
毎月きちんと返済しているのに、「残高がほとんど減っていない」そんな経験はありませんか。夏休みや帰省で出費が増え、気づけばリボ払いの残高が積み上がっている人も少なくありません。リボ払いは毎月の支払いを一定にできる反面、手数料が積み重なりやすく、支払額の多くが手数料に回ってしまうことがあります。それでも、一括返済や繰り上げ返済を使えば、支払総額を減らせる可能性があります。
リボ払いとは。毎月一定額を支払う仕組み
リボ払いは、クレジットカードの支払方式の1つです。利用した金額や回数にかかわらず、あらかじめ決めた「支払残高」に応じて毎月の支払額が決まり、その中には元金の返済分と手数料が含まれます。クレジットカードの支払方法には、ほかにも翌月にまとめて払う1回払いや、回数を決めて払う分割払い、ボーナス時期に払うボーナス払いなどがあります。利用時に選べる範囲は、カード会社・販売会社・利用するカードによって異なります。
リボ払いと向き合うときは、進む順番を先に決めておくと整理しやすくなります。まず仕組みと手数料の性質を押さえ、次に支払残高を一括返済できるかを確かめ、難しければ繰り上げ返済や毎月の支払額の見直しで負担を軽くする、という順です。以下、この流れに沿って見ていきます。
リボ払いには、大きく2つの方式があります。定額方式は、支払残高が増えても毎月の支払額が変わらない代わりに、残高が残るほど支払期間が延びていきます。残高スライド方式は、支払残高の大きさに応じて毎月の支払額が段階的に変わる方式で、たとえば残高が10万円以下なら毎月1万円、10万円を超えて20万円以下なら2万円というように、カード会社ごとに段階が決められています。
どちらの方式になるかは、カード会社ごとにあらかじめ決まっていることが多く、利用者が自由に選べるとは限りません。申し込みの段階で、自分のカードがどちらの方式かを確認しておくと安心です。似た支払い方に分割払いがありますが、分割払いが支払回数を決めてその回数で完済するのに対し、リボ払いは支払残高がある限り支払いが続く点が異なります。新しい買い物を重ねるほど支払残高が増え、支払期間はさらに延びていきます。
手数料がかさみ、元金が減りにくい仕組み
リボ払いでいちばん気をつけたいのが手数料です。手数料は支払残高に手数料率をかけて計算され、残高を持っている期間に応じてかかります。この手数料率は実質年率で示されます。たとえば公式ページ上でも、カード会社やカードの種類によって8%台~18%程度まで幅があり、実際の率は会員規約や会員ページで確認が必要です。
気になるのは、毎月支払っているのに残高がなかなか減らない、という状況ではないでしょうか。毎月の支払額には元金と手数料の両方が含まれるため、支払額を小さく設定していると、そのうち手数料の占める割合が大きくなり、元金部分が思うように減りません。さらに新しい買い物を重ねると支払残高が増え、支払期間が延びて、手数料の総額もふくらんでいきます。
とくに定額方式は、残高が増えても毎月の支払額が一定のため、使っている実感がわきにくく、気づかないうちに残高が膨らみがちです。国民生活センターも、リボ専用カードや自動リボの設定で意図せずリボ払いになっている例があるとして、利用明細をこまめに確認するよう呼びかけています。まずは毎月の明細で、支払残高と手数料がいくらになっているかを確かめておきましょう。
リボ払いは一括返済できる。手順と注意点
ここまで見てきた手数料の負担を大きく減らせるのが、一括返済です。日本クレジット協会も、支払残高の全部を支払えばリボ払いを終わらせられる、と案内しています。一括返済には主に3つの利点があります。返済した残高については以後の手数料を止められ、支払総額を抑えやすいこと、毎月の支払いという負担から解放されて気持ちが軽くなること、そしてカード会社側で支払いが反映された後に利用可能枠が戻り、いざというときに使いやすくなることです。
ここで具体的な進め方を見ておきましょう。まず、いま返済に充てられる資金と、一括返済に必要な金額を確かめます。必要な金額は、支払残高にその時点までの手数料を加えた額になります。
多くのカード会社では、一括返済にあたって電話や会員向けのWEBサイト・アプリからの申し込みが必要です。返済方法は、登録した口座からの引き落としや、指定口座への振り込み、ATMでの支払いなどがあり、アプリや会員ページから手続きできる場合もあります。振り込みでは振込手数料がかかることもあり、受付の方法や手順はカード会社によって異なるため、詳しくは会員ページや窓口で確認しておくと確実です。
注意したいのが、一括返済をしても、返済日(支払い日)までに発生した手数料はなくならないという点です。手数料の計算方法はカード会社によって異なり、日割りで計算する会社もあれば、締め日時点の残高に実質年率をかけて計算する会社もあります。また、一度にまとまった資金が出ていくぶん、手持ちの現金は一時的に減ります。生活費まで削って無理に返済すると、かえってカード利用が増えてしまいかねないので、一括返済はあくまで資金に余裕がある範囲で行いましょう。
一括返済が難しいときに、負担を軽くする方法
一括返済できるだけの資金がすぐには用意できない、という場合もあるでしょう。それでも、負担を軽くする方法はあります。代表的なのが、繰り上げ返済と、毎月の支払額を増やす方法です。
繰り上げ返済は、毎月の支払いとは別に、まとまった額を前倒しで支払う方法です。一括返済のように手数料を一度になくすことはできませんが、支払残高が減るぶん、支払期間を短くして手数料を節約できます。毎月の支払額そのものを引き上げておくのも有効で、元金が早く減り、手数料の総額を抑えられます。3つの方法を整理すると、次のとおりです。

どの方法をとるにしても、大切なのは支払いを一人で抱え込まないことです。支払いが立ち行かなくなりそうなときは、早めに相談します。相談先には、契約している各カード会社の窓口のほか、無料でカウンセリングを受けられる日本クレジットカウンセリング協会や、お住まいの地域の消費生活センターがあります。状況を整理し、無理のない返済の道筋を一緒に考えてもらえます。
まず残高を確かめ、返せる方法から動く
リボ払いは毎月の支払いを一定に保てる一方で、手数料が積み重なり、元金が減りにくい弱さがあります。負担を軽くする第一歩は、いまの支払残高と手数料を正しく知ることです。そのうえで、余裕があれば一括返済、難しければ繰り上げ返済や支払額の見直しと、無理のない方法から手をつけましょう。ひとりで抱えず、迷ったら早めに相談することが、支払いの長期化を防ぐ近道です。


