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NISAをきっかけに投資の原点を考えましょう

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NISAをきっかけに投資の原点を考えましょう

 10月に入り、金融機関ではNISA(少額投資非課税制度)の正式な受け付けも始まりました。投資経験のない方も、NISAをきっかけに株式投資を始める方がいらっしゃると思います。再び投資ブームがやってきそうな予感もしますが、問題は投資した後です。

株式投資は余裕資金でするのが鉄則

 これまで投資ブームは何度もありましたが、その後しばらくして株価が急落すると「株をやらなければよかった」といった声が聞こえてきます。そのたびにいつも思うのです。なぜ「株をやる」というのでしょうか。「貯金をやる」とか「預金をやる」など聞いたことがありません。

 貯金はするもので株はやるもの、何気なく使い分けている言葉に、株式投資に対するうしろめたさが漂っているのを感じます。いまだに「株に手を出す」のような言い方もされ、その後には「やけどする」が見え隠れします。確かに短期間で儲けようとするとギャンブル性が強くなります。

 しかし、株式投資は一か八かのギャンブルではありません。これまでも長期的なスパンで見れば投資価値の高い銘柄が上昇しています。

 とはいえ、株式投資はハイリスク・ハイリターンなので、余裕資金で投資することが鉄則です。株式市場は短期間でかなり大きな動きをすることがあります。余裕のないお金で投資をしていると、株価が思いどおりに動かなかったときに心のゆとりも失ってしまい、判断をあせって失敗しがちです。

 余裕といえば、お金だけでなく時間の余裕も必要でしょう。仕事が忙しいときに相場が急変して落ち着かなくなり、仕事も投資も中途半端になったり、最悪どちらも失ったりでは元も子もありません。余裕度は投資する人の性格や生活環境などによっても異なりますが、株の売買の判断は、そのときの心理状態によって大きく左右されます。

 今すぐに使う予定のお金ではないにしても、いずれ住宅購入を予定しているお金であったり、将来の教育資金であったりすると、株価が大きく下落したときに自分では冷静を装っているつもりでも、どこか微妙に狂いが生じてしまうことがあります。

 値下がりした株をそのまま持ち続けるにしても損を覚悟で思い切って売るにしても、「このお金は元々なかったものだから」と悠然と構えるくらいの余裕は持ちたいものです。

NISAを気にするあまり大切なものを見失わないように

 また、NISAの非課税期間など制度そのものを気にするあまり、売却の機会を逃してしまっては何のために投資したのかとなってしまいます。

 投資した銘柄が今後どうなるのかを考え、まだまだ下がりそう、あるいは投資期間内に値上がりが期待できないのであれば、思い切って売却して他の銘柄に乗り換えるか、いったん休むことが大切です。

 根拠がないのにまだ上がると思い込んだり、NISAの非課税期間が残っているからもったいといった自分の損益状況など現在の株式市場の動向とは関係ないものにこだわったりしていると相場の見通しを誤ってしまいます。

 最後に、私がセミナー等でお伝えしている「投資心得12の法則」を紹介します。これから投資を始められる方、投資が上手くいかない方も一度原点に返って参考にしていただけると幸いです。

≪投資心得12の法則≫

(1)長期投資と短期売買は口座を分けること
(2)損益管理をきちんとすること
(3)むやみに資金を注ぎ込まないこと
(4)長期投資はポートフォリオのバランス重視
(5)テーマに乗るなら業界の一番手を
(6)二番手以降の銘柄は短期勝負
(7)買い損なった銘柄を追いかけないこと
(8)売りを考える時は買値にこだわらないこと
(9)成功や失敗を引きずらないこと
(10)一瞬のひらめきは効果あり
(11)意味のない売買は慎むべし
(12)理解できないものには手を出さないこと

(執筆者:高橋 政実)

《高橋 政実》
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高橋 政実

株式会社すばるFPサポート 代表取締役 東洋大学文学部を卒業後、SMBCフレンド証券勤務を経て2000年1月に高橋FP事務所を開業。2007年4月に株式会社すばるFPサポートを設立、代表取締役に就任。公的機関・金融機関・マスコミ・投資クラブなどの主催によるセミナー、資格学校・大学等で金融系資格取得講座、企業研修などの講師のほか、書籍・雑誌・WEBサイト等での執筆活動、コンサルティングなどを精力的に行っている。2013年7月、高橋行政書士事務所を開業。 <保有資格>:証券アナリスト、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、行政書士、証券外務員一種、会員内部管理責任者、国内旅行業務取扱管理者、簿記2級、DCプランナー2級 寄稿者にメッセージを送る

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