三井住友カードは、同社が保有する決済データに基づき、訪日外国人のクレジットカード消費動向を時系列、決済地域別、国・地域別、業種別に整理・分析したレポートを公表しました。
インバウンド消費は2025年も拡大
2025年のインバウンド消費額は、コロナ禍後期にあたる2023年から約1.9倍となり、2024年比でも約20%増と堅調に拡大しました。
歴史的な円安に加え、4月から10月にかけて開催された大阪・関西万博が押し上げ要因となっています。
月別では桜の4月や紅葉の10月が好調で、旧正月(春節)が2025年は2025年1月29日(水)に前倒しとなった影響で、1月の決済額も前年を大きく上回りました。
地方部で伸長、近畿が牽引
決済地域別では、ボリュームは関東・近畿が大きい一方、成長率は四国・中国・東北が高く、ゴールデンルートから地方部への消費拡大が進みました。
国際線の増便、キャッシュレス普及、SNS発信などが背景とされ、愛媛県、山形県、岡山県では地域ならではの飲食消費が好調でした。
関東と近畿の比較では、近畿の成長率が関東の約2倍で、東京・千葉は高水準で安定、大阪は万博やキャッシュレスの広がり、宿泊・レジャーの増加を受けて顕著な伸びを示しました。

訪日客の多様化とコト消費の加速
国・地域別では、円安を背景にアメリカ、オーストラリアのシェアが伸長。一方で上位10か国・地域の合算シェアは2024年比で5.6ポイント低下し、依存度が下がりました。
ドイツやカナダなど欧米の決済額が増え、2025年4月の大阪・関西万博開幕以降に多様化が加速しています。


業種別では、飲食やテーマパークなどのコト消費が好調で、香港、タイ、フィリピンでは日本食への関心が高まりました。
対照的に、免税店や貴金属・時計は減少傾向で、上位10か国・地域で顕著でした。
訪日リピーターの拡大に伴い、高額なモノ消費から体験重視のコト消費へのシフトが進んでいると分析できます。

見通し
同社は、インバウンド消費は伸びの鈍化はあるものの成長過程にあり、2030年の政府目標である訪日客6,000万人・消費額15兆円の達成に向け拡大が続くとみています。
訪問先は都市部から地方部へ広がり、地域固有の食・文化を核に高付加価値な体験需要が拡大する見通しです。
注意事項
本レポートは個人情報保護法等を順守し、個人・店舗が特定されないよう適切に加工・統計化したデータで実施。分析は2025年11月末までの、海外発行のVisa、Mastercard、銀聯のクレジットカードによる同社加盟店の決済データを対象とし、業種区分は同社分類となっています。
また、三井住友カードの保有データに限定した分析であり、実態と乖離する可能性や資料上の考察が同社独自の想定見解である点は理解する必要があります。







