株式市場は日々変動しています。
時には大きく変動する時もありますが、その時の状況を値動きの数値だけで判断するのは難しいでしょう。
また、株式市場は多くの参加者で成り立っています。
一人一人の感情を把握するのは無理ですが、市場全体のおおよその感情を把握する指数があります。
少しでも冷静に判断するために知っておきましょう。
目次
VIX指数(恐怖指数)とは?
VIX指数とは、シカゴ・オプション取引所が作り出した「ボラティリティ・インデックス」の略称です。
S&P500を対象とするオプション取引の値動きを元に算出しており、投資家心理(不安)を数値として示しています。
別名、恐怖指数とも言われています。
インターネット上で「VIX指数」と検索することで、その時のVIX指数が随時確認できます。
VIX指数の数値の見方は次の通りです。
この数値は、数値が高くなればなるほど、将来の変動幅が大きくなると予想している投資家が多いことを意味しています。
なお、世界の中で大きな出来事が発生するとすぐに3~5%、時には10%など急上昇することもあります。
経済・政治を中心に株価を動かす大きな出来事があった場合は、毎日、確認する必要もあります。
過去には、パニック状態の40を超える出来事が何度も発生しています。
下記に一部(当時の最高値)を抜粋しています。
・1990年8月:イラク軍クウェート侵攻 36.47
・1997年10月:アジア通貨危機 48.64
・2001年9月:アメリカ同時多発テロ 49.35
・2002年7月:エンロン不正会計事件 48.46
・2008年10月:リーマンショック 89.53
・2015年8月:中国経済失速懸念 53.29
・2018年2月 アメリカ景気悪化懸念 50.3
・2020年3月 コロナショック 85.47(引用元:Wikipedia)
昨年3月の株価急落時はリーマンショック並みの市場の混乱だったことが分かります。
また、新型コロナウイルスの感染拡大前まではVIX指数は20以下でしたが、約1か月で80を超える数値になっています。
なお、このVIX指数ですが、暴落時にはVIX指数が急上昇しますが、暴落の動きが止まると株価が下落しているままでも数値が下落していくこともありますので、注意が必要です。
国内は日経平均VIでチェック
日経平均VI(日経平均ボラティリティー・インデックス)は、日経平均株価の将来1か月間の変動の大きさを表す数値で、日経225オプション価格を用いて算出されています。
日本経済新聞社が算出・公表しています。
日経平均株価が急落する時には、この日経平均VIの数値は上昇する特徴があります。
VIX指数と同じような特徴があると言えます。
なお、国内株式においても海外投資家の東京証券取引所第一部の取引割合は約7割を占めています。
したがって、VIX指数が大幅に上昇することで国内株式にも大きな影響を及ぼすことが多いですので、国内株式のみの取引をされている方もVIX指数は確認しておきましょう。
株式指標とともにVIX指数も確認を!
1年間の中でほとんどの期間のVIX指数は10~20の範囲内で動いています。
ただし、1年間の中で何回かは、世界の中で経済・政治を中心に株価を動かす大きな出来事があります。
どうしても、日経平均株価やNYダウなど株式指標に注目が行きがちです。
しかし今は「平穏」なのか、それとも風雲急を告げる可能性があるのか、をVIX指数や日経VIなどで数値とともにその数値の上昇率(または下落率)を確認して、冷静に取引するための参考にしてください。(執筆者:CFP、FP技能士1級 岡田 佳久)