもドラム式洗濯機のほうがお得になることもあります。
乾燥機能をあまり使わない、泥汚れなどを落としたいという場合は縦型洗濯機のほうが能力的にピッタリといえます。
縦型洗濯機、ドラム式洗濯機のコストメリットを検討しながら、ライフスタイルに合ったものを探してみてください。(執筆者:松田 潔子)