※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事お金の価値観診断を更新「旅行・レジャーのお金のかけ方診断」2026年7月

お盆の実家整理で借金の明細を発見。相続放棄「3か月」の期限に注意

税金 相続・贈与
お盆の実家整理で借金の明細を発見。相続放棄「3か月」の期限に注意
お盆の実家整理で借金の明細を発見。相続放棄「3か月」の期限に注意

お盆に親族が集まり、亡くなった親の相続手続きについて話し合う家庭もあるでしょう。預貯金や不動産だけを確認して安心していても、実家から借入明細や未払いの請求書が見つかることがあります。相続放棄や限定承認は原則3か月以内の手続きが必要です。財産を動かす前に、期限と注意点を確認しましょう。

相続の3つの方法と、その分かれ道

親が亡くなったあとの相続では、財産の受け継ぎ方に3つの選択肢があります。1つ目は単純承認で、預金や不動産といったプラスの財産も、借金や未払金といったマイナスの財産も、すべてそのまま引き継ぐ方法です。2つ目は相続放棄で、プラスもマイナスも一切引き継ぎません。3つ目は限定承認で、相続によって得た財産の限度でのみ被相続人の債務と遺贈を弁済する方法です(民法第922条)。

借金の額がはっきりしないときや、財産が残る可能性もあるときには、限定承認が選択肢になります。相続放棄は各相続人が単独で選べますが、限定承認は相続人が複数いる場合、全員が共同してしなければできません(民法第923条)。この違いは早い段階で押さえておきたいところです。

まず知りたい、相続放棄・限定承認の期限

相続放棄と限定承認には、明確な期限があります。相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述しなければなりません。この3か月の期間を定めるのが民法第915条第1項で、この期間を「熟慮期間」といいます。なお、家庭裁判所への申述の手続そのものは、相続放棄が民法第938条、限定承認が民法第924条に定められています。特に限定承認は、この3か月の期間内に相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければなりません(民法第924条)。

起算点は「亡くなった日」ではなく、「自己のために相続の開始があったことを知った時」です。疎遠だった親族の相続では、亡くなったこと自体を後から知ることもあります。

気をつけたいのが、この期間内に何もしなかった場合です。期間が伸長されないまま、相続放棄も限定承認もせずに熟慮期間が過ぎると、単純承認をしたものとみなされます(民法第915条第1項・第921条第2号)。借金があっても、そのまま引き継ぐことになります。

財産や借金の全体像を3か月で把握しきれないこともあります。熟慮期間内に相続財産の状況を調査しても、なお承認や放棄を決められない場合は、期間が過ぎる前に家庭裁判所へ「相続の承認又は放棄の期間の伸長」を申し立てることで、家庭裁判所が熟慮期間を伸長することがあります(民法第915条第1項ただし書き)。迷ったら、期間の伸長を申し立てることも検討しましょう。

「法定単純承認」とみなされる行為

期限内であっても、相続人が一定の行為をすると、単純承認を選んだものとみなされます。これを「法定単純承認」といいます(民法第921条)。相続放棄や限定承認を考えているなら、特に注意が必要です。

みなされる代表例が、相続財産の全部または一部を「処分」する行為です(同条第1号)。

ただし、条文には例外が定められています。「保存行為」や、民法第602条に定める期間を超えない賃貸は、この処分から除かれます(民法第921条第1号ただし書き)。ここを取り違えると、必要な管理までためらってしまうため、原則と例外はセットで押さえておきましょう。

さらに、限定承認や相続放棄をした後であっても、相続財産を隠したり、ひそかに使い込んだり、わざと財産目録に載せなかったりすると、法定単純承認とみなされます(同条第3号)。ただし、放棄によって相続人となった人が相続を承認した後は除かれます。手続きを終えた後も、財産の扱いには誠実さが求められます。

単純承認とみなされないケース

一方で、財産に関わっても単純承認とみなされない行為もあります。判断に迷いやすいところなので、代表的なものを整理します。

民法第921条第1号ただし書きが定める「保存行為」や、民法第602条に定める期間を超えない賃貸は、相続財産の処分から除かれます。具体的な行為が保存行為にあたるかは、個別に確認が必要です。

いったん選んだ承認・放棄は、やり直せない

相続放棄・限定承認・単純承認は、いったん選ぶと、熟慮期間内であっても撤回できません(民法第919条第1項)。「やはり放棄をやめたい」と後から思っても、原則としてやり直しはできない仕組みです。

ただし、これとは別に、民法の総則編・親族編の規定による承認または放棄の取消し(錯誤や詐欺、強迫などを理由とするもの)までは妨げられません。この取消権は、追認できる時から6か月間行使しないとき、または承認や放棄の時から10年を経過したときは、時効で消滅します。限定承認または相続放棄を取り消す場合は、その旨を家庭裁判所へ申述する必要があります(同条第2項~第4項)。

いずれも認められる場面は限られ、証拠や法的な判断が必要です。少しでも思い当たることがあれば、早めに専門家へ相談するのが安全です。

手をつける前に、一呼吸おく

相続の方法は、単純承認・限定承認・相続放棄の3つです。相続放棄と限定承認には、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月という期限があり、期間が伸長されないまま何もしなければ単純承認とみなされます。そして、保存行為などの例外を除き、相続財産を処分すると、放棄や限定承認の道が閉ざされてしまいます。まずは財産と借金の全体像を確かめ、判断がつかないときは期間の伸長を申し立てることもできます。迷ったら処分する前に、家庭裁判所や専門家に相談し、順番に進めていきましょう。

《編集部》
この記事は役に立ちましたか?
+0
編集部

執筆者: 編集部 編集部

読者の皆様のマネースキルアップにつながる情報をお送りしていきます。 リリース窓口:contact@manetatsu.com 運営会社:株式会社イード

今、あなたにおススメの記事

編集部おすすめの記事