2025年10月からふるさと納税におけるポイント付与が全面的に禁止されることに対し、利用者の意見が大きく分かれていることが、「はじめてのふるさと納税※」が実施した全国調査で明らかになりました。
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調査によると、ポイント付与禁止に「反対」と答えた人は52.8%と過半数を占め、「賛成」は9.1%にとどまり、「どちらでもない」は38.1%でした。これはポイント還元がふるさと納税の魅力の一つとして多くの利用者に定着していたことを示しています。
背景情報
ふるさと納税は、寄附者が自治体に寄附を行うことで地域の特産品などを受け取れる制度です。近年は楽天ポイントなどの買い物ポイントを付与する仕組みが普及し、返礼品とポイントの二重のメリットが利用者に支持されてきました。しかし総務省は、制度本来の趣旨である地域支援から逸脱し、自治体間の不公平感や財源圧迫の問題があるとして、ポイント付与を禁止する方針を決定しました。
多岐にわたる経済効果
ふるさと納税は1兆円を超える巨大市場に成長し、地方の中小企業や関連事業者にとって重要な収益源となっています。特に日本産・日本製品を扱う事業者にとっては販路拡大の機会であり、自治体の事務代行業者やECサイト運営会社など多くの周辺産業にも経済的恩恵をもたらしています。
制度改正の影響
今回の制度改正で最も影響を受けるのは寄附者であり、従来享受していたポイント還元がなくなることで実質的なメリットが減少します。
一方でポータルサイト事業者は販促コストが減るため収益性が向上する可能性もあります。
調査結果と今後について
調査結果からは、制度改正後に利用者の寄附行動や傾向に変化が生じることが予想されます。
例えば、毎年12月に集中する寄附が、ポイント禁止前の9月に駆け込み寄附として増加する可能性があります。また、ポイントを軸とした差別化が難しくなるため、ポータルサイトは品揃えや納期など別の切り口が今後重要なポイントとなるでしょう。
さらに、Amazonのふるさと納税参入により寄附金額の価格競争が激化する可能性も指摘されています。従来は一定の寄附金額が保たれていましたが、低価格の商品が登場することで市場の変化が予想されます。
今後はポイントがなくても「この地域を応援したい」と思える返礼品や寄附金の使い道を明確に示すことが、自治体やポータルサイトに求められると推測されます。制度の意義をわかりやすく伝え、利用者の納得感を高める取り組みが重要となるでしょう。
調査概要
調査エリア:全国
調査主体:「はじめてのふるさと納税」
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:20代~70代以上の男女(計1,009名)
調査期間:2025年7月16日~7月30日
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計が100とはならない場合があります。

調査情報 出典:「はじめてのふるさと納税」(関連リンク参照)