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人気の老人ホームは100人待ち

世間には数多くの入所施設がありますが比較的費用が安いといわれている特別養護老人ホームは人気が高く、予約人数も「100人待ち」という声を聞いたことがあるかもしれません。
他にも数多くの施設がありますが、外観だけではどれも同じような内容に見えてしまって、どのような人がどの施設を利用するのがよいのかがわかりにくいですよね。
今回は、使い方によっては出費が安く抑えられる「住宅型有料老人ホーム」についてお伝えしていきます。
「住宅型有料老人ホーム」は入所施設ではない理由
一見すると住宅型有料老人ホームは入所施設のようなシステムに見えることでしょう。
しかし、入所施設のように「1日の介護料金」で請求がくるわけではなく、「1回の介護料金」で請求がきます。
ケアプラン上では「訪問介護」
訪問介護サービスを利用したことのある方ならご存じかもしれませんが、訪問介護は1回の介護料金で計算されます。
住宅型有料老人ホームでも同様に、毎回の介護料金で計算されます。
その代わりに、居室を「賃貸」する必要があり、家賃や共益費、食費などが発生します。
本人の状態によっては費用を安く抑えられる
という状態の人の場合、住宅型有料老人ホームをうまく活用できる可能性があります。
賃貸として居室を借り入れ、必要な介護用具(ベッドなど)をレンタルで済ますと、あとは必要な介護援助をケアマネージャーと相談します。
その時、身体介護がほとんど必要なく身の周りのことが自分でできる場合、訪問介護の請求を安く済ませることができるので、比較的安値で生活できます。
もちろん必要な介護はケアプランに組んでもらいますが、介護老人保健施設やグループホームなどと比較しても安い出費にできる可能性が高くなります。
ご本人の身体状態をよくご確認された上で検討してみましょう。

比較的自由度が高い住宅型有料老人ホーム
1日の介護料金ではなく、1回の介護料金での請求が基本となる住宅型有料老人ホームでは、必要な物品は自分で手配する必要があるほど「自由度が高い施設」ともいえます。
そのため、1日の生活のプログラムがしっかりと組み込まれている入所施設とは異なり、住宅型有料老人ホームでは「自宅で過ごしている感覚」に近いことでしょう。
介護職員は少な目
入所施設のように多くの介護職員が配置されているわけでもありません。
入所施設のようにレクリエーションやリハビリなどを期待していると、実際にはそのようなプログラムが組み込まれていない場所が多いので事前にご確認しておくと良いでしょう。
介護職員の人数が少なくてご不安に思うかもしれませんが、ご自分の生活をあまり干渉されることがないという事にもつながります。
ADLの高い方にとっては自分のやりたい生活が自由にできる場所でもあるので、外出や外泊も比較的自由にできます。
身体が元気な状態の方であれば、快適に過ごすことができるでしょう。
本人の意思を尊重できる

住宅型有料老人ホームは、生活の自由度は高く、ご自宅の近くの住宅型有料老人ホームを活用することで自宅での独居生活に悩む家族のサポートの役割を果たすことが可能になる場合があります。
日頃の受診や外出など、必要なサポートはご家族がおこないますが、ご本人がご自宅で生活するよりも快適になるうえ、いつでも外泊ができることを考えると、家族にもメリットが見えてくるのではないかと思います。
ご本人の状態やご希望に添えるのであれば、比較的安価な住宅型有料老人ホームを検討するのもいかがでしょうか。(執筆者:佐々木 政子)